ここは、京都は、五条通を、北に上がったところにある小さなCDショップ「松原万寿堂」。 少々、変わり者の店主と、2匹の猫が、店番をしています。 で、ここに来るお客も、ちょっと、普通ではないようで・・・w さてさて、今日は、どんなお客が、来ますやら・・・・・・・
「よう! 万寿さんいるかい? お!いたいた。」
「ん?なんだ、棟梁かい、何しに、きやはりましたかな?」
「え?それは、ないやろ、これでも、客やで?」
「あらま、宮大工の北山さんが、クラシック聴くとは、聞いたことがないけど・・・・」
「俺は、聴かんけど、娘が欲しがってるんやがなぁ~、せやけど、他にいったら、聞くのが、恥ずかしいから、万寿さんに、来たんやがな。」
「いや、あのね、ボクの、名前は、塩小路ヒトシやから。」
「え~がなぁ~、店の名前が、松原万寿堂なんやから。 せやけど、ややこしい名前やな、どっちの通りにあるか、わからん名前や。」
「いや、もう、よろしいから・・・w で?何、探してはりますのん?」
「あ、そやそや、なんか、ホルモンみたいな名前の曲やったな~・・・」
「ホ、ホルモン?(・ ・)」
「んでな、なんか、法事に、使うような曲らしい。 レモンがどーたら、こーたら・・・」
「・・・・・・・・・・・・、なんやそれ?(ーー)」
「ほら、最近、若い女の子も、よう食べるもんがあるがな~。」
「って、言うたら・・・・・・、モツかいなぁ?・・・・、 あ! モーツァルトか!!」
「あー、そやそや、それそれ! モツァルト!」
「ちゃいまんがな、モーツァルト、伸ばしなはれ。 で、法事ね~・・・、 あちらの法事、言うたら、ミサか? せやけど、レモンやから~・・・、レクイエム?」
「え~と、切子とか言う曲が入ってるとか言うてたようなぁ~」
「あー、わかったわかった、モーツァルトのレクイエムですわw で、切子じゃなくて、キリエ。 とりあえず、ミシェル・コルボ盤なら、ありますよ。」
「ほな、それ、もらうわ~、あー、助かった、おーきに!」
「あ~!、お釣りお釣り! あ~あ、せっかちやなぁ、1万円置いていかはった。」
と、一悶着ありましたが、いよいよ、京都も、春真っ盛り、昼下がりともなると、行き交う観光客も増えてきました。
そこへ、今日2人目のお客が・・・・・。
ハーフのような顔立ちの、紳士のようです。
「すいません、こちらが、松原万寿堂さんでしょうか?」
「はい、そうですが?」
「実は、CDを探してまして・・・・」
「ほぅ、どんな?」
「ロシアの、ピアノ曲なんですが、どこにいっても、見つからず、ここなら、探してくれるかも、と、聞いて、やってきました。」
「ロシアって、一言で言っても、チャイコフスキー、五人組、ラフマニノフ、とか、いっぱいありますけどねー。」
「実は、母親が、どうして聴きたいといっていて、タイトルが「夜想曲」なんです。」
-続く-