モード誌編集者歴35年の平工京子です。

 

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プロローグ

 

ブログのタイトルを

「お茶の時間」に変えました

 

 

ダイヤモンド【編集部、ここは私の地獄だった】

からの続き

 

 

私のブログの原点でもある

『流行通信』物語。

きょうは、第42話をお届けします。

 

 

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1989年の2月、

私、ヒラクは

『流行通信』5月号の撮影で

パリにいました。

 

 

この年は、ちょうど、

フランス革命200周年にあたり、

それにちなんだパリ特集を

組んでいたのです。

 

 

初めてのパリ出張から

4年の月日が流れ、

パリでの撮影は

もうすっかり慣れたもの。

 

 

しかも、今回の撮影では、

前の年のパリロケで知り合った

仏版『ELLE』の看板スタイリスト、

カリーヌ・ロワトフェルド

巻頭ページのスタイリングを

依頼していたので、

なおさら大船に乗った気分でした。

 

 

巻頭ページの企画内容は、

エド・ヴァン・デル・エルスケン

写真集『セーヌ左岸の恋』

からのインスピレーションで

50年代のパリの若者たちの群像を

再現しようというもの。

 

 

何がしたいのか、

何ができるのかわからないまま、

サンジェルマン・デ・プレに

たむろする若者たちを捉えた

この写真集は、

エルスケンの代表作であると同時に、

1950年代のパリを

象徴する作品でもあります。

 

 

セーヌ左岸の恋

 

 

 

通常のファッション撮影とは違う、

ドキュメンタリータッチの

フォトストーリーにしたい。

 

 

私はカリーヌにパリ在住の

日本人フォトグラファー、

佐藤容一郎さんを提案しました。

 

 

佐藤さんは、

私の初めての海外体験でもあった

スリランカロケに一緒に行った

パリ在住経験の長い

フォトグラファー。

 

 

完璧なフランス語を話すので、

カリーヌとのコミュニケーションも

問題がありません。

 

 

カリーヌにとっては、

初めて仕事をする

フォトグラファーな

わけですが、

意外にすんなりOKしてくれました。

 

 

カリーヌと佐藤さんは、

通常は私が自分でやっている

モデルやヘアメイク、

ロケーションの手配を手分けして

済ませてくれていて、

私がパリに着いたころは

ほぼ、確認の作業だけ。

 

 

私がGOを出せば、

すべてがスタートする。

 

 

私がOKを出せば、

そのカットは

撮り終えたことになる。

 

 

ただ、それだけのために

私がエディターとして立ち会う、

なんとも贅沢な撮影でした。

 

 

 

 

このファッションストーリーは

2組のカップルのお話になっています。

 

 

表紙になったのは、

路上で戯れる、黒髪のふたり。

実存主義者を思わせる黒い服は

アニエスb.のもの。

 

 

 

50年代の面影を残す

サンジェルマンのクラシックなカフェ

“Le Petit Saint Benoit”でのシーン。

 

 

女の子の水玉のシャツは

コム・デ・ギャルソン。

男の子の黒いシャツは

コム・デ・ギャルソン・オム・プリュス。

 

 

 

 

古いビリヤード場を

佐藤さんが探していてくれました。

 

 

女の子の革のジャケットはアニエスb.。

中に着たオールインワンはアライア。

 

 

 

 

ノスタルジックな

アコーディオンのカットは

サンジェンルマンのカフェで。

 

 

黒いパンツはヘルムト・ラング。

赤と黒の太いストライプのパンツは

コム・デ・ギャルソン・オム・プリュス。

 

 

 

 

鏡の中をのぞき込む女の子と、

鏡に映った女の子にカメラを向ける男の子。

 

 

男の子のブルーのシャツは、

カリーヌのパートナーが

手がけていたシャツブランド、

エキプモンのもの。

 

 

 

 

ホテルの部屋で。

 

 

ヘルムート・ラングの

男物のスーツの上下を

ふたりがそれぞれ、

裸にジャケットだけ、

パンツだけ、

と別々に身につけています。

 

 

このページには、

小さな赤い文字で

エルスケンの

『セーヌ左岸の恋』

からの引用が書かれていました。

 

 

彼はこの晩はじめて

アンと寝たんだ。

エルスケンという

オランダの写真家が貸してくれた

小さなホテルの部屋で

 

 

 

 

 

 

ダイヤモンド1989年、京都ロケでの出来事】

へ続く

 

 

 

 

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今回のお話は、

2020年8月20日の投稿、

『流行通信物語』の第26話

【帰ってきたフォーカス男】に

さかのぼって読んでいただくと

流れがつかめます。

 

記事はこちらから↓

 

 


『流行通信物語』は、

アメンバー限定記事が

しばらく続きます。

 

 

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