みなさんこんにちは。前回からの続きです。
昨年10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっていた作品です。3月31日に最終回を迎えたこのドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを、第1週からお送りしていました。少し間が空きました。
当週は第25週「未来を信じて」編。前編はこちら↑
読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2023(令和5)年3月19日付け 9面より。
それでは、第24週「未来を信じて」編を引き続いて振り返りたいと思います。

主人公・梅津舞(福原遥さん)の大学時代に人力飛行機サークルの先輩だった刈谷(高杉真宙さん)と玉本(細川岳さん)。
彼らが立ち上げた、ベンチャー企業「アビキル」が東大阪で開発を進めるのは「空飛ぶクルマ」という、近未来の乗り物でした。

舞らが運営する、企画会社「こんねくと」と業務提携したことも功を奏し、投資家から多額の資金提供を受けられることに。
前回の記事でも触れましたが、志半ばで急逝した先代社長・浩太(高橋克典さん)に若い頃からかわいがられ、一人前の職人に育て上げられた結城。
義理堅く、真面目な結城ですから、これで「株式会社IWAKURA」も安泰やなと、これまでの経緯を観ていたひとりとしては、安堵しました。


人気短歌作家として活躍する中、短歌が書けなくなるというスランプに陥っていたのでした。





はじめは、東大阪の言葉では「けったいな」言動が目立った北條でしたが、協力しながら歌集を2冊、世に送り出した貴司と北條。
年月が経過し、その関係が強い信頼になっていることがわかるとともに、実は礼節あるまともな編集者だったのだなと感じたシーンでした。
おそらくは、この言葉が貴司の心に響くものがあったのでしょう。周りに合わせることに疲れた、彼自身にとっては救いに他ならぬものだったに違いありません。
そして、貴司がはじめて短歌を拵えたのは、他ならぬ五島の海岸でのこと。彼にとっては、歌人として生きるまさに原点なのでした。第5・20週より。


その貴司。舞に短歌を拵えることがしんどい、離れたいと、苦悩を話しはじめます。


続けての貴司の弁。舞と、娘の歩が居るだけで自分は十分なのだと。ただ、苦悩する原因は何なのか、それだけではなさそうです。
ところで後日になって「デラシネ」に貴司を訪ねた北條は、このようなことを言い残していました。「苦しんでこそいい歌を詠む人」だと。
紆余曲折ありながら、それは舞に向けて、自分の本当の気持ちをさらけ出すことだと気づいた貴司。
舞に向けたこの短歌を生み出すことで、ふたりは結ばれ、貴司は歌人デビューを果たします。
同時に貴司にとっては、人間としてひとつ、殻を破った「成長」にもなったのでした。

理由を話さないものの、やはり歌はやめたくないという結論に辿り着くのですが…
貴司が舞に見せたのは、この「デラシネ」をもともと営んでいた、詩人の八木(ピース又吉直樹さん)からのエアメール。貴司に短歌を詠むことを勧めたのは、他ならぬ八木でした。
「デラシネ」は小学3年生の頃に舞が、模型飛行機の作り方を知るため、手引書を探しに来る段で貴司が発見したのがきっかけでした。
舞(幼少期・浅田芭路さん)、貴司(同・齊藤絢永さん)。第3週より。
大勢多数(≒同調圧力?になるのでしょうか)に苦しみながら、無理やり自分を合わせるのではない。
ただ、それに引っ張られつつも、生きなければならない苦しみの中から、自分の本当の気持ちを見つけ出すこと…と、この最終盤になって、八木の言葉を、わたしはこのように理解しました。素人のわたしがやいやい言うことではないのでしょうが(汗)

2020(令和2)年1月。貴司は、八木に会うためにフランス・パリに旅立つ…というところで、当週はおしまい。
最初の緊急事態宣言が発令中の頃。2020(令和2)年4月、イオンモール鶴見緑地(大阪市鶴見区)にて。思い出したくもない、3年前です。
最終週(第26週)「私たちの翼」編予告より。
やはり、この「舞いあがれ!」でもコロナ禍が描かれるようです。
果たして貴司は、舞は、みなはどうなるのか。
空を飛ぶことに憧れ続けた、半年にわたる舞の活躍も、いよいよフィナーレ。どのような結末に至るのか、しかと見届けたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。