頼朝像と尊氏像 | 世は不可解なりⅡ

世は不可解なりⅡ

おかしなことばかりの世の中での独り言

教科書などでお馴染みの二人の像が違う?
新たな説が出てきて、興味深い。

先ず、室町幕府を開いた足利尊氏の 「足利尊氏像」
これは、足利尊氏ではなく、高師直の肖像画だという説だ。
高師直は、仮名手本忠臣蔵では吉良上野介に比定されて、
とんだ濡れ衣を着せられてしまったが、尊氏の執事として
有名であり、観応の擾乱の主要人物の一人だ。
あのスケベ爺のイメージが被せられてしまった師直も、
馬に乗った闘う武士なのだ。そう、武蔵守であった。
武士だなんて、当たり前と言えば当たり前だが。

次に、鎌倉幕府を開いた源頼朝の 「源頼朝像」 (藤原隆信作)
これは、源頼朝ではなく、足利直義(ただよし)の肖像画だという説だ。
直義は、仮名手本忠臣蔵では大序で登場する貴公子である。
その意味では、この肖像画はイメージに近い。(と言っても、
忠臣蔵で表現される直義のイメージだ)。
さて、この直義 (本物の方) は、観応の擾乱により、高師直を
殺害し、最後は兄尊氏に追い詰められて自害しているのだ。

なんだ? 伝 「源頼朝」 は、足利尊氏の弟で、彼は、

伝 「足利尊氏」 を暗殺して、足利尊氏によって自害した?

とんだところで、伝 「足利尊氏像」 と、伝 「源頼朝像」 が

繋がってしまった。
今後の研究が楽しみである。