黒岳 | 独り言ちの山暦

独り言ちの山暦

「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

2024.6.29。

弾丸登山で表大雪の黒岳を登ってきた。

朝5時に旭川を出た。

空一杯に青空が広がっていたし、気温は32度まで上昇する予報だ。

黒岳を登って正午までには上富良野に入る予定だ。

結構、余裕があると踏んでいたが慌ただしい登山となった。

今日の相棒であるTOKUさんの奥様が登山を始めるとのこと。

登山関連用具一式を揃えた。そして初の登山が黒岳となっていた。

だが急遽仕事が入ったとのことで残念ながら、今回の登山はキャンセルとなる。

それでは「夫婦揃っての登山」のその日のために、予行演習と銘打って

TOKUさんと2人である。

6時まえには層雲峡ロープウェイ駅に着いた。

この山の山開きは明日ではあるが相当数の登山客がロープウェイを待っていた。

始発は混雑するため第2便を利用した。

ロープウェイ、リフトを利用して7合目に着いた。

ここから頂上まで約1.7キロ。時間的には1時間弱である。

9時30分までにロープウェイ駅に戻れば、正午の約定の時間には間に合う

筈だ。

休むことなく一気に頂上まで登った。そこは期待通りの光景が広がっていた。

この光景を目の当たりしたら「きっと奥様も山の虜」になるに違いない、2人で

確認した。

15分ほどの滞在で頂上を後にした。この次はまだ先まで脚をのばすことと

なるに違いない。

TOKU夫婦の山の旅がここから始まる。

素敵な時間と思い出を沢山と共有して欲しいと願う。

下りも休むことなく駆け下りた。

登ってくる登山者と挨拶を交わす。

気温は随分と上がってきたが、頂上は本当に別世界のように

涼しかった。汗に塗れた方々にそれを伝えた。一瞬、顔が輝いた、と

思った。

想定外と言うか、想定内と言うか。

下りのロープウェイに僅かに間に合わなく、20分の待機となった。

この20分は貴重な時間である。

温泉に浸かり汗を流す時間である。

それでも9時30分にはロープウェイ駅に着いた。

何とかギリギリ間に合う時間だ。

層雲峡にある「くろだけの湯」は10時からである。

当麻の温泉施設へと向かった。

ショックだった。

当麻の温泉施設はこの間休業中。

どうする?近場の風呂は見当たらない。

あれこれと思案。思いついた!

旭川の運動公園内にある武道館にシャワー施設があるのだ。

そこに駆け込み汗を流した。

あれこれとドタバタであったが15分遅れで上富良野に着いた。

そこでは焼き肉が用意されていた。

そしていつもの気の置けない仲間が待っていてくれた。

ヒリヒリする程の喉に冷えたビールを流し込んだ。

生き返った、と。いつもいつも性懲り無く思う。

上富良野特産の「豚サガリ」を頂いた。これも旨い。仕合せだと噛み締めた。

山を登って、ビールを飲んで、焼き肉を食べて、冷酒を呆れるほどに飲んで

32度を記録した猛暑日を過ごした。