「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」その49〜4月26日編⑪日本館訪問 続編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。


4月13日(日曜日)に開幕した「2025年大阪・関西万博」。6度目となった4月26日(土曜日)の訪問記をお送りしています。



「循環」がメインテーマの「日本館」を観覧しています。殊に、微生物の働きがそれに大きく帰しているというので、はじめて知ることばかり。勉強になります(^_^;)



わたしもすっかり世の循環の一部、となったところですが、先へ進みます。以下、引き続きパビリオン公式サイトの解説より。


かたちになって
かたちを変えて
こんにちは

2階の通路部分から、吹き抜けになっている1階の展示を見下ろす。1階では、機械や工業設備のようなものがたくさんあり、数人の作業員が作業している。中央付近にある2本のロボットアームは何かを作っている。


未来の工場見学へようこそ!循環する素材と設計が出会うクリエイティブラボ

日本館のもうひとつの姿、それは製品の「製造工場」。Farm Areaで育てられていた藻類を原料に加えた植物由来のプラスチックで、日本館の中で使われるプロダクトを製造中。その工程をじっくりとご覧に入れましょう。


日本館スツール、ただいま製作中

階上の通路から一望できる工場では、ロボットアームが手際よく3Dプリントを行っています。姿を現したのはスツール。藻類とバイオプラスチックを混ぜ合わせた、特別な素材で作られています。

日本館の3つのエリアをイメージした3つの座面で構成されたこのスツールは、使い終わったら解体しやすいように設計されています。カラーは緑のグラデーション。藻類の配合量を変えることで、天然の色の美しさも楽しめる仕掛けです。


物質やエネルギーが、素材になり、アイデアを吹き込まれて製品になる。
小気味よいリズムとともに、ものづくりの工程が進んでいくさまは、いつまでも見ていたくなるような不思議な心地よさを漂わせます。

スツールは日本館のあちこちに置かれ、実際に座ってみることができます。

ほんと、なんでも作れたり出来たりするのですね。スツールは気づきませんでしたが。


続いては、ものとひととが生み出す「循環」について。

「もの」を作り、使い、自然に還す。
「ひと」の手が受け継ぐ循環のリレー

初めてなのに、どこか懐かしい感覚を覚える不思議な空間。Factory Areaの主役は、「ひと」。そう、あなたもその一人。果てなき循環から生まれた「もの」は、「ひと」の手を介して形作られ、「ひと」の営みの中で使われ、いくつもの時代をめぐってきました。さあ、あなたも時を超え、その足跡をたどってみましょう。



「自由自在」から生まれるイノベーション
ひとつのものに、複数の役割を持たせていく。それは、日本のものづくりの得意技といってもいいかもしれません。畳みかたを変えるだけでさまざまな使いかたができる風呂敷と、世界中に熱狂的なファンを持つ日本発のコンテンツ「トランスフォーマー」。

この意外な組み合わせには、「自由自在」という共通点があります。「機能に応じてものを増やす」のではなく、「ひとつのものが担える役割を増やしていく」。この考えかたって、いまの時代にすごくしっくりくると思いませんか ?


そのような解説のエリアに入って参りました。



おっ、木桶です。そういいますと、これも職人さんが予め目算した木片を切り出して留める。

構造は簡単にばらせるものですが、気候や温度、室温など、見えない部分で伸長してくれるもの。冗長性を持たせてあることにも、日本独自の古くからの技術は活かされています。



先ほどのハローキティに続いて、ここからはドラえもんが解説。

国民的キャラクターが登場です。藤子アニメ好きな世代としては、うれしいもの。



ばらすということでは、こちらのサッカーボールも興味深いもの。こんな細かい部品で出来ているのですね。



形を変える、という展示で目に留まったのは、この風呂敷もそうですね。




包むものによってその姿形はひとつごとに変わる。しなやかさがある、という現れでしょうか。そういえば、ドラえもんのひみつ道具には「タイムふろしき」というのもありました。




杉の板は、表面を焼くことでその耐久性を3倍以上に延ばせる。


さらに、このようなものも見つけました。



「常若(とこわか)」の精神が息づく、伝統の終わりなきリレー

「式年遷宮」という儀式を知っていますか ? それは神宮(伊勢神宮)で20年に一度、交互に社殿を建て替え、衣服や服飾品、武具なども新たに仕立て、大御神にお遷りいただく神事のこと。なぜ20年に一度、建物や神具をあたらしくするのか。



理由のひとつに技術継承が挙げられます。
その期間であれば、多くの職人が一生のうちに二度、あるいは三度、遷宮に携わることができ、技術の継承ができるのです。

使う木材は苗木から育て、もとのお宮の木材やわらぶきは再利用するので、素材もリユース・リサイクル。いのちが循環するように、常にみずみずしい姿を保つだけでなく、伝統技術や文化も未来へつないでいく。それが1,300年も続く式年遷宮の思想でもあるのです。




20年ごとに行われる伊勢神宮の式年遷宮も、あたらしい建物へ神様に移って頂く、という他にもさまざまな理由があるという。

そこまでは考えつきませんでしたので、感嘆してしまいます。



そして、こちらには「日本館」の模型も展示されていました。美しい造形なんですね。


万博が終わったら、日本館は何に生まれ変わる?
巨大な建造物である日本館も、「循環」を前提に細部に至るまで工夫がこらされています。

壁に使われているのは、間伐材から作られたCLT(直交集成板)。万博終了後に解体され、再利用されることを見据えて、可能な限り加工を抑えた工法が採用されています。

建物だけでなく、アテンダントが着用するユニフォーム、ショップの販売品用の段ボール製パッケージ、パーツを3つの座面に分解できるスツールなども、リサイクルしやすい素材や構造を採用。「次へ生かす」ために、すでに新たな一歩を踏み出しています。


さて、さまざまな視点からの「循環」をテーマにクローズアップして来た展示は、この暗い一室で終わります。これはいったい。


二度と見られない
はかなすぎる芸術

これは芸術? それとも魔法?
巨大な珪藻土のキャンバスに、現れては消えていく「水のアート」
目の前に現れる円盤は、太古に生きた藻類の化石「珪藻土」。その表面に、水滴が、静かに跡をつけていきます。かつてのいのちがひととき現れ、また時の彼方に消えていく。死と生を閃光のように味わう一瞬一瞬に、まばたきさえ、忘れてしまいそう。


はかなさとは、美しさ。時を止めるいのちの描線

水の吸収・放出に優れた「珪藻土」の特質を生かしたこの展示は、「はかなさ」も美しさとして慈しんできた日本の美意識を体現しています。

散りゆく桜や線香花火。「花鳥風月」や「雪月花」といった美しい言葉たち。ゆっくりと回転する珪藻土のキャンバスに浮かび上がるのは、日本古来の精神性に他なりません。


水滴を受ける円盤は、ひと周りするあいだに乾き、描かれた絵は消滅する。出現した瞬間から、ほのかに消えはじめる繊細な絵画と、水の滴る心地よい音。そのさまは、終わりとはじまりを繰り返す、ひとつの「循環」の現れ。カメラに収めるより、あなたの目と心にしっかりと焼き付けてください。

これは見事という以上に、解説にあるように消えては描かれ、描かれては消えて…はかないですね。もののあはれ、でしょうか。


いやしかし、大変に濃度の深い日本館でした。
落ち着きましたら、またゆっくり観覧したいもの。最後には、グッズショップでした。




ハローキティとドラえもんという、日本を代表する二大人気キャラクターが活躍していたこともあり、こちらでは双方のグッズがたくさん。



藤子アニメ好きな世代としては、ドラえもんの活躍はうれしいもの。日本館限定キーホルダー3種(@1100円)を買い求めた次第でした。記念になります。



退館しますと、順路にはバイオガスのプラントを見つけました。



言い方はなんですが、最初から最後まで「循環」の徹頭徹尾、といいましょうか。

これはとても勉強になったなあ、というのを噛み締めながらでした。次回はちびっ子を連れて行ってあげたいですが、ちょっと難しいかな。



さらに、次回に続きます。
今日はこんなところです。