萩城下の古き雛たち | 京一花日記帳

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今日は、ひな祭りおひなさま

一人暮らしをしていると、昔のようにひな祭りをお祝いする機会が減ってしまいました(ノ_-。)

女の子のいるおうちは、楽しくお祝いされたのでしょうね…♪

現代のひな祭りは、女の子の健やかな成長を願ってお祝いするお祭りですが、元々は、そうではなかったようです。

わかりやすいページで勉強したので(笑)、まとめてみました。 (参考にさせていただいたのはこちら

 

①「季節の変わり目から邪気が入りやすい」という考えから、3月最初の巳の日=上巳(じょうみ)の日に、水で身を清めるという中国の風習が、遣唐使によって日本に伝わった。

②日本では天皇をお祓いする儀式となったが、平安時代頃より宮中行事となり、川のほとりで草や紙でかたどった人形(ひとがた)で自分の体をなでて穢れを移し、川や海へ流すようになった。

☆この「流し雛」の慣習は、現代にも各地で受け継がれていて、京都市でも今日、下鴨神社で流し雛が行われていました。

③江戸時代、徳川幕府は上巳の節句(3月3日)を「五節句」のひとつに定めた。

「人日の節句(1月7日)」「端午の節句(5月5日)」「七夕の節句(7月7日)」「重陽の節句(9月9日)」と並ぶ、重要な年中行事となった。

※「端午の節句」が男の子の節句として祝われるようになったことに対して、3月3日が女の子の節句として定着した。

④江戸時代、世が安定してくると、人形作りの技術が発展、もともとは身代わりとして川に流す存在であった人形を立派に作ることで、人形は流すものから飾るものへと変化。

上流階級では嫁入り道具となり、婚礼の様子や婚礼道具を模したものが人気に。

⑤女の子が生まれるとひな人形をその子の代わりと考えて飾り、“災いがふりかかりませんように、美しく成長してよい結婚に恵まれ、人生の幸福を得られますように”という願いを込めてお祝いする「初節句」の風習が広まった。


なお、ひな人形の「ひな」は、平安時代の貴族の女の子たちがおままごとに使う小さな人形を「雛(ひいな)」と呼んだことから来ているそうです。


雛=小さくてかわいらしいもの。

女の子は、いくつになっても、「雛」が大好きですよね…♡

さて、先週末、萩に行った際に、「萩城下の古き雛たち」という催しが開かれていました。




萩の歴史の中で大切に受け継がれてきたお雛さまを、持ち主の市民の方々の協力のもと、萩市内各地の会場に飾り、人々に見ていただこうという催しだそうです。 いいですね…。


私は、こちらの「旧久保田家住宅」にお邪魔しました。


*旧久保田家住宅*

幕末から明治時代前期にかけて建築された町家。

久保田家は、初代庄七が江戸時代後期に近江から萩に移って呉服商を開き、2代目の庄次郎から酒造業に転じたと伝えられます。以来明治30年代まで造り酒屋「あらたま酒店」を営業していました。明治時代には、来萩した名士の宿所としてもしばしば利用されています。(hpより)


この旧久保田家住宅は、「御成道(おなりみち)」(参勤交代の際、大名行列が往来した道。萩往還でもある)沿いという、素晴らしい位置にあります!

中へ入ると…








ところ狭しと、お雛様がずらり。歴史を刻んできた日本家屋と相性よく、溶け込んでいました。

どのお人形も、そのおうちの女の子に深く愛されてきたのでしょうね。


その子たちが大人になって、行き場がなくなってしまったお雛さまたちは、飾る方がお歳を召してしまうと、なかなか飾ってあげることもできないし、見てくれる人もいない。

どうせならみなさんに見ていただきたいから、と、萩市民の方々が提供してくださっているのだそうです。


こういう催しがあることを初めて知ったのですが、全国にあるのでしょうかね。 すごくいいな・・・と思いました。

(追記)こんなものもありました。




*小萩人形*

萩の衣裳人形。

昭和初期に人形研究家の松村そでさんにより創始され、地元の女性たちが趣味として作っていたもの。

戦後、その弟子の進藤夫妻により受け継がれ、萩の観光土産として制作されるように。

どれも針金を芯にして、金襴(きんらん)の織物の着物をきせた、華やかな衣裳人形。「藤娘」「七枚笠」「舞妓」「八重垣姫」「汐汲」などの舞踊が人形になっている。(hpより)


上の写真の小萩人形たちは、萩在住の森重耐子さんという人形作家さんの作品です。

お内裏さまから、桃太郎まで!とてもとても精巧なつくりで、今にも動き出しそうでした。


この「萩城下の古き雛たち」は、4月3日まで行われていますが、それは、 萩では、暦が新暦となってからも雛祭りを4月3日に祝うのが習慣となっているからだそうです。

素敵なお雛様を、本当にありがとうございました。


最後に、私の実家のお雛様・・・






祖母が、私の生まれたときに買ってくれた、大切なお雛様です。小さいときは、これを飾るのが本当に楽しみでした。 今は両親が、二年に一度くらい飾って、風を通してくれています。


将来娘ができたら、大切に譲りたいなあ・・・と思っています。