これは、未出版の作品で、音源もこれしかないレア物です。
ラロは、室内楽にも熱心でしたが、作曲したのは、若いころになります。 この、ピアノ五重奏曲は、1862年頃の作曲で、弦楽四重奏曲の後になります。 その後は、改訂はしましたが、一から作曲したのは、ピアノ三重奏曲第3番と小品だけになります。 だから、経験値はあるので、かなり、充実した響きには、なっています。 ただ、2楽章までで筆を折っているので、完結するところまでは、構想ができなかったのかも知れません。 それでも、ベートーヴェンを下敷きに、ラロの情熱的なところもありつつ、ちゃんとフランス近代しているところは、なかなか貴重です。 フランスがドイツ=オーストリア系から脱却して、独自のスタイルに至る過程を考える時、ミッシングリンクの1つになる音源でしょう。 若手中心のパリの演奏家も、うまく、作品の魅力を引き出しています。
完成していたら、フランス近代の代表的な作品になったかも。