みなさんこんにちは。今日の話題です。
朝日大阪夕刊 2021(令和3)年7月6日付け 8面(社会面)より。

長年にわたり、近鉄特急を代表する車両として活躍して来た特急専用車「12200系」が、8月7日の特別運行を最後に、完全引退するのだとのこと。
「オレンジ特急」という見出しもありますが…
オレンジ色と、紺色のツートンカラー。
昭和30年代から続いて来た、近鉄特急の標準的な塗装といえば、まさにこれです。
この「12200系」の引退を以て、伝統あるこのツートンカラーの車両も、完全に姿を消すことになりました。

紙面から。もともとは、1970(昭和45)年に開催された「日本万国博覧会(大阪万博)」に合わせた観光客の大規模輸送を目的に168両もの製造がなされ、以降、長らく近鉄特急の標準車体となりました。

電子レンジを備え、軽食を提供する「スナックコーナー」をこの車系に先行してデビューした「12000系(1967年登場、2000年引退)」の愛称「スナックカー」を引き継いで「新スナックカー」とも呼ばれていました。
現在、スナックコーナーの類はすべて撤去されていますが、大阪・名古屋間でライバル「東海道新幹線」を凌ぐ、豪華な車内装備で名声を得た車両でもあります。

沿線に「伊勢神宮」が鎮座していることから、歴代の天皇・皇后両陛下はじめ皇族の方々、また、1975(昭和50)年5月に来日された、イギリス・エリザベス女王夫妻のご乗用に供されるなど、実はこの「12200系」は、大変な名誉に浴したことでも知られています。
読売大阪夕刊 2020(令和2)年8月19日付け 11面(社会面)より。
VIPの方々の乗用に供される際には、このような特別仕様が施されたとのこと。
そういったことで、この「12200系」は当時、最上級の設備を有していた、看板車両でした。
近鉄特急では、その時の最新型、最上級の装備の車両を、VIP専用列車に使用することが通例になっているようで、現在であれば、この観光特急「しまかぜ」がそれに当たるようです。大阪難波・賢島にて。
長年にわたり、近鉄特急を代表する活躍を続けて来たこの「12200系」、定期運用は今年の2月で終了しているのですが、引退を記念した臨時特急列車が運行されることになりました。
車内はリニューアルされているものの、どことなく一昔前の香りと、旅情が味わえるのも、もうすぐ思い出になってしまいます。大阪上本町ほかにて。
昭和は遠くなりにけり…という感を受けます。
長年の活躍、本当にお疲れさまでした。大和八木にて。
今日はこんなところです。