みなさんこんにちは。前回からの続きです。
10月13日(月)に閉幕した「EXPO2025 大阪・関西万博」。通算33回目となった7月30日(水)の訪問記をお送りしています。

念願のイタリアパビリオンを観覧しています。
お国のイメージ映像を拝見した後、いよいよ本展示室に向かうのですが、さまざまなものがあるようであちこちに人だかりが出来ています。


まず目に留まったのはこちら。来冬に開催の迫った、ミラノ・コルチナ冬季オリンピックの聖火トーチ。きれいですね。

いきなりすごいものですが、本番で使用するという本物。
聖火リレーをテレビでは観たことはありますが、こんなに大きいのですね。そして重そうです。それだけ存在感があるといいましょうか。

トーチの反対側には、この肖像画。

伊東マンショ(1596-1612)の肖像画、1585〜1600年頃作。ここからはグーグル先生の力をお借りします。
マンショは日向国(宮崎県)に生まれた人物ですが、幼少期に豊後国(大分県)に移ります。
当時豊後を治めていたのは、キリシタン大名・大友宗麟(おおとも・そうりん、1530-1587)。キリスト教に信仰の篤い宗麟は、自身に仕える10代の少年4名を自身らの名代とし、ローマ・バチカンのローマ法王に遣わせました。
マンショはその「天正遣欧少年使節」の一員として知られている人物ですが、その頃に描かれたもの。まさに教科書を見ているかのよう。いや、すごいもの。
いや、いきなり歴史に残るようなものですが。展示は次々と続きます。
こちらは、ずらっと円形に並べられた心臓。


よくよく観察しますと、形がそれぞれ微妙に異なります。これは興味深い。

そして、展示室の中央に鎮座していたのが、このイタリアパビリオンを代表する「ファルネーゼのアトラス像」。これを観たかった!

総大理石の作品、制作は2世紀頃。
もともとはお国のナポリの博物館で展示されているというのですが、万博のためにわざわざ日本に持って来たという、イタリア国宝級の芸術作品、と言われています。迫力がすごい…

大きな地球儀を背負っているのは、ギリシャ神話の巨人・アトラス。いかにも重そうな表情が印象的ですが、驚いたのは、この時代ですでに地球は丸いもの、という考え方があったこと。
地動説を唱え、それゆえに投獄までされたガリレオ・ガリレイ(1564-1642)でさえ、これの千年以上後の人物ですので。当時の天文技術というのが高度だったのだなと感じます。


息つく暇もないほどですが、歴史的な作品はまだ続きます。次は「キリストの復活」。

芸術に造詣すらないわたしでさえこれも知っていましたが、やはりお国から持って来たもの。しかし、よくこのような逸品を惜しげもなく展示出来るなあと、ため息が出ます。


さらに、順路を進むと!この大きな絵画が待ち構えていました。

殉教したキリストを、弟子や親族たちが埋蔵しようとしている、これもあまりにも有名な絵画。17世紀はじめ、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジジョ(1571-1610)作。
もうここまで来ますとあまりのすごさの連続に、やはりはぁ〜っと感嘆するばかり。


さすがに有名な絵画だというので、傍らには詳しい解説が加えられていました。

ん?絵の見方にもさまざまあるようです。


しかし…なんと描写のこまかいこと。おおげさですが、まるで目の前で繰り広げられているよう。しっかりと目に焼き付けます。

ところで、その「キリストの埋蔵」の傍らにはこれも古いメモ書きのようなものが、目立たぬように展示されていました。

ん〜達筆ですね。何語やろう。




これなんと、グレゴール・ヨハン・メンデル(1882-1884)直筆の論文。
そう、あの「メンデルの法則」を提唱した、遺伝子の始祖と呼ばれる植物学者です。
解説によると、生涯を費やした遺伝子学に関する研究成果をまとめた要約なのだとのこと。なんとまた…えらいものがあるのですね。

まったく息つくことがありません。
次回に続きます。
今日はこんなところです。







