こんばんは。
森澤恭子です。
東京都議会議員(品川区選出)、
無所属(東京みらい)で活動しています。
厚生委員会での初めての質疑
都立病院などを管轄する
病院経営本部への質疑です。
過去の議事録は読んで、
ざっとどんな質疑がされているかを読み、
視察や
これまでいただいてきた意見などをふまえ、
国の動向を調べて、、、
などと質疑を準備し、
仲間にも意見をもらったりしますが、
あまりに浅い質問になっていたら
恥ずかしいな...
などと
直前までウジウジしてましたが。。。
都立病院における
✔︎出生前診断
✔︎産後うつ妊産婦への対応
✔︎虐待等の早期発見
✔︎外国人患者受け入れ
✔︎総合内科/総合診療医の育成
✔︎ICT活用による地域医療機関との連携
✔︎医師の復職支援
✔︎基幹災害拠点病院の取組
について質疑しました。
病院経営本部さんとのやりとりは
ほぼ初?でしたが、
かなり丁寧にご答弁くださる印象です。
(都市整備委員会、経済・港湾委員会と
経験してきましたが・・・
局によってカラーがあります)
担当の職員のみなさま、
お付き合いいただき、ありがとうございました!!
まずは前半部分の質疑を紹介します。
都立病院における出生前診断について
端的にいうと・・・
✓診断前の遺伝カウンセリングの質の担保の必要性
✓障がいや疾患がわかった時の支援体制の充実を
都立病院における妊産婦の産後うつへの取組について
端的にいうと…
✓産後うつへの理解や妊産婦への対応の仕方などを学ぶための研修をしっかり行って欲しい
✓地域との連携など退院後の支援体制にもしっかりつなげて
✓大塚病院のようなきめ細かい対応(以下質疑参考)を他病院にも広げて欲しい
未受診妊婦等支援が必要な方の出産への対応について
✓退院後、地域で子育てしていく中で孤立することにないよう、地域の福祉に着実につなげて欲しい
虐待等防止に関する専門的知識を有する職員の育成
✓様々な職種、さらには地域の関係機関などで虐待について理解する人を増やし、病院内での虐待事案の早期発見を
✓引き続き児相など関係機関との連携を
(以下質疑文です)
■都立病院における出生前診断について
厚生労働省では、先月末、NIPT(※非侵襲性出生前遺伝学的検査/Non Invasive Prenatal geneticTesting)等の出生前検査に関する専門委員会の第1回が開かれました。適切な実施体制や妊婦への情報提供の在り方などについて議論し、来年の取りまとめを目指すということです。
新出生前診断は2013年に臨床研究として開始。関連学会は、専門家による遺伝カウンセリングを行う体制が整った病院でのみ実施を認めてきた一方で、「認定施設においても検査説明・遺伝カウンセリングにおける説明内容が標準化されておらず、施設によっては十分な情報提供や理解を得られないままに受検者が意思決定をせざるを得ない状況にある可能性」も指摘されています。「検査前に提供する検査説明や遺伝カウンセリングの内容等について、質の担保が求められる」と、委員会でも報告されています。
Q1)そこでまず、都立病院での「出生前診断」の実施状況について伺います。
A1
・ 都立病院においては、広尾病院、大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターが、羊水検査等による出生前診断を実施している。
・ 令和元年度は、広尾病院で12件、大塚病院で10件、墨東病院で8件、多摩総合医療センターで12件、合計42件の出生前診断を実施した。
Q2)都立病院での事前の検査説明や遺伝カウンセリングは、どのように行われているのか、取組状況について伺います。
A2
・ 都立病院では、出生前診断などの遺伝学的検査・診断の実施にあたり、日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」において、「遺伝学的検査・診断に際して,必要に応じて適切な時期に遺伝カウンセリングを実施する。」とされており、都立病院においてもこれに基づき対応している。
・ 総合周産期母子医療センターである大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、臨床遺伝専門医が検査内容を説明する他、検査実施前後に遺伝カウンセリングを実施している。
・ また、 広尾病院では、臨床遺伝専門医の配置はないが、(先ほどの)ガイドラインにおいて、「遺伝学的検査・診断を担当する医療機関は、『必要に応じて』専門家による遺伝カウンセリングを紹介する体制を整えておく必要がある。」とされているため、遺伝カウンセリングの実施が可能な医療機関を紹介する体制を整えたうえで、院内の産婦人科医が適切に検査内容や結果の説明を行っている。
出生前診断を行っているある病院で、遺伝カウンセラーの方から「カウンセリングなどを通じて夫婦で気持ちの整理、統一をした上で、検査を受けて欲しい」といった検査前のカウンセリングの重要性について伺いました。
実施する場合の、妊婦とパートナーへの事前の十分な情報提供とカウンセリングの充実に引き続き取り組んでいただきたいと要望いたします。
十分に情報提供し、カウンセリングをした上で、検査後の、妊婦並びにパートナーに対しての支援体制も重要になってきます。
Q3)胎児に何かしらの疾患や障がいが明らかになった際には、どのようなフォロー体制をとっているのか、伺います。
A3
・ 広尾病院では、検査により疾患や障害等が判明した場合には、自院での対応が困難なため、専門医療機関を紹介している。
・ 大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、同様に疾患や障害等が判明した場合、検査結果を踏まえた今後の方向性を臨床遺伝専門医が妊婦と話し合い、継続妊娠の希望の有無を確認する他、胎児の病状に応じた対応方法を予め伝えておくなど、妊婦が意思決定を行うための十分な情報提供を行うとともに、妊婦が正しく理解するための取組を行っている。
・ なお、多摩総合医療センターでは、隣接する小児総合医療センターの医師と連携し、胎児の具体的な疾患や治療方針について妊婦に説明するなどの対応を行っている。
今のご答弁から医療についての説明、情報提供などはしっかりされているのだと思います。
一方で、厚労省のワーキンググループの報告書にも、検査を受けられた方が「どのような不安を感じ、どのような支援を必要としているかを見極め、検査に関する医学的な情報のみならず、障害を持つ子どもの子育て・くらし等に関するイメージができるような育児支援、社会福祉施策等の情報を提供し、不安・葛藤に寄り添った相談支援等が行われるよう、支援体制の充実が求められる」とあります。この支援体制非常に重要だと思います。都立病院が率先してこういった取組を行っていくことを要望したいと思います。
■妊産婦の産後うつへの取組について
大学の研究者と助産師さんが「産後うつ」の調査を10月に行ったところ、出産後1年未満の母親2132人のうち、「産後うつ」の可能性がある人が速報値の集計でおよそ24%に上り、4人に1人が「産後うつ」の可能性があり、通常10%ほどが発症するといわれている中で、倍以上に増えていることが明らかになりました。
一方、最近とある大病院で出産した(※名誉のために、都立病院ではありません)妊婦さんが、入院中に対応した看護師の無理解で「産後うつ」を悪化させ、出産のための退院後、再入院したが、精神科の先生にも理解のない発言をされた、というケースがありました。この一件から、誰もが知っているような都内の大病院で、看護師や医師にも「産後うつ」の理解がなかったということに大変驚きました。
そこで、都立病院における産後うつへの取組について伺います。
Q4)出産のために入院している妊産婦に接する看護師や助産師の産後うつへの理解や妊産婦への対応の仕方などを学ぶための研修の実施状況について伺います。
A4
・ 大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、精神疾患合併妊婦の看護や赤ちゃんを亡くされた母親の看護など、産後うつを含む妊産婦のメンタルケアに関連したテーマの勉強会を年に数回開催している。
・ また、産後うつの患者の発生の都度、ケースカンファレンスを実施するなど、きめ細かな対応を行っている。
Q5)産後うつの発生の都度という言葉がありましたが、民間団体(マドレボニータ)の調査によると、産後うつと診断された、診断を受けていないが産後鬱だったと思う、産後うつの一歩手前だったと思うと答えた人を合わせると8割にものぼるという結果が出ています。先ほどの事例の方も出産前にはそのような兆候はなく、出産と同時に産後うつ症状があらわれたそうです。これはホルモンバランスの関係で誰にも起こりうるものですから、産後うつと診断されるか否かに関わらず、全ての方に対して、メンタルケアを実施すべきであると考えますが、産後うつと疑われる場合の妊産婦への具体的な対応について伺います。
A5
・ 大塚病院では、患者のリスクを実態よりも重めに判断する「オーバートリアージ」を行い、
精神的リスクのある患者に対して妊娠中から介入するとともに、面接の実施をはじめ、院内の関係スタッフとの情報共有や連携体制の構築などにより、切れ目なく支援している。
・ 具体的には、妊娠中においては、問診票や保健指導のチェックリストを用いて、全患者のリスクの有無についてスクリーニングを行い、支援が必要な患者を抽出した上で、神経科医師、看護師、心理士が支援に当たっている。
・ 出産後は、「産後うつ病質問票」や「赤ちゃんに対する気持ち質問票」を用いて、医師や看護師等が気になった患者の状況を把握し、産後うつの疑い事例に対しては、精神科医師、心理士、ソーシャルワーカーで構成する精神科リエゾンチームが介入した上で、治療にあたっている。
大塚病院では、オーバートリアージや多職種での連携で対応にあたっているということがわかりました。
一方で、先ほど例示した産後うつの方の場合、スクリーニング、ここで看護師と母親の間に確執が生まれたと聞いています。つまり、看護師はそれまでの兆候からリスクを感じておらず、業務として淡々と調査を行い、それが大きなメンタルの変化を起こしていた母親にとっては大変苦しいやり取りになってしまったと推察されます。こうした齟齬を起こさないためには、まず全ての人が産後のメンタル不調を起こしているものだという前提で向き合っていただくことだと思います。一つの事例ではありますが、出産直後の余裕がないタイミングのことでありますし、自分が我慢すればいいのだと言葉にして訴えない方も多いと思います。リスクを実態よりも重めに判断する「オーバートリアージ」というお話しもありましたが、声を出しにくい方にも寄り添った取組を引き続きお願いしたいと思います。
Q6)さて、産後うつへのサポートは出産した病院や家族だけでできるものではありません。社会全体からのサポートが非常に重要です。そこで、地域との連携など、退院後の支援について伺います。
A6
・ 大塚病院においては患者の退院の際に、患者の症状に応じてメンタルクリニックを紹介するとともに、大塚病院で実施している母乳育児相談外来や2週間検診と合わせ、地域の保健所や子ども家庭支援センター等に対して、早期の赤ちゃん訪問を依頼している。
・ また、患者と子どもが大塚病院に来院する1ヶ月検診等の際には、患者が地域関係機関と関わりを持っているかや、精神状態、生活環境等について助産師や心理士、ソーシャルワーカーが確認を行っている。
・ なお、大塚病院は精神科の入院病棟がないことから、入院治療が必要な患者については、同じ二次医療圏に所在し、精神病棟を設置している公社豊島病院等を紹介している。
Q7)先ほど来よりご答弁いただいている大塚病院での取組は非常に重要だと考えます。多くの病院において、こういったきめ細かい対応がされるよう、ぜひ地域の医療機関を始め、関係機関等へのノウハウの共有を行っていただきたいと考えますが、見解を伺います。
A7
・ 大塚病院は都の総合周産期母子医療センターとして、高度・専門的な周産期医療を提供するとともに、地域の一般医療機関で対応困難な患者に積極的に対応している。
・ 大塚病院では、とりわけ産後うつに特化はしていないものの、総合周産期母子医療セン
ターとしての役割や様々な患者を受け入れてきた実績に基づき、保健所との連絡会において、妊産婦支援に関する取組を紹介している他、学校や区の依頼に応じて助産師が講演会を行うなど、地域の関係機関に対する啓発等を行っている。
産後うつには特化していないということですが、冒頭お話したように、出産後の母親の「産後うつ」が、新型コロナウイルスの影響で以前の倍以上に増えているおそれがあることもふまえ、ぜひ、保健所との連絡会での紹介や地域関係機関への啓発の際に、産後うつに関しての理解が深まるよう、情報共有などを強化していただきたく要望します。
■未受診妊婦等支援が必要な方の出産への対応について
以前伺った多摩総合医療センターでは、未受診妊婦(妊婦健診受診歴なし)等支援が必要な方の出産を月平均12~14名受けていると伺っています。外国籍の方も多いということです。
そういった方々にとっては、多摩総合医療センターが、唯一行政的支援へとつながる「点」となったといえます。
Q8)退院後、地域で子育てしていく中で孤立することにないよう、地域の福祉に着実につなげていく必要があると考えますが、取組と課題について伺います。
A8
・ 多摩総合医療センターでは、支援が必要な患者に対して面談を実施することで、家族状況や経済状況などを把握し、その状況に対応した行政サービスを案内している。
・ 具体的には、経済に関する問題に対しては区市町村の生活課や福祉課等へ、育児サポートに関する問題に対しては児童相談所、子ども家庭支援センター、保健所等へ繋ぐことで、地域に戻った後においても、適切な支援を受けることができるように対応している。
・ また、患者の退院にあたり、地域の支援に繋げていくためには、患者の住所地が都外の場合でも、公的支援や各種サービスが確実に受けられるよう、患者の住所地の自治体との連携も強化していくことが必要であると認識している。
面談を実施し、必要に応じて児相や子家セン、保健所等に繋いでいるということでした。ここでしっかりと地域や関係機関とつながることで、虐待のリスクなども減らすことができると考えます。また、都外の患者さんの場合でも、公的支援やサービスが確実に受けられるよう取り組んでくださっているということ。とても大事だと思います。引き続き、連携強化をよろしくお願いいたします。
■虐待等防止に関する専門的知識を有する職員の育成について
昨今、増えているDVや虐待などについて、医療機関でいち早く気づき、適切な対応により、支援につなげることは非常に重要です。
病院経営本部の事業概要によれば、都立病院では、「虐待等防止に関する専門的知識を有する職員を育成」するとしています。病院内であらゆる角度から目を配ることで、虐待の早期発見につながっていることを期待するものです。
Q9)この取組における成果と今年度以降の取り組みの方向性について伺います。
A9
・病院は診察を行う際に、虐待やDV等を発見しやすい立場、都立病院においても、早期発見のため職員の育成に努めている
・病院経営本部では、平成23年度から虐待防止対策研修を年2回実施し、職員が虐待防止等の知識習得
・令和2年度からは、各病院の特性や医療内容に応じてテーマを設定、各病院が年2回研修を開催し、区市町村の関係機関にも参加を呼び掛け
・しかし、新型コロナウイルス感染拡大を受け、外部からの参加も含めた形式での研修実施が困難、現在、病院職員対象の院内研修やe-ラーニングシステム等の活用を検討中
・今後は、感染状況等も勘案し、地域の関係機関も参加できる方法等を検討
Q10)さて、都立病院新改革実行プラン2018」には、児童虐待・DV(家庭内暴力)等への組織的な対応の中で、児相等関係機関との連携体制を強化するとありますが、具体的にどのように取り組んでいるのか、伺います。
A10
・ 虐待等はますます大きな社会問題となっており、各関係機関が連携して対応することが必要
・ 「都立病院新改革実行プラン2018」では、「医療現場として組織的な対応が求められる虐待等に対し、早期発見・早期対応が可能となるよう、職員への研修を充実するとともに、児童相談所等関係機関との連携体制を強化」することとした
・ 各病院においては、虐待等が疑われた場合の対応方針を検討・決定するための院内委員会を設置、その方針に基づき関係機関へ通報等を実施。児童相談所による一時保護の場合は、児童相談所の方針のもと、病院は児童に対して必要な治療を行い、児童相談所は虐待を防止するため一時保護を行うなど、連携しながらそれぞれの役割を担っている
・ 令和2年度から各病院が行う研修においては、地域の関係機関が参加することで、日頃から情報共有を図るとともに、虐待発生時の速やかな対応も目的の一つ
・ 現在、研修実施方法を検討中であるが、こうした取組を通じて、病院と地域の関係機関との一層の連携強化を図っていく
言うまでもありませんが、厚労省のまとめでも、児相の対応件数は今年1月からの半年間で9万8000件余りに上り、過去最多のペースとなっていることです。内閣府によると、政府や地方自治体の相談窓口に寄せられたDVの5、6月の相談件数が、前年同月比でそれぞれ約1.6倍、7、8月も前年同月と比べて1.4倍に増えていたということもわかっています。新型コロナウイルスによる生活不安やストレスなどにより虐待やDVの増加や深刻化が指摘されているところです。
引き続き、虐待やDVの早期発見につなげるため、病院の様々な職種のみなさんへ研修への参加を促すと共に、先ほどご答弁いただいたように地域の関係機関にも参加いただき連携を強化いただきたいと思います。
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