こんにちは。

 

森澤 恭子です。

 

 

令和5年第1回品川区議会定例会 施政方針演説の後半です。

 

-----

3.「歴史と伝統を未来へつなぐ街づくり 経済と環境が両立するSDGs しながわ」
次に、「歴史と伝統を未来へつなぐ街づくり 経済と環境が両立するSDGs しながわ」であります。
品川が誇る財産である歴史、文化、アート、水辺空間などを有機的につなぎ、品川の新たな都市ブランディングを実現してまいります。
まず、区の歴史と文化の発信拠点である、品川歴史館については、令和6年度の全面リニューアルに向け工事を進めてまいります。また、文化・芸術・観光の取り組みとして、荏原地区を拠点に活動しているアーティストやものづくり企業が結集し、荏原地区全体を盛り上げる「まちぐるみ文化イベント」を実施します。さらに、品川の魅力発信として、観光やシティプロモーションの要素を加えた「しながわシティラン」の令和6年度開催に向け、5年度は実行委員会を立ち上げ準備を進めてまいります。
加えて、品川の大きな魅力の一つである、水辺空間の利活用についてです。ハード、ソフト両面から水辺のにぎわいやうるおいのある街づくりを進め、そのポテンシャルを高めてまいります。観光舟運イベントである「しながわクルーズ」の実施や水辺の拠点施設である「しながわ水族館」の全面リニューアルに向けた基本設計に着手します。また、しながわ区民公園の北側ゾーンについては、令和5年度末のオープンに向け引き続き整備を進め、防災機能の強化とともに運動施設をリニューアルいたします。
一番身近なコミュニティであり、地域力の源泉でもある町会・自治会も、街のにぎわいや活力向上に不可欠な存在です。町会・自治会に対して伴走型支援による課題解決を図るとともに、テーマ別の交流会を開催し町会・自治会の横のつながりの強化を後押ししてまいります。
 未来につなぐ街づくりという点からは、災害に強い安全・安心な街づくりが必要です。そのため、引き続き不燃化特区支援事業や住宅・建築物耐震化支援事業をはじめ、地震や風水害等に強い、都市の強靭化を推進してまいります。
また、首都直下地震における被害想定の見直しや最新の関連法令、災害事例等の知見を反映させるべく、品川区地域防災計画の大規模修正を行います。併せて、災害対策備蓄倉庫の拡充や備蓄物資輸送の強化を図ってまいります。
広町地区の街づくりについては、官民が連携して、行政、防災、商業などの機能を持つ街づくりを進めています。土地区画整理事業や駅周辺の歩行者ネットワーク強化の検討など、品川区の中心核に相応しい、にぎわいのある街づくりの実現に向け引き続き事業を進めてまいります。また、立会川・勝島地区の街づくりについては、「(仮称)勝島人道橋」の設計や都市再生整備計画の手続きを引き続き進めてまいります。


次に経済と環境が両立するSDGsしながわの実現に向けてです。
まず、地域経済の活性化についてですが、新型コロナ感染症等に起因する社会経済活動の冷え込みから、徐々にではありますが街のにぎわいを取り戻しつつあります。一方で東京商工リサーチの統計によると、全国の倒産件数は令和4年12月まで9か月連続で増加傾向にあり予断を許さない状況にあります。中小企業に対しては、引き続き融資あっせんを行うとともに、生産性向上や競争力の強化等のチャレンジを応援し成長を後押ししてまいります。
また、スタートアップ企業との連携による新規事業創出・課題解決支援など品川独自の産業支援施策を引き続き実施してまいります。さらに、品川区の顔であり、活力の源でもある商店街ににぎわいと活気をもたらすべく、引き続きプレミアム付共通商品券を発行するとともに、商店街サポーター事業、商店街企業連携推進事業など意欲ある商店街の後押しをしてまいります。
次に、環境施策ですが、昨年5月にオープンした「エコルとごし」は、すでに来館者が16万人を超え、区民のみならず多くの方にご来場いただいています。今後も環境学習、意識啓発の拠点として、最大限活用してまいります。また、今年度末に改訂予定の「品川区環境基本計画」では、2050年に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目標に掲げていますが、この野心的な目標を達成するためには、さまざまな施策を引き続き多面的に展開する必要があります。区有施設における太陽光発電設備設置の推進や低炭素化に有効な道路舗装の試験施工を実施します。加えてプラスチックについては、すでに行っている容器包装に加えて、製品の回収について一部地域からスタートし、プラスチックのさらなる資源化を促進してまいります。
さらに、2030年を目標に世界中で取組んでいる持続可能な社会の実現に向けたSDGsですが、区では「経済」「環境」「社会」など幅広い分野の目標達成に向けて、事業を展開してまいりました。令和5年度は内閣府が募集するSDGs未来都市に応募するなど、その取り組みを加速してまいります。

 

image


4.「区民とともに進める 新時代のしながわ」


次に、「区民とともに進める 新時代のしながわ」であります。
私の目指す「新時代のしながわ」は、多様化する区民の価値観やニーズを的確に把握し、区政に反映していくことです。そのために、高校生以上の区民約36万人を対象に区政に関するアンケートを実施し、その回答を今後の区政に反映させてまいります。あわせて、小・中・義務教育学校の児童・生徒には別途アンケートを用意し、子どもたちの意見も聞いていきます。羽田新飛行ルートについては、区民の皆様の回答を把握・分析し、国に届けるとともに、東京都や関係自治体とも連携しながら、固定化回避の早期実現を含む、具体的な解決策を国に働きかけてまいります。
また、大規模区有地であります旧荏原第四中学校用地の活用については、ワークショップの開催や公募委員を含む検討委員会の設置等により、地元を含む多くの区民の皆様の声、意見を把握し、区民に愛される施設の整備に向け検討を進めてまいります。
次に、民間活力の活用についてです。民間事業者の優れた技術、経験、資金等を取り入れ、効果的・効率的な施設整備、質の高い施設運営、区民負担の軽減を引き続き進めてまいります。令和5年度は、Park-PFI制度の導入に向け、今年度実施した調査結果を踏まえ、運営事業者の公募・選定を行い、魅力ある都市公園の創出を図ります。
新庁舎整備にあたっては、民間事業者のノウハウを取り入れつつ基本設計に着手し、行政機能を集約する答申に基づき計画を滞りなく進めてまいります。現庁舎跡地の一体的な街づくりについては、官民連携手法の導入による区民負担の軽減について検討を進めるとともに、収益性と公共性の両立を目指します。そのために、ワークショップの実施等を含む区民参加型の跡地活用検討委員会を設置するなど、区民ニーズの叶う街づくりに向けた検討に着手いたします。
次に、行政評価の実施についてです。令和5年度は、令和4年度から一部実施を開始していた財務諸表を活用した事務事業評価の対象を全事業とし、新たに区民意見を踏まえた政策評価を実施することといたします。各事業や政策について、不断の検証や見直し・改善を行い、より効率的で効果的な行財政運営につなげることはもとより、区政そのものをバージョンアップさせてまいります。さらに、区民の幸福に直結する区政への変革を実現するため、各事業や政策の達成度を測る成果指標に、区民の幸福度・満足度を取り入れることについて検討を進めてまいります。こうした視点は、まさに「区民とともに進める新しい品川区政」の根幹でもあります。
次に、DXを活用した区民サービスの向上についてです。デジタル技術の急速な進展や新型コロナ感染症が、社会経済活動や人々の生活様式、働き方に大きな変化をもたらしています。区においても従来の行政サービスのあり方を根本から見直し、社会の要請にこたえるために、最先端のテクノロジーを活用したデジタル化をさらに推進してまいります。
令和5年度は、区民の利便性の向上に向けたオンライン申請システムの推進や、デジタル技術を活用した業務の改善と効率化などを積極的に進めてまいります。また、キャッシュレス決済端末を文化センター、中小企業センター等にも拡充し、利便性を向上してまいります。
一方、様々な移動手段を用いて行政サービスをきめ細やかに実現するMaaSの実証実験として、マイナンバーカードの出張申請等のサポートをモデル実施し、マイナンバーカードのさらなる取得促進を図ります。また、実証実験を通じ、その効果や課題等を見極め、新たな移動型行政サービスの実施に向けた検討を進めてまいります。

image
 

Ⅳ.令和5年度予算の概要


こうした新たな政策を力強く推し進めるべく、令和5年度予算は、区民とともに進める新しい品川区政を実現するスタート元年とし、未来を見据えた積極予算といたしました。編成にあたりましては、事業実施により見込まれる成果・効果、業務委託を含めた執行体制の適正化等を精査しながら、区民ニーズを踏まえ必要な事業へ大胆かつ重点的に予算の配分を行いました。また、予算執行に当たっても、事業内容を十分に検証し、事業の効率性や実効性を更に高める努力や工夫をしてまいります。
一方で、これまで培ってまいりました基金などの強固な財政基盤を堅持することで、「攻め」と「守り」の双方の視点から戦略的な予算編成を行ったところです。その結果、一般会計予算を前年度比プラス5.1%の1,987億9,400万円と過去最大規模の当初予算案といたしました。

Ⅴ.おわりに


最後になりますが、エネルギー価格の高騰などに伴う物価高、新型コロナ感染症への対応、気候変動危機、人口減少など、私たちは今、まさに激動する時代の真っただ中にあります。経営学者のピーター・ドラッカーは「まず何よりも、変化を脅威ではなく機会としてとらえなければならない」と説きました。私たちはこの局面を何よりのチャンスと前向きに捉えることが重要です。そして勇気をもって大胆かつ戦略的に政策を展開していくことで、社会の新たな景色をつくりあげていかなければなりません。誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける品川の実現に向けて、まさに新時代のしながわ元年のスタートダッシュを切るべく、全力で区政の舵取りをしてまいります。


以上、令和5年度における施政方針を申し述べました。議員各位ならびに区民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、発言を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

虹性別や障がいの有無、

家庭の状況などにより

選択を阻まれることなく

自分の望むように生き、

幸せを感じられる日本へ虹

*公式ホームページ*

http://kyokomorisawa.jp

----------

品川区長 森澤 恭子

(2022年12月5日~)

 

image

image

連絡先: info★kyokomorisawa.jp 

(★を@マークに変えて)