形で覚えよう!実戦で使える1手必至 | 虚海の千年の学び

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こんにちは。虚海と申します。今週は棋戦が2つありました。1つは10秒将棋で序盤から悪くしてしまい、全然実力を出せないまま負けてしまいました。10秒の適性の問題もありますし、そもそもそれも実力なのでしょう(笑)。


もう1戦はなんとか勝つことができました。相矢倉指定を受けている対局だったのですが、矢倉から77に角を据えて強引に右四間飛車にしてみました。やっと棋戦での連敗も止まったので、ここから復調していければいいですね。名親戦でもなんとかギリギリで降級を免れたので、次節ではA級に上がれるように頑張りたいものです。体調とかメンタルさえ安定していれば…


さて、今日は虚海の棋書レビュー。ちょうど今日読み終わった本なのですが、2020年6月30日にマイナビ将棋文庫から初版刊行された、武市三郎先生の「形で覚えよう!実戦で使える1手必至」です。

 


  特色

著者の武市三郎先生は、必至問題の著作をたくさん書かれている先生です。この本はタイトル通り、一手必至のみの問題集になっています。3つの選択肢が全問に用意されております。また、問題に入る前に「必至の考え方」というミニ講座もついています。全180問有りますので、問題数的にも十分でしょう。


そもそも、必至問題は1つ答えを考えついても、それに対する相手方の応手をすべてを読まなければならないので、読みの力や受けの力が付きます。また、それぞれの応手ごとに間違いなく詰むかを読み切らなければなりませんから、詰将棋の力もつきます。とてもお得な問題集と言えましょう。


「でも、たかだか1手必至だし三択問題なんだから、簡単でしょ?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。いやいや、とんでもないです(笑)。上記の通り、必至問題はきちんと答えようと思うととても難易度が高いですし、三択の選択肢も一見すべて正解に見えるようなものが多いです。この本は純粋な初心者向けの本では決してないと断言できます。


ただ答えを出すだけなら3分の1で当たりますけど、すべての応手を読み切ってから答えを見るようにすると、とても力がつくと思います。また、1周して間違えた問題をすべて解けるように練習した今の感想なのですが、なんとなく「これで必至かな」という感覚がついてくると思います。そこから応手をちゃんと読まないと練習としてはダメですけど、実戦の時間に追われた状況で急所に自然と手が伸びるようになるのは、とても大きな効果なのではないかと思います。


  おすすめできる棋力

本の中では、それほど難易度が高くないにしろ7〜9手詰めも平気で求められるので、少なくとも3手詰めはスラスラと解けて、5手詰めもある程度は解けることが最低条件かなと思います。必然的に棋力はウォーズ3級くらいは必要でしょうか。ちなみにウォーズ1級の私の初回の正解率は80%くらいでした。でも、正解だったとはいえ読み漏れはそれこそたくさんありましたので、完璧な正解は半分程度でした。


  まとめ

上記の通り、一見簡単そうに見えて、全然簡単じゃないです。ただ、そもそも必至問題は難しいので、その中では簡単な部類に入る問題集だと思います。必至問題をスタートする方にはとてもおすすめできる本ですし、詰将棋の力・読みの力・受けの力すべてを鍛えることができ、必至の嗅覚まで身につけることができます。もしこの本が難しすぎる方には、同じ武市先生の「二択かつ合駒無しの一手必至問題集」が出ましたので、そちらをご覧になってもいいかもしれません♪