おらが街「東大阪市民美術センター」で今夏に開催された、特別展「みんな大好き!近鉄電車のデザイン展」を訪問した際の様子をお送りしています。

現在の近鉄の母体会社となった「大阪電気軌道(大軌)」が最初の路線として「奈良線」を開業させてから110年を迎えたことを記念してのこの特別展。
歴史的に貴重な展示物が続きますが、これは、なにやら古い紙ものです。

解説にもありますが、大軌が用地買収を開始してから完了するまでは、実に3年もの年月を要したとあります。奈良市内でそれが難航したのは、おそらくはすでに密集した街区が形成されていたためではないかと思われます。
社会的に「鉄道忌避」があった中でも、その先見性に着眼し、用地の提供に協力的だった地主も居た、というエピソードがこれだとのこと。


「今般大阪電気軌道開通の暁地方の発展交通の便益を増進するの目的を以て新道(新路線)布設(敷設)のため協議」…と冒頭にあります。
文中から、その中でも理解のあった地主さんと、大軌との間で結ばれた用地提供の覚書。


大阪市内を出ると、いまの東大阪市内は田畑が延々と広がる田園地帯の頃。
下小阪村に、車庫を含む広大な用地提供を受けたようですが、どのあたりになるのでしょう。
下小阪村は当時、大阪府若江郡下小阪村。
後に合併で「中河内郡小阪村」から「小阪町」、さらに「布施市(1937年4月、府下5番目に市制施行)」となった地域。最寄り駅「河内小阪駅」にまつわるものでした。グーグル地図より。
いまではにぎやかなところですが、このような経緯があってこそだったのですね。
次回に続きます。
今日はこんなところです。