NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ひなたの「東映太秦映画村」訪問記〜その11 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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みなさんこんにちは。前回からの続きです。

8日金曜日に最終回を控え、いよいよ大詰めのNHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。



第109回(4月5日)放送より。

時は、2003(平成15)年のクリスマスの日。
翌年に日米で同時公開される、ハリウッド映画「サムライ・ベースボール」の制作陣のひとりとして来日した、キャスティングディレクターのアニー・ヒラカワ(森山良子さん)。


三代目ヒロイン・大月ひなた(川栄李奈さん)とも懇意になったアニーが、名物パーソナリティ・磯村吟(浜村淳さん)のラジオ番組に出演。浜村淳さん、大阪編から声の出演は頻繁にされていたのですが、ご本人は初登場でした。


最初は、通訳を介して話しに応じていたアニー。しかし、この質問を磯村からされたことをきっかけに、封印していた過去を吐露します。



岡山の雉真(きじま)の家を出て、幼いるいと大阪・あびこ(住吉区)で生活していた初代ヒロイン・雉真安子(上白石萌音さん)。
しかし、行商中の自動車との事故で、るいの額に一生残る傷を追わせてしまいます。


さまざまな事情が重なり、それらを理解することが難しかった幼いるいは、安子を拒絶。
自身の命より大切な存在だったるいの行動が、結果的にそれが母子の生き別れと、安子が渡米するきっかけに至ってしまうのですが…



アニーが日本語、岡山弁で切々と語る、自身の若き日の悔悟は、まさにそれでした。




アニー・ヒラカワが初代ヒロイン・雉真安子、すなわち、二代目ヒロイン・大月るい(深津絵里さん)の実母、三代目ヒロイン・大月ひなたの祖母だということがわかった瞬間でした。

同時にこの作品、最大のテーマが明らかになった、三世代がつながった瞬間でもありました。


しかし、アニーはラジオ局を出ると、すぐに関空から帰国の途に就くことにしていました。
もう二度と、日本にはやって来ないと決めて。


果たして、ひなたはアニーを引き止めることが出来るのか。
そして、生き別れてから半世紀あまり、安子とるいは再会出来るのか…という段でした。


深津さんの演技がすごいことはいまさら述べるまでもないことでしょうが、半年の間、感情移入しながら、楽しみに拝見していた一視聴者としては、これは…気がつけば、おっさんのわたしでさえも、朝から涙が出ました(泣)


作品の舞台となった「東映太秦映画村(京都市右京区)」村内を、劇中のシーンを交えながら探索、回顧するということをしています。

さて、出口に向かおうかとしたところ…




なんと、ひなた編(京都編)作中で重要な場面が繰り広げられた、ひなたが働く「条映太秦映画村」の休憩所が再現されていました。

思いもしなかったものでしたので、これはちょっとうれしいですね。



作中で最初にこの休憩所が登場したのは、ひなた高校3年生の夏休み、1983(昭和58)年。


撮影所では大部屋俳優ながら「伝説の殺陣師」として一目置かれる、伴虚無蔵(ばん・きょむぞう、松重豊さん)に連れて来られ、衰退する時代劇を救うために、夏休みに映画村でバイトをしてほしい…と乞うところからでした。第75回(2月16日)放送より。




しかし、肝心のバイト内容はというと、ただ休憩所に詰めているだけというもの。ひなたも最初は、その意味を理解出来なかったのですが…




物心つく頃から、父・錠一郎(オダギリジョーさん)の影響で、時代劇をこよなく愛するようになっていたひなたにとっては、まさにその通りの場でした。


虚無蔵は、おそらくは、ひなたのその抜きん出た時代劇への愛情と熱意、行動力を見抜いていたのだろうと、いまになって察します。第108回(4月4日)放送より。


結果的には映画村や親会社の条映のみならず、冒頭で触れたアニー・ヒラカワや、ハリウッド映画との深い関係を築くことにもなったので、まさに「時代劇を救った」ひなたでした。
そうなると、虚無蔵の彗眼に驚きます。第75回(2月16日)放送より。



ところで、休憩所が作中、最初に登場したのはひなたが高校3年生、1983(昭和58)年の夏、と先ほど触れました。


従って、並んでいる備品類の時代線はその頃。
もちろん?わたしも生まれていた時代ですが、エモいものばかり作中に出て来て、個人的にはそれもまた見どころのひとつでした。



レトロな扇風機など、ひなた編(京都編)にはこのようなものが頻出するのですが、そういったこまかい描写も実に堪りませんでした。

いまから考えると、電化製品も単純明快な仕組みやったんやなあなどと想うのですが、実際に昭和を生きていた世代としては、こういうわかりやすい方が、昨今のものよかはよほどすんなりと使えます。複雑なものは苦手です(笑)


懐かしくてしげしげと観察するのですが、針金がおもむろに張ってあるだけの扇風機カバー。

おもしろがって、これを広げたり狭めたりして遊んでいますと「いろたらあかん、手ぇ入れたら指飛んでまうで(触ったらだめだ、手を入れたら指がちぎれてしまうよ)!」などと、親にいちいち注意された毎年の夏、楽しかった、子ども時代。どうでもよい余談でした(笑)




最後に懐かしいものも見られまして、非常に充実した30年ぶりの映画村訪問になりました。

冒頭でも触れましたが、昨年11月から半年にわたる放送の中での、思い出深い場面を回顧することも出来ましたので、なお来て良かったなと感じます。


しかし、まだお楽しみは続きます。


映画村ゲート外の一角で、作品を制作しているNHK(京都放送局)が主催の「カムカムエヴリバディ展・ひなたの映画村にようこそ!」という、期間限定イベントが行われていました。



なんでも、三代目ヒロイン・ひなたと、二代目ヒロイン・るいがそれぞれ活躍した京都編、大阪編作中に登場した、さまざまな備品類の展示なのだとのこと。これは楽しみです。


さらに次回に続きます。

今日はこんなところです。