「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡る近鉄沿線道中記2023〜その16 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。



「ナローゲージ」という、いまや国内に3社・4路線しか存在しない貴重な、軌道幅が762mmの車両も小規模な規格の鉄道。


これの乗り鉄をしたいと「四日市あすなろう鉄道八王子線 西日野駅(三重県四日市市)」にやって来ました。




本線筋の「内部線(うつべせん)」から別れ、「西日野駅」までたった一駅の「八王子線」。


かつて「伊勢八王子駅」まで路線があったことにこの線名は由来していた…という経緯を前回まであれこれ掘り下げて参りました。出典①。



1976(昭和51)年4月、伊勢八王子までの区間廃止からすでに半世紀近く。それを知らない地元の世代では「西日野線」と呼ばれることもあるそうです。実態に合ってはいます。



さて、ここからは折り返し。
駅に戻りますと、長い直線の向こうから列車が小刻みにレールを揺らし、やって来るところでした。絵になります。



ホームで待つのは5、6人ほどでしょうか。
列車に乗り込みますと、あちこち歩いた身体に心地良い冷房です。


変わっているなと感じたのは、車内に張り出したこのスペース。これが冷房装置なのでした。


軌道幅が狭いということは、車両のサイズも小さいもの。

そのような制約があるために、通常であれば屋根上にある冷房装置の室外機は自重の関係もあり、搭載出来ませんでした。内部にて。


ただし、経営が近鉄からあすなろう鉄道に変わった後、このような工夫が凝らされて冷房化が図られました。サービスの大きな向上です。ルーバーの場所が冷房装置の機械室。日永にて。


3両編成のうち、旧型の中間車両を新造して差し替え、冷房化を含む大規模なリニューアルが施されたことは、高く評価されたと言います。


結果、この「260系」という車両は、前年に国内で登場した鉄道車両の中から優秀なものに、国内最大の鉄道愛好者団体「鉄道友の会」から贈られる「2016(平成28)年 ローレル賞」を受賞するに至りました。出典②。

冷房車両は今日、当たり前のように思えるものですが、実は大変画期的なことなのでした。



ちなみに「四日市あすなろう鉄道」は、近鉄や四日市市が出資する官民協同の「第三セクター」。運営は社名通りの「あすなろう鉄道」が担いますが、車両の所有は「四日市市」。

これも、興味深いものがあります。


発車間際になり、乗客が次々と乗り込んで行きます。がらがらだった車内も、3分の1くらいの座席が埋まるような感じに。安心しました。



ほどなく発車。列車は四日市へと向かいます。グーグル地図より。


西日野からの帰路は、運転室かぶりつきが出来ました。先日も触れましたが、車両は令和の現在では貴重な「吊り掛け式モーター」。

趣味的には、地の底から唸るような重低音はたまりません。





あらためて車窓を観察していますと、沿線には住宅がびっしり。気軽に乗れる存在の市内電車なんでしょうね。



およそ3分で「日永駅」に到着。
ここで「内部線」に乗り換えます。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「懐想の廃止路線40 踏査探訪 近鉄の廃線を歩く」徳田耕一著 JTBパブリッシング発行 2006年12月1日初版)
(出典②「四日市市ホームページ」)