今春あらたに開業した「北陸新幹線 金沢〜敦賀間」に初乗りかたがた、開業に合わせて限定発売されたチケットレス企画乗車券「乗ってみよう北陸 WEB早特21」なるきっぷで、富山周辺を日帰り乗り鉄した道中記をお送りしています。

ただいま「富山地方鉄道(富山地鉄)電鉄富山駅」。新幹線などと接続するこの駅を起点に、立山や黒部、宇奈月温泉といった、日本を代表する観光名所にアクセスする役割を担う路線。
富山滞在は残り少なくなりましたが、少しばかりこの地鉄を乗り鉄してみようと思います。発車待ちしているのは、15:35発各駅停車岩峅寺(いわくらじ、富山県中新川郡立山町)ゆき。


さっそく、車内に入ってみましょう。2両編成で、運転室の後方には運賃箱と運賃表が鎮座。ワンマン運転をしているのだとわかります。
さすがに立山や宇奈月温泉まではよう行けないのでしょうが、さて、どこまで乗れるか。

空いているのをいいことに?車内観察はじっくり出来ます。先ほどの運賃表の横には、2つのプレートを発見。
日本車輌(愛知県)で製造されたこの車両は「14760形」と呼ばれる車系。というか、なんとわたしと同い年だという。奇遇ですね(汗)

そして、それより目立つのが「鉄道友の会 ローレル賞」の受賞プレート。製造翌年、1980年度の受賞なのでした。

日本最大の鉄道愛好者団体「鉄道友の会」は、前年に国内で登場した新型鉄道車両の中で、優秀なものを表彰する制度を設けています。
優秀とされるものには「ローレル賞」、さらに際立って優秀とされるものには「ブルーリボン賞」が贈られることになっています。出典②。

1980(昭和55)年度に表彰されたのは、いま乗車しようとしている「富山地方鉄道14760形」のほかに、千葉県の「北総開発鉄道(現在は北総鉄道)7000系」。
千葉ニュータウンへのアクセスのために建設された鉄道です。運転台の形から「ゲンコツ電車」の諢名で親しまれたことは知っていましたが。同時期のデビューだったのですね。

「ローレル賞」のほかには「名鉄100系」。
最優秀の「ブルーリボン賞」は、有名な観光路線「江ノ電1000形」だったことがわかりました。その時代の鉄道車両の様子が垣間見えますね。これも奇遇ですが、いずれも乗ったことがあるという。

ちなみに、今年度の「ブルーリボン賞」は「東武N100系」(スペーシアX)。やはりそうだったかと思われる、豪華な設備を持つ車両です。

そして「ローレル賞」は「宇都宮ライトレール HU300形」。「LRT(Light Rail Transit)」という次世代型の、国内では約70年ぶりに開業した路面電車の主力車両。これは乗りたいですね。

そして「OsakaMetro400系」も「ローレル賞」を受賞したのでした。
さながら宇宙船のような顔つきに目が行きますが、半年後に迫った「2025年大阪・関西万博」輸送を担うことになる、新鋭車両です。
おらが街を走る「中央線」で次々と投入が進んでいるのですが、見かける度によくこのような車両作ったなあと感心します。いい意味でですよ(汗)
荒本、長田(大阪府東大阪市)にて。
気がつけば「中央線」もすっかり車両の顔ぶれが変わってしまいました。余談でした。

地元輸送のみならず、観光客輸送においてもこれならば十分なグレードだったでしょうし、なによりデビューから40年以上経過した現在も活躍しているのがその証しなのかも知れません。

引き続いては運転台。二枚窓が実に広々とした印象を受けます。視界もかなり良いですね。

運転機具は2ハンドル式。左側は「マスコン(マスターコントローラー)」。自動車でいうアクセルに当たります。
特徴的なのは細身のハンドルの形状。見た目にも美しいものですがどこかで見たことのある。

これでした。「TDK」と独特のデザインで記されている、この「東洋電機製造(Toyo Denki)」のマスコン。阪急5300系、淡路にて。

そして「京阪電車2200系」にも。古い2ハンドルの鉄道車両自体が今日では少なくなりましたが、この形状は実に印象に残ります。守口市にて。
次回に続きます。
今日はこんなところです。(出典①「フリー百科事典Wikipedia#富山地方鉄道」)
(出典②「鉄道友の会」ホームページ)