3年振りの現地開催!「きんてつ鉄道まつり2022 in 五位堂」訪問記〜その13 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。



3年振りに、今年は現地開催となった鉄道イベント「きんてつ鉄道まつり」。

会場の「五位堂検修車庫(奈良県香芝市)」の訪問記をお送りしています。





さて、前回までは、この「五位堂検修車庫」で検査や修理を手掛けている、同じ近鉄でも線路幅が異なる「南大阪線系統」の車両を、どのようにして入出場させているのか…ということについて、触れてまいりました。出典①。


専用の電動貨車を使用しての、手間暇がかかる作業工程。広大な路線網を有する、近鉄電車ならではの設備だと、感心しきりです。


検修車庫の内部に置かれていた、たくさんの台車。さまざまな種類があるのでしょうね。



さて、そんな中。東大阪に住むわたしにとっては実に馴染み深い、この車両を見つけました。「けいはんな線」で運用されている「7000系」という車両です。


車両全体にかけて深い丸みを帯びたデザイン。
近くで観察してみますと、これほどのものだったのかとあらためて感心します。


「けいはんな線」は、「長田駅(大阪府東大阪市)」を起点に東へ、府県境の生駒山を越えて「学研奈良登美ヶ丘駅(奈良市)」へと至る、全長18.8kmの路線です。出典②。
2006(平成18)年3月に、全線開業しました。


「長田駅」から西側へは「OsakaMetro中央線」と相互乗り入れしていて、大阪湾岸のベイエリア「コスモスクエア駅(大阪市住之江区)」までの、全長17.9kmとつながっています。

合計、30kmを超えるこの両線を合わせて「ゆめはんな」という路線愛称がつけられている、奈良と大阪湾岸を直結する大動脈です。出典同。


ところで、この車両が走る「けいはんな線」。
なにかしら、走行している車両の上部がすっきりとしているのですが、他の近鉄電車の路線と「集電方式の違い」があるためです。

「けいはんな線」の路線規格というのは、相互乗り入れしている「OsakaMetro中央線」のそれに合わせています。



具体的には通常鉄道のように、屋根上の架線に流れる電気を、パンタグラフを介して集電するのではなく、線路脇に設けられた「サードレール(第三軌条)」から走行に必要な電気を採っているということです。
これはここのみならず日本の地下鉄では、標準的な規格です。


「けいはんな線」は「中央線」を延伸する形で建設されたために、大阪市内から外れた区間は近鉄電車の路線として建設されました。出典③。

そのために、近鉄側がOsakaMetro(開業当時は大阪市営地下鉄)側の「第三軌条」という規格に合わせた、という経緯があります。


そういったことで、こちらの車両は通常鉄道では標準的な「パンタグラフ」を持たないという、特殊な車両です(軌道幅は標準軌で「大阪線」と同じ)。


先日の軌道幅が異なる「南大阪線系統」とはまた事情が違い、軌道幅は同じでも、集電方式に大きな違いがあることがわかります。

それがこちらの工場で整備を受けているというので、やはり特別な運ばれ方をされています。以上、新石切(大阪府東大阪市)にて。


具体的には「けいはんな線」の「東生駒車庫(奈良県生駒市)」につながっている「奈良線」との連絡線を介して、同線へ入線。


「大和西大寺駅(奈良市)」からは「橿原線」で南下。さらに「大和八木駅(同橿原市)」付近に設けられている連絡線を経由して「大阪線」へ。出典②。


大和八木駅から5つ目で「五位堂駅」に到着。
駅の大阪方にある、この検修車庫に入庫…という経路で、冒頭の電動貨車とはまた別の専用車両により、はるばる輸送されています。



画像を探していましたら、その「けいはんな線」と「奈良線」とが並走する区間の様子を見つけました。グーグル地図より。


「奈良線」の普通列車に乗り、大阪方面へ「生駒駅」へと向かいます。待避線のある「東生駒駅」を発車。


発車して間もなく、車窓右側(北側)に「けいはんな線」の線路が近づき、並走します。


頃合い良く「けいはんな線」の車両が追いついて来ました。乗り入れしている「OsakaMetro」の「20系」という車両です。


ここから、抜きつ抜かれつの楽しい車窓。
隣の「けいはんな線」にはやはり架線やパンタグラフの類がなく、独特の光景が味わえます。




そして「生駒駅」に到着。県内では北東のターミナルで、合計4路線が集う、繁華な駅です。

乗車して来た「奈良線」と「けいはんな線」は、この先府県境の「生駒山」を長大なトンネルで通過、河内平野が広がる大阪府内、東大阪市へと入って行きます。


「新生駒トンネル」を抜け、大阪府内に入ったところがこの「新石切駅」。
青々とした山肌がすぐそこに迫る生駒の山の向こうは、もう奈良・生駒です。以上、2020(令和2)年6月撮影。


普段使いの電車にまつわる、目につかない日々のメンテナンスの様子。実に興味深いものがあります。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「ヤマケイ私鉄ハンドブック13 近鉄」廣田尚敬写真・吉川文夫解説・山と渓谷社発行 1984年7月)

(出典②近鉄ホームページ)

(出典③OsakaMetroホームページ)