私は、こちらが一番のお気に入りです。
![京一花日記帳](https://stat.ameba.jp/user_images/20131020/00/kyoichika/ac/ea/j/o0500028112721767290.jpg?caw=800)
「新選組血風録」のテレビドラマ第一作(1965年、テレビ朝日製作・放映)です。
※「新選組血風録」
1962年、司馬遼太郎氏が新選組を題材とした15編の短編を、「小説中央公論」に連載しました。(司馬氏は同年、それに先だって「燃えよ剣」を発表しています。)
「新選組血風録」とは、それらを2年後の1964年、「中央公論社」が短編集としてまとめたものです。
これまでに過去3回(1965年、1998年(ともにテレビ朝日)、2011年(NHK))、テレビドラマ化されています。
私は、「古い時代の幕末時代劇からは、(現代のものと比べて)幕末当時に近い分、当時の空気を感じることができるのではないか」という考えから、古い時代劇を観るのが好きで、いろいろと探っていました。
1965年版のテレビドラマ「新選組血風録」と出会ったのは、そんなときでした。
これまで多数の新選組を扱った時代劇が生み出されてきたにも関わらず、「新選組を扱った映像創作品にこれ以上のものはない!」と、放映から50年経った現代においても熱く絶賛する声が多くあることを知り、
ついにその扉を開いたのでした。
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そして成程、この「新選組血風録」に描かれる新選組は、私の知る限り(せまーい世界ですが)史上最高の新選組でした!
なにせ50年前の映像ですから、画面はモノクロ、音声も決して明瞭ではありませんが、そこには、純粋ながら懐深く威厳のある近藤氏、誇り高く厳しくも憂いをたたえる土方氏がいらっしゃいました。
実際の人物、新選組もこうだったのでないか、と思わせる力がこの作品にはあります。
原作を書いた司馬氏といえば、元は新聞記者。作家となってからも、実際の史料に基づいた作品づくりで有名です。
その意味でも、つい創作だということを忘れ、当時の新選組の姿と重ねてしまいますね。
また、これが放映された1965年といえば、
司馬氏の原作発表からたった3年、新選組が活躍した幕末当時からは、たった100年。
そのさらに50年後の現代の時代劇と比べれば、間違いなく当時の色をより残しているはず?です。
それでは、主な出演者のご紹介です。(敬称略)
● 近藤勇 (舟橋元)
澄んだ瞳に、どこまでも真っ直ぐな性根。時折可愛いとすら思えてしまう
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● 土方歳三 (栗塚旭)
すべてが格好良い、その一言に尽きる。たまに見せる笑顔がたまらない
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20131027/00/kyoichika/56/03/j/o0400022412729089182.jpg?caw=800)
● 沖田総司 (島田順司)
もう…、沖田総司本人としか思えない。「菊一文字」(第7話)、「風去りぬ」(第24話)が必見
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● 井上源三郎 (北村英三)
沖田さんに「おじいちゃん」とからかわれて怒るシーン、大好きです
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● 山南敬助 (早川研吉)
「先生」と呼びたくなる存在。だから余計に、内に秘める葛藤が観ていて辛い
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● 永倉新八 (有川正治)
一本気で男気あふれる。「夕陽の果て」(第21話)で特に格好良い
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● 藤堂平助 (国一太郎)
同年代の沖田さんに比べ、かなり大人びており落ち着いている。剣に生きる一徹な男
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● 原田左之助 (徳大寺伸)
「粋」という言葉は、この人にこそ相応しい。洒落者。土方さんいわく「八方破れの男」
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● 斎藤一 (左右田一平)
飄々としながらも、温かい心が言動に滲み出る。沖田さんとよく将棋を指す
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20131027/00/kyoichika/f6/db/j/o0400022412729108899.jpg?caw=800)
● 山崎烝 (坂口祐三郎)
若く、やる気に満ち溢れている。「池田屋騒動異聞」(第9話)では意外な過去が語られる
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20131027/00/kyoichika/c4/e5/j/o0400022412729111955.jpg?caw=800)
この血風録を観てからは、これ以上の新選組は考えられなくなりました。
それぞれの役者さんが、それぞれの役に、見事にぴったりはまっておられるのです。
特に、栗塚氏(当時28歳)演じる土方歳三と、島田氏(当時27歳)演じる沖田総司は、卓越した存在感。
2004年の某大河ドラマにも、素晴らしい演技で出演されていらっしゃいましたね。
(お二人とも、2013年現在も、現役の俳優さんでいらっしゃいます。)
また、個人的に大好きなのが、左右田氏(当時35歳)演じる、斎藤一です。
斎藤さんと小さな女の子が心を通わせる「あかね雲」(第19話)では、左右田氏版斎藤さんの人情味あふれる様が如実に描かれており、こちらも必見です。
(左右田氏は、昨年2月、ご逝去されました。心からご冥福をお祈りいたします。)
原作の新選組血風録は15話ですが、
このテレビドラマは、オリジナルストーリーも加わって全26話。
原作にない、新選組が時代に追われていく様子も描かれ、最終話の「燃える生命」は、涙なしには観られません。。
☆私の一番のお気に入りは、第6話「鴨千鳥」です。
土方さんと、近藤さんの「虎徹」の元の持ち主おみねが、再会し惹かれ合う物語。
お互いに恋愛には不器用で、奥手なところが・・・素敵なのです。
土方さんが、おみねさんの荷物を「持ってやる。」と恥ずかしげに言うシーンが特に印象的です。
モノクロでありながら、鴨川の水面が、ふたりの姿を映しながらゆらゆらと揺らめく様子が綺麗で…
ふたりの恋のはかなさを、より引き立たせています。
私はDVDをレンタルして観ていますが…
この作品はついに3周目突入です!
何度観ても飽きない、素晴らしい名作です。