進々堂100周年 | 京一花日記帳

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こんばんはお月様

今日は、京都のおいしいパン屋さん&カフェ「進々堂」について、書きたいと思います。


「進々堂」といえば、京都を代表するベーカリーのひとつ。

まだ地方に住んでいたころ、京都に来るたび、進々堂のカフェでおいしいパンをいただくのが、 私の贅沢でした。

そして、京都に住むようになった現在も、進々堂は、変わらず私の憧れの場所です。


進々堂は、大正2年(1913年)に京都で創業し、今年でなんと、100周年キラキラおめでとうございます。


100周年を記念して、創業者である続木斉(つづきひとし)氏の生涯をつづった小冊子「続木斉物語」が、

店頭で配布されていました。フランスの雰囲気漂う、とてもかわいい冊子です。


進々堂hpでも、冊子を読むことができます。→こちらから


それによると・・・

愛媛県に生まれた続木氏は、幼いころから英語やキリスト教に興味を持ち、 聖書をより深く学ぶために、二十歳で東京へ。

師と仰いだ内村鑑三氏の門下で、鹿田久次郎氏と出会い、読書や詩作を通して友情を深めました。


やがて、久次郎氏の妹と結婚します。


一方の久次郎氏は、故郷の京都へ戻り、栄養価の高さが注目され始めていたパン屋を始めますが、

体調を崩し、店を続木・妹夫妻に託しました。

キリスト教の教えを受けて久次郎氏が名づけた屋号「進々堂」を、続木氏が引き継いだのです。


1913年に創業し、経営が軌道に乗った1924年、続木氏は、西洋文化とパン作りの技術習得のため、

日本人初・フランスへの「パン留学」を実現します。

2年後帰国し、フランスパンの日本での再現・普及に力を注ぎました。


フランスパンのよさを伝えるために、続木氏は、なんと自作の詩を新聞に載せるのですが、その詩がとても素敵です。ぜひHPで読まれてみてください!

当時も、彼の詩による広告が、京都市民の大きな反響を呼び、進々堂は、京都で、ベーカリーとしての地位を不動のものにしていきました。


100年もの間、進々堂が京都市民に愛され続けたのは、

続木氏のパン作りに対する揺るぎない想いを、後継の方々が守り続けてきたからなのでしょうね。

ヒヨコ


さて、私は、京都大学の北門前にある「進々堂カフェ」が、特にお気に入りです。


ここは1930年、フランス留学から帰国した続木氏が、 パリの学生街、カルチェラタンのカフェのように、

学生がパンやコーヒーを手に議論を交わすカフェを京都にも、と開いたお店です。


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独特の静寂感、ぜひお店で味わっていただきたいです。


※このお店は、他の進々堂支店とは異なり、創業者のひ孫にあたる方が、個人経営されているそうです。


私のお勧めは、(パンももちろんおいしいのですが、)さらさらのカレー。大好きです。

(写真のぼけ具合については…ご容赦の程…)


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これからも、進々堂が京都市民に、そして全国から京都へやってきた方々に、愛され続けますように。