NHK朝ドラ「舞いあがれ!」一週間を振り返る〜第25週「未来を信じて」後編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。




昨年10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっていた作品です。

3月31日に最終回を迎えたこのドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを、第1週からお送りしていました。少し間が空きました。



当週は第25週「未来を信じて」編。前編はこちら↑



読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2023(令和5)年3月19日付け 9面より。



それでは、第24週「未来を信じて」編を引き続いて振り返りたいと思います。




主人公・梅津舞(福原遥さん)の大学時代に人力飛行機サークルの先輩だった刈谷(高杉真宙さん)と玉本(細川岳さん)。

彼らが立ち上げた、ベンチャー企業「アビキル」が東大阪で開発を進めるのは「空飛ぶクルマ」という、近未来の乗り物でした。


舞らが運営する、企画会社「こんねくと」と業務提携したことも功を奏し、投資家から多額の資金提供を受けられることに。

実現までにはまだまだたくさんの課題をクリアせねばならずとも、大きな進展がありました。


そんなある日。岩倉家に結城(葵楊さん)が訪ねて来ます。




母・めぐみ(永作博美さん)は、生まれ故郷の長崎・五島列島から、身体に負担がかかっていた祖母・祥子(高畑淳子さん)を、東大阪に呼び寄せたところ。



祥子と一緒に暮らしたいという強い希望を、かねてから持っていためぐみ。そのために、工場が個人経営だった時代から支えてくれていた結城に、後継の社長職を打診していたのでした。



前回の記事でも触れましたが、志半ばで急逝した先代社長・浩太(高橋克典さん)に若い頃からかわいがられ、一人前の職人に育て上げられた結城。

義理堅く、真面目な結城ですから、これで「株式会社IWAKURA」も安泰やなと、これまでの経緯を観ていたひとりとしては、安堵しました。



ところでこの週、舞の夫・貴司(赤楚衛二さん)に異変が起こります。

人気短歌作家として活躍する中、短歌が書けなくなるというスランプに陥っていたのでした。


この頃、祥子は貴司とともに、彼が営む古書店「デラシネ」に赴く機会が増え、読書を楽しむ日々を送っていました。


そんなある日、貴司の担当編集者・リュー北條(川島潤哉さん)が打ち合わせのために来訪するシーン。



貴司は北條に、祥子を紹介するのですが…
この場面、当週特に印象的だった場面でした。



はじめは、東大阪の言葉では「けったいな」言動が目立った北條でしたが、協力しながら歌集を2冊、世に送り出した貴司と北條。

年月が経過し、その関係が強い信頼になっていることがわかるとともに、実は礼節あるまともな編集者だったのだなと感じたシーンでした。





北條の言葉にあるように、高卒で就職した先で心身ともに疲れ果てた貴司がやって来たのが、祥子の住む五島列島でした。




おそらくは、この言葉が貴司の心に響くものがあったのでしょう。周りに合わせることに疲れた、彼自身にとっては救いに他ならぬものだったに違いありません。






そして、貴司がはじめて短歌を拵えたのは、他ならぬ五島の海岸でのこと。彼にとっては、歌人として生きるまさに原点なのでした。第5・20週より。



その貴司。舞に短歌を拵えることがしんどい、離れたいと、苦悩を話しはじめます。



続けての貴司の弁。舞と、娘の歩が居るだけで自分は十分なのだと。ただ、苦悩する原因は何なのか、それだけではなさそうです。



ところで後日になって「デラシネ」に貴司を訪ねた北條は、このようなことを言い残していました。「苦しんでこそいい歌を詠む人」だと。



そう言われると、以前にはこのようなことがありました。

最初の歌集を出そうとする中で、拵えた短歌がどうにも、たくさんの人に受け容れられるものではない、という北條の弁。第20週より。



貴司の短歌観はさることながら、彼がどのような感性のもとで拵えたものを、北條がどうあかんと判断したのかはわかりかねるもの。

ただ、ひとりでも多くの人に読んで貰える歌を詠んでこそだということを、北條は貴司に繰り返していました。それは「たくさんの人が共鳴する歌を」ということを指し示していることはなんとなく分かったのですが。


そして、北條が貴司に提言したのは「相聞歌(そうもんか)」、つまり「恋の歌」でした。
これに、貴司はさらに苦悩するのですが…




紆余曲折ありながら、それは舞に向けて、自分の本当の気持ちをさらけ出すことだと気づいた貴司。

舞に向けたこの短歌を生み出すことで、ふたりは結ばれ、貴司は歌人デビューを果たします。
同時に貴司にとっては、人間としてひとつ、殻を破った「成長」にもなったのでした。




それからしばらく、懊悩しながら「デラシネ」に籠もるようになった貴司。


理由を話さないものの、やはり歌はやめたくないという結論に辿り着くのですが…



貴司が舞に見せたのは、この「デラシネ」をもともと営んでいた、詩人の八木(ピース又吉直樹さん)からのエアメール。貴司に短歌を詠むことを勧めたのは、他ならぬ八木でした。


「デラシネ」は小学3年生の頃に舞が、模型飛行機の作り方を知るため、手引書を探しに来る段で貴司が発見したのがきっかけでした。

舞(幼少期・浅田芭路さん)、貴司(同・齊藤絢永さん)。第3週より。


小さい頃から、読書や詩歌が大好きだった貴司。歌を詠むとはどういうことかと聞いた質問に、当時、店主だった八木はこう返します。








大勢多数(≒同調圧力?になるのでしょうか)に苦しみながら、無理やり自分を合わせるのではない。

ただ、それに引っ張られつつも、生きなければならない苦しみの中から、自分の本当の気持ちを見つけ出すこと…と、この最終盤になって、八木の言葉を、わたしはこのように理解しました。素人のわたしがやいやい言うことではないのでしょうが(汗)


その八木は、パリに居るのだとのこと。




貴司の苦悩に気づけなかった舞は、貴司にこう言葉をかけます。



めぐみや、貴司の父・勝(山口智充さん)、雪乃(くわばたりえさん)を、ふたりして説得。



そして祥子は、貴司が留守の間の「デラシネ」を代わりに店番させてほしいと。






2020(令和2)年1月。貴司は、八木に会うためにフランス・パリに旅立つ…というところで、当週はおしまい。



ただ、この頃というと…世界的にコロナ禍がしのびよりつつありました。安倍首相(当時)の会見。




最初の緊急事態宣言が発令中の頃。2020(令和2)年4月、イオンモール鶴見緑地(大阪市鶴見区)にて。思い出したくもない、3年前です。



最終週(第26週)「私たちの翼」編予告より。

やはり、この「舞いあがれ!」でもコロナ禍が描かれるようです。


果たして貴司は、舞は、みなはどうなるのか。








あ!柏木君(Snow Man・目黒蓮さん)も登場とは。さらに、誰かしらと笑顔でハイタッチ。




空を飛ぶことに憧れ続けた、半年にわたる舞の活躍も、いよいよフィナーレ。どのような結末に至るのか、しかと見届けたいと思います。


次回に続きます。

今日はこんなところです。