市川団十郎さんがお亡くなりになりましたが、現在の団十郎さんは十二代目。
もちろん、初代市川団十郎を名乗った人物がいたわけです。
初代は江戸時代初期に活躍した江戸の役者。
荒々しく豪快な歌舞伎・荒事(あらごと)を創始しました。
隈取(くまどり)や、見得(みえ)などが特徴的で、江戸を中心として発展しました。
それに対するのが、初代坂田藤十郎が創始した和事(わごと)。
女性的なやわらかい仕草やセリフまわしが特徴で、上方を中心として発展。
京都や大阪で活躍していた近松門左衛門と組み、多くの作品を残しました。
初代市川団十郎と、初代坂田藤十郎はよく比較されたようですが、
現在の両役者にも、荒事と和事の違いがよく表れています
例えば、当たり役の一部は以下の通り。
十二代目市川団十郎 「勧進帳」-武蔵坊弁慶
四代目坂田藤十郎 「曽根崎心中」-お初
これを見ただけでも、荒々しい弁慶と、女性的な曽根崎心中という
両極端が分かりますよね
中村勘三郎さんに続き、梨園では不幸が続いていますね
ご冥福をお祈りいたします。