スペイン独自の音楽の魅力を、鮮やかにオーケストラに、写し取った名作、エマニュエル・シャブリエの、狂詩曲「スペイン」。 同時代のスペインの作曲家、マヌエル・デ・ファリャは、「我々が、我々の音楽が、あまりにも近すぎて、クラシック音楽にすることに、難儀している間に、フランス人たちは、冷静に、鮮やかに、写し取ってしまった。」とか言う意味の言葉を、残しています。
シャブリエが、スペインを訪れた時の印象を、「彼らは、三拍子の曲を、『アンダ!アンダ!』と、叫びながら、二拍子のように演奏するんだ。」と、いう言葉を残しています。 これは、スペインが、一時期アラブ系の民族に占領されて、ヨーロッパとアラブが混ざり合った結果できた音楽の、特徴を、よく表しています。
この、狂詩曲「スペイン」は、その通りの音楽で、出だしから、2拍子系のフレーズが、出てきますが、楽譜は3拍子で、書かれています。 20世紀に登場した、「ポリリズム」の原型ですね。 そういう作りなので、けっこう、いろいろなフレーズが、複雑に絡みあいます。 それを、キレのいいリズムと、カラフルな音色で再現した、アンセルメ/スイス・ロマンドの演奏と、 当時の、DECCAの、出てくる音をすみずみまで、録音しきるコンセプトとで、この曲にピッタリの音源となったのでした。 その後も、かなりの数の録音が、リリースされましたが、この録音を超える細かさのものは、出ませんでした。 唯一、同じスタイルの、デュトワ/モントリオール交響楽団が、近いぐらいです(デュトワってアンセルメの弟子だもんね)。 しばらく、国内盤でリイシューされていませんが、ユニバーサル・ミュージックさ~ん、こういうのこそ、ルビジウム・クロック・カッティングで、リイシューするべきじゃないんですか~?
あなたは、3拍子を、取れるかな?(イヒヒ)
Eloquence Australia 4800049 輸入盤 \1.900ほど