NHK朝ドラ「舞いあがれ!」一週間を振り返る〜第11週「笑顔のフライト」前編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。今日の話題です。




10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。

このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを第1週からお送りしています。



↑は、先週の第10週「別れと初恋」編。



読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2022(令和4)年12月11日付け 7面より。



それでは、第11週「笑顔のフライト」編(12月12日〜16日)を振り返ることにいたします。


話しの流れが、大変激しい週でした。

今週は、前後半に分けて記事をお送りします。



主人公・岩倉舞(福原遥さん)の航空学校宮崎本校からの仲間だった、水島(佐野弘樹さん)にパイロットの適正がないと、退学を通告した担当教官・大河内(吉川晃司さん)。


同じく、大河内の指導を受けている柏木(Snow Man・目黒蓮さん)が、舞の担当教官の変更を
頑なに勧めて来る、というところからスタートした、この週でした。


柏木も、水島を退学に追い込んだ大河内に不信感を抱く様子が先週から、見て取れました。

ただ、見返してやろうというよりかは、反発というのか、反駁のような感を受けるもの。



最初は、そのような柏木に同調していた当事者の舞。しかし、体調を崩した際に、その大河内から本質を突く言葉をかけられて、なぜ、パイロットを目指そうとしたのかという、自身の目標を取り戻しつつありました。第10週より。


ところが、柏木は舞に黙って、他の学生を担当している山下教官(板倉チヒロさん)に話しをして来た、と。



その山下教官というのは、同じく宮崎本校から舞や柏木と同じ班だった、倫子(山崎紘菜さん)・吉田(醍醐虎汰朗さん)・中澤(浜正悟さん)の指導に当たっていました。

指導の随所で英単語を頻繁に使うという、なかなか個性の強い教官やなあという印象でした。


終始、厳格な大河内とは、まったく異なるタイプだなと思っていたのですが、柏木の話しをきちんと聞いてはくれたようです。


劇中の描写にはなかったのですが、教官同士での情報共有というものはもちろんあったはず。

そうなると大河内も、柏木が話しをしに来たことを知っていたはずでしょうが、この後の展開を観ると、うまく取り成してくれたようです。個人的に、安心しました。




柏木の強い推しが続く、そんな中。
みんなより遅れを取っている舞は「セカンドソロ」という、決められた空域をひとりで飛行機を操縦する課題に取り組むことに。




「セカンド」ということなので、教官同乗なしの単独で操縦する2回目の訓練です。しかし…



訓練中に強風が吹き荒れて、離陸した帯広空港に戻れず。代替として、さらに東の釧路空港への着陸をするという事態に陥ります。



2度目の単独飛行で、劇中では、立ち入った描写もなかった釧路への着陸。不安が過ります。



今週、最大の見どころはまさにここでした。

帯広分校から大河内が飛び立ち、舞の飛行機を釧路まで誘導する、ということに。




そして、釧路空港の上空に到達。
先日の記事でも触れましたが、舞の最大の訓練課題は「着陸態勢」でした。



慎重になり過ぎて機首が上がり、機軸が振れ、滑走路のセンターラインを、大きく外してしまうという癖があったのですが、これは大河内を見返してやろうと申し出て、その修正のため、特訓を幾度も繰り返した動作でした。



その結果。はじめての空港で、センターラインど真ん中に、無事着陸することが出来ました。




舞が思い出したのは、水島に対する大河内のこの言葉でした。



仲間で支え合い、努力すれば、どのようなことでも成し遂げられる、と信じていた舞。

しかし、それを覆された水島の退学が、当時の舞にはどのように考えても、納得の行くものではありませんでした。





しかし、大河内は一時の感情などではなく、徹底して「乗客の生命を預かる重責を持つ、パイロットとしての適正を見極める」という、自身の責務に終始していたのみ。



それは、血も涙もないような、ただ残酷で冷徹なものではなく、自分が担当した学生の、前途ある未来の選択を、きちんと考えてのこと。


舞は、ようやくそれに気づいたのでした。
そして、大河内への信頼をも取り戻した瞬間でした。


思えば、パイロットになりたいと、大学を中退して、航空学校に行きたいと両親と話し合っていた、このシーン。第7週より。







このシーン「だけ」観た第7週では、舞の「そういう重いもんをしっかり背負って」「飛べる人になりたい」という言葉の意味合いが、実際のところ、なんだか抽象的なように感じたのを思い出しました。




ただ、先ほども触れた水島の退学。




そして、妻子持ちの中澤が、離婚を切り出されたことを、倫子と話すシーン。

家族を養うために努力しているのに、中澤は、なぜ自分が離婚などせねばならないのか、とただ憤っている中のことでした。


自分は、パイロットになる夢を叶えることが出来たのに。妻にも、きっと追い求めたい夢があったのではないか。





勤務していた商社で、男性中心の扱いを受け、つらい思いをしたと話していた倫子。退職して退路を絶ち、ここへやって来たという彼女にも重く背負うものがあったに違いありません。






そして、久々に登場した人力飛行機サークル「なにわバードマン」の刈谷(高杉真宙さん)と、部長だった鶴田(足立英さん)。


これ、舞の実家の隣「お好み焼 うめづ」から!



そして、幼少からの空への憧れを、結実させた舞。

さまざまな人の、さまざまな願い。自分だけの意思だけではなく、そこには、それらがあっても実行することや、望むことすらも出来ない、たくさんの人の思いが込められているのだと。ようやくその言葉の重さを理解出来ました。



その中澤も、奥さんと話し合いを持てることになりました。安心しました。


さて、舞は課題の遅れをなんとか挽回。いよいよ「最終審査」に臨みます。



帯広分校を発ち、道内各地を巡航した後に、再び帯広に戻るというもの。


結果は、全員が合格。良かったです。





そして、最終審査を終えて、大河内と話すシーン。本来の自分の思いを取り戻した、舞の晴れ晴れと、成長した様子が、よくわかりました。



これが宮崎本校から続いた、いわば「若者の群像劇」が終わった瞬間でした。


多くを語らず、しかし、なにより学生の成長、それも「人間としての成長」を静かに願っていた大河内。懐の大きさに、感動した次第です。


これだけの、高潔な人間性を持つ大河内。
スピンオフシリーズをするなら、ぜひ大河内教官の半生を!と、個人的には希望します(笑)


そして先週、舞に好きだと告白をした柏木。
週後半は、そちらも目が離せぬ展開でした。


次回に続きます。
今日はこんなところです。