アンセルメは、ドイツ=オーストリア系の作品は、合わない、もしくは苦手、と、いったイメージがありますが、最初のコンサートでは、ベートヴェンの交響曲第5番「運命」を、指揮して、評価されていますし、スイス・ロマンド管とも、定期的に、ジュネーヴ大劇場での、オペラ公演のピットに入っていました。 つまり、アンセルメ自身は、ドイツ語圏の音楽も、苦手ではなかったけれど、スイス・ロマンド管弦楽団が、そちらの作品に対する経験が少なかった、と、いうのが実際のところだったのでしょう。
この、ワーグナー・アルバムを、聴いていくと、確かに、オペラ公演で手がけていたことが、納得できる出来で、 オケの響きこそ、ラテン的ですが、ワーグナーの響きは、十分再現されているし、曲ごとの性格も、キチンと描き分けられています。 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲は、明るく楽しく快活で、作品に相応しいし、「パルジファル」も、荘厳な響きを、聴くことができます。 しかし、なんといっても、このコンビに合っているのは、「ローエングリン」第一幕への前奏曲ではないでしょうか? 天使の軍団(聖杯の騎士団)が、空のかなたから、聖杯を持って現れ、また、去っていく情景を、表した音楽とされたそれは、このコンビならではの、透明感あふれる響きが似合うと思うのです。 輝きのある、ヴァイオリンのアンサンブルから、しだいに、全管弦楽へと、盛りあがり、また、ヴァイオリンのみになって終わる。 アンセルメの理知的なアプローチが、光ります。
やっぱり、大天使ミカエルも、いたのかしらん?w
こちらは、我が家の天使(笑
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