棋譜並べ上達法 振り飛車編 | 虚海の千年の学び

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私こと虚海の将棋の勉強を中心に、お仕事のこと、競馬やゲームなどの趣味のこと、ファイターズのことなどを書いていきたいと思います。


本文テキスト

おはようございます。虚海と申します。今日は日曜日。明日からはまた札幌に戻って、ハードなお仕事が待ってます(笑)。土曜日には2回目のワクチン接種で、1回目の時には3日も腕が痛かったので、どうやら私は副反応が強く出るみたいです。熱発がどのくらい続くか心配だなあ…


さて、今日も虚海の棋書レビュー。たまたま2冊同時に本を読み終わったので、2日連続で同じテーマで書きます。今日書かせていただくのは、2020年8月31日にマイナビ出版さんから初版刊行された、佐藤慎一先生の「棋譜並べ上達法 振り飛車編」です。



  特色

著者の佐藤慎一先生はわかりやすい棋書に定評がある棋士で、早繰り銀の本はベストセラーになったそうですね(居飛車のことだからよく知らないけど)。この本はタイトル通り、対抗形の棋譜だけを13局集めた本なのですが、最大の特長は「1手ずつすべての手に1〜5行程度の解説がついている」ことです。


棋譜並べ初心者や級位者の場合、棋譜を並べてみたはいいけど手の意味がわかんなくて、結局ただ並べただけ…ということがままあるかと思います。それも十分に意味があるそうですが、理解できない手の説明があるとより理解が深まります。


ですが、有名な「〜名局集」を始めとしたほとんどの棋譜集は、棋譜が10〜20手ズラズラ書かれていてその後にまとめて解説…のような形になっているので、解説を読みながら棋譜を並べようとしても、視点が動くのですぐに棋譜を見失ったりします。さらに、すべての手に解説があるわけではないので、解説に書いていないけどわからない手というのが必ず出てきます。


その点、この本はすべての手に解説がついているし、1手ごとに解説がついていますので、視点を動かさずに1手1手の意味を理解しながら棋譜を並べることができるんですね。これはこの本の大変大きな強みだと思います。また、振り飛車を指しこなすにあたっての心構えみたいなものがコラムで7編書かれていますし、さらに1局ごとに4ページ分のポイント解説もあります。


選ばれた対局は、藤井聡太先生のものもありますし、もちろん鈴木先生・藤井先生・久保先生・菅井先生・戸辺先生など振り飛車党なら涙が出ちゃいそうな先生の棋譜が多く選ばれていますよ♪


残念な点は2つ。1つは、コンセプト上絶対に仕方ないことですが、13局しか掲載されていません(笑)。解説がムチャクチャ丁寧なので当たり前なのですが、ぜひ続編やシリーズ化で対応していただけると嬉しいです。もう1つは振り飛車が負けた棋譜がすごく多い(笑)。この本を読むのは振り飛車党が大半なのだから、できたら振り飛車が勝った棋譜をたくさん並べたかったです。いや、この本のテーマは「捌きの感覚を身につける」だそうなので、そのテーマに沿えば別に振り飛車が勝った棋譜である必要が無いのは理解していますけどね。やっぱり振り飛車が負ける棋譜はつまらないし悔しいんです(笑)。


  おすすめできる棋力

棋譜さえ読めれば誰でも大丈夫です。ただ、有段者にはここまで丁寧な解説は逆に必要ないかなと思いますし、コストパフォーマンス的にも他の棋書のほうがいいかもしれません。逆に級位者の方や棋譜並べが初めての振り飛車党には、力を込めておすすめできるかと思います♪


  まとめ

上記の通り、初めての棋譜並べの本としてとてもおすすめできます。この本を何周かしてから、お好きな先生の棋譜集や「〜名局集」に進むのがいいのかなと思います。フォロワーさんによると、「プロの先生よりも自分より少し強い方の棋譜のほうが参考になる」というご意見もありますので、ウォーズ高段者や動画を配信されている方の棋譜を並べるのに進むのも有りですよね。また、1手ずつの棋譜集は以下のような本も有りますので、一応貼っておきます。