こんばんは。

 

森澤 恭子です。

 

本日、令和5年第1回品川区議会定例会開会にあたり、施政方針演説を行いました。

 

以下、全文です。(長いので、2回に分けます)

 

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 令和5年第1回区議会定例会の開会にあたり、区政運営の基本方針及び施策について、所信と決意を申し述べ、議員各位ならびに区民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まずもって、私は、この令和5年を「新時代のしながわ」、つまり「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける品川」を区民とともに創っていく、まさにその出発点となる1年としていく、その決意を申し上げたいと思います。
さて、現下の社会情勢に目を向けると、長引くコロナ禍に加え、ウクライナ侵攻に端を発する世界的なエネルギー供給不安や円安による物価高騰、また、今年は関東大震災の発災から100年という節目の年でありますが、いつ何時起こるかもしれない自然災害など、先行きの見通しづらい、まさに時代の大きな転換期にあります。
新型コロナ感染症に関しては、今般、国において、季節性インフルエンザと同じ「5類」感染症に移行することが決定されました。3年にわたる新型コロナ対策も新たなフェーズを迎えます。ポストコロナにおいて、いかにして区民生活を守り、支え、そして発展させていくか。これまでの経験から、新たな感染症の脅威に対していかにして備えていくか。区民の生命と暮らしを守るべく、一丸となって取り組んでまいりたいと考えています。
一方、少子化の進行は深刻さを増しています。令和4年の全国出生数は国の想定よりも8年早く、初めて80万人を下回る見通しとなりました。このまま少子化が続けば、経済活動を衰退させるばかりではなく、何よりも地域の、そして社会全体の活力が失われかねません。
そのような危機的な状況の下、政府は「異次元の少子化対策」として、「経済的支援の強化」「子育て家庭向けサービスの拡充」「働き方改革の推進」の3本柱について、大胆な具体策をまとめることとしております。また、東京都においても、少子化対策の拡充に取り組むことを表明しております。こうした中、「子育て・教育で選ばれるしながわ」の実現に向け、他自治体に先駆け、スピード感をもって、先進的な少子化対策、子育て政策を積極的に推進してまいります。
 大きな時代の転換期にあるからこそ、子育て、教育、福祉、街づくり、政治や行政のしくみも含め、時代にあわせて変えていく必要があり、積極果敢に「区民の幸福(しあわせ)」のために邁進していく所存です。
 そのために、4つの重点政策である「一人ひとりをささえ、伸ばす 子育て・教育で選ばれる しながわ」「高齢者も障がいのある方も 誰もが安心を実感できる しながわ」「歴史と伝統を未来へつなぐ街づくり 経済と環境が両立するSDGs しながわ」「区民とともに進める 新時代のしながわ」の推進に全力で取り組んでまいります。
 


それでは、4つの重点政策の主な事業についてご説明いたします。


1.「一人ひとりをささえ、伸ばす 子育て・教育で選ばれるしながわ」
はじめに、「一人ひとりをささえ、伸ばす 子育て・教育で選ばれる しながわ」であります。
子どもの笑顔があふれる街。すべての子どもが伸びやかに、生き生きと学び成長できる街。子どもは未来を支える社会の宝であり、社会全体で子育てを支えることが重要です。誰にとっても子どもを産み育てやすい環境、全ての子どもが自分らしく健やかに成長できる環境を整備し、ここ品川区から、少子化対策、子育て政策を力強く推進してまいります。
具体的には、私が公約の重点政策として掲げた「保育・給食・医療 子育て3つの無償化」については、いずれも所得制限を設けることなく、全ての子育て家庭の負担を減らすべく令和5年度より実施してまいります。第2子の保育料の無償化については東京都に先駆け4月から実施します。また、認証保育所についても、認可保育園と同程度を助成してまいります。
小・中・義務教育学校における給食については、これまでも多子家庭や就学援助家庭の給食費、食材費の物価高騰分について区で負担をしてきたところですが、4月以降、全ての児童・生徒を対象とした無償化を実施します。高校生等の通院医療費の助成については、所得制限により東京都の制度の枠組みから外れる高校生等に対して、区が独自に助成することで全ての高校生等に無償化を実現してまいります。このように、所得制限を設けない「子育て3つの無償化」をスピーディに実現することで、「子育て・教育で選ばれるしながわ」に向けて、大きな一歩を踏み出してまいります。
次に、乳児を育てるご家庭への支援についてです。核家族化が進み、地域との関係も薄れる現代においては、孤立感や育児への不安を抱える家庭も少なくありません。すべてのご家庭が安心して子どもを育てられるよう全ての0歳児家庭を対象とした「おむつ宅配定期訪問」を実施いたします。この事業では、おむつ等の子育て費用の負担軽減に加え、あわせて子育ての不安や悩みをうかがうことなどにより社会とつながり、緩やかな見守りが図られることを目指しております。
また、妊娠・出産届け出時に「出産・子育て応援ギフト」を配付するとともに、2歳までの子育て家庭を対象に伴走型相談支援を引き続き実施いたします。さらに、定員に空きのある保育所等において、未就園児を対象とした定期的な預かり保育をモデル実施いたします。週1~2回程度の定期的な預かりにより、他児とともに遊ぶ経験から子どもの育ちを促すとともに、育児疲れを抱える保護者の負担軽減につなげるなど、地域の子育てインフラとしての保育所活用について検討を進めてまいります。
次に、在宅子育て支援についてです。かねてから要望の高かった八潮・勝島地域の在宅子育て支援の拠点として、旧八潮南保育園園舎を活用し、オアシスルームやポップンルーム、木のぬくもりの中で遊べる木育ルームなどを整備してまいります。令和7年度の開設に向け、令和5年度は基本設計・実施設計を実施いたします。
また、区内に25館ある児童センターでは子育て支援の拠点としての機能強化を図るとともに18歳までの子どもが活動できる場として、各世代の多様化するニーズや地域ごとの特色を生かした機能の充実を進めてまいります。
次に、発達に課題を抱える子どもや支援が必要な子どもへの施策についてです。発達相談や療育の拠点として、区内2か所目となる児童発達支援センターを令和7年度に戸越地区に開設してまいります。令和5年度は施設改修に向け設計を実施してまいります。
次に、安全で安心な保育・教育環境の整備についてです。交通事故や通園バスでの置き去りなど、子どもの命に危険が及ぶ痛ましい事故が後を絶ちません。保育園・幼稚園に対して、通園バス置き去り防止機器を設置する費用や園外活動等の見守り要員雇上げ費用を助成し子どもの安全を確保してまいります。また、認可保育園の新設、区立保育園や区立学校の改築についても計画的に取り組み、保育・教育の環境整備を進めてまいります。
次に、養育困難な家庭の支援や児童虐待防止の拠点である区立児童相談所についてです。令和6年度の開設に向け、人員の確保・育成に加え、運営体制の整備や東京都からのケースの移行など着実に準備を進めてまいります。さらに社会的課題となっているヤングケアラーについては実態把握に向けWebアンケート調査を実施し、具体的な本人支援の場としてオンラインサロンやSNSによる相談支援を実施してまいります。
 次に、教育です。複雑・長期化する学校での問題について、教職員の負担を軽減するため、外部の力を借りて解決に取り組む仕組みを導入します。
さらに、来年度、新たに特別支援教育の推進を所管する組織を設置し、教育の場において支援が必要な子どもの施策も拡充してまいります。
文部科学省が2022年12月に発表した調査によると、通常学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習面または行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があることが明らかになりました。こうした発達障害児への支援の充実に向け、発達障害教育支援員を小学校・義務教育学校前期課程15校に配置いたします。加えて、より円滑な教育の提供のため、台場小学校から豊葉の杜学園に難聴通級指導学級を移設し、宮前小学校には、自閉症・情緒障害特別支援学級を新設してまいります。
 

 

2.「高齢者も障がいのある方も 誰もが安心を実感できる しながわ


二つ目は、「高齢者も障がいのある方も 誰もが安心を実感できる しながわ」であります。誰もが住み慣れた地域での生活が継続できるよう、認知症高齢者グループホーム、障害者グループホームの定員を増やしてまいります。200名分の整備を目標に、民間事業者に対する整備費補助金の周知強化、区有地や都有地などの未利用公有地、民有地などの洗い出しと貸付、事業者が活用しやすい手法などの検討により、確実に施設整備を推進してまいります。
令和5年度は、小山台住宅跡地の整備、八潮南特別養護老人ホームの増改築整備に向けた設計を実施し、さらに、西大井三丁目に障害者グループホーム「出石(いずるいし)つばさの家」の建築工事を進めてまいります。
次に、誰一人取り残さない地域共生社会の実現に向けた施策についてです。社会構造の変化に伴い、社会的孤立や8050問題など、複雑化・複合化した課題が生じています。区ではこうした課題の解決に向け重層的支援体制整備(しあわせ創設プラン)の検討を進めてまいりました。令和5年度は実際のケースに対して本格的な相談・支援を実施してまいります。また、相談から見えてきた課題を解決するために、区民の活動の場や居場所等の地域資源に関する情報をシステムで一元化し、支援を必要とする人と地域資源のマッチングが円滑に行えるよう整備してまいります。
次に、障害のある方への施策です。障害により長時間の就労が難しく、働く意欲があっても就労に結びつかない方を対象とした、超短時間就労の雇用の創出に向け具体的な検討を開始します。令和5年度は、区内の就労環境の分析や研修を実施してまいります。
また、2025年に東京でデフリンピックが開催されることを契機として、デフスポーツの啓発イベントや手話講座等を実施し、聴覚障害への理解促進、ひいては地域共生社会の実現を図ってまいります。
 次に高齢者福祉についてです。2025年には日本の65歳以上の5人に1人が認知症状を抱えると推計されています。区ではこれまでも認知症サポーターの養成や認知症検診の実施など、認知症の早期発見・予防に努めてまいりました。令和5年度は新たな認知症予防対策として、絵本読み聞かせ講座を実施し、高齢者の認知機能の低下を抑えるとともに、子どもへの読み聞かせの場の創出などにより、高齢者の生きがいづくり、ひいては高齢者が安心を実感できる地域社会へとつなげてまいります。
また、難聴はコミュニケーションがとりにくくなるだけでなく、社会との交流や参加の減少につながり、ひいては認知機能の低下につながります。こうした高齢者のフレイル予防等のため、医療機関や業界団体と連携して、聞こえの問題や補聴器への正しい理解を十分に進めながら、新たに補聴器購入費用の助成を実施してまいります。
次に、健康づくりについてであります。日本人の死因のトップに挙げられるがんへの対策として、「品川区がん対策推進計画」に基づき、予防、早期発見、支援など総合的な対応を実施しております。がんになっても「自分らしくあること」、それは前向きに生きる意欲につながり、治療にプラスになるばかりでなく、日々の生活や社会活動を豊かにすることにつながります。令和5年度は新たにアピアランス支援として、外見の変化による苦痛を除去するためのウィッグや胸部補整具などの購入費を助成し、がん患者の負担軽減とあわせ、生活の質の向上を図ります。併せて、がん患者への精神的支援として講演会や啓発パンフレットを通して、がんとの共生について啓発してまいります。
さらに、80歳までに、おおよそ3人に1人が発症するといわれている帯状疱疹の予防に向けて、新たに50歳以上の区民を対象に帯状疱疹ワクチンの接種助成を開始いたします。
次に、感染症対策についてです。これまでの区における新型コロナ感染症対応など様々な記録の整理や医療関係者への聞き取り等、区の取り組みの総点検を実施し、類型見直し後の新型コロナ感染症への体制整備とともに、新たな感染症の脅威への備えを万全にしてまいります。
次に、性的マイノリティの方への支援についてです。令和4年11月に東京都パートナーシップ宣誓制度が開始されたことに伴い、同制度の周知・啓発を図るとともに、区営住宅への入居や行政サービス等での活用を進めるなど、多様性が尊重される社会を目指してまいります。

 

(後半に続く…)

 

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品川区長 森澤 恭子

(2022年12月5日~)

 

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