短編小説「京のおんな」与謝蕪村の娘・くの物語<1> | 京こね☆ニュース

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一体、日本の天気はどうなっているのでしょうはてなマーク

 

雨の降り方が尋常じゃないですね。

 

水害に遭われた地域の早い復旧を願っています。

 

さて、今日からの小説は、これまたマイナーな汗与謝蕪村の娘を

 

ピックアップビックリマーク

 

なんだか、どこぞのドラマの”吉田松陰の妹”みたいな感じになって

 

ますが、与謝蕪村の俳句と共に、ほとんど知られていない”くの”の

 

一生をお楽しみください。

 

5話までです。(つまり、5週続きます)

 

前回までのお話は↓から。
 
 

※フィクションの部分もあります。あと、現代の言葉を使っています。

 ご了承下さい。

 

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与謝蕪村の娘・くの物語<1>

 

菜の花や  月は東に  日は西に

 

これは、与謝蕪村(よさぶそん)が摩耶山を訪れて詠んだもの。 摩耶山から見下ろす一面の黄色い菜の花。 そして、西に沈みゆく太陽と、東から昇り始めた月。 穏やかに暮れる春の様子が感じられる一句。

 

私はこの句が好き。 小さい頃、おっ父(おっとう)から一生懸命その意味を教えてもらったけれど、全く理解することはできませんでした。 でも、今は何となく理解できるような気がします。

 

私の名前は くの 。 この大好きな句の作者である与謝蕪村の一人娘です。

 

今までの私の人生は、いい意味でも悪い意味でも、おっ父に翻弄されてきました。

 

簡単に言えば、『溺愛』 。 よそとは少し違う面白いおっ父。

 

みなさん、そのお話を聞いていただけますでしょうか。

 

 

 おっ父は40歳を過ぎてから所帯を持ちました。 それ以前はいろいろなところを周遊していたようです。 松尾芭蕉に憧れてその足跡をたどってみたり。 「修行」というと聞こえはいいですが、あちこちを放浪していました。

 

 40歳も過ぎた頃にようやく京に落ち着くことになり、おっ母とはその頃結婚しました。

 

 私が生まれたのは40も半ばの頃。 遅くにできた子はかわいいといいますが、一人娘でもある私を、まさしくおっ父は溺愛していました。

 

つづく

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