みなさんこんにちは。前回からの続きです。
10月でデビューから50年を迎えた、JR西日本の看板列車「新快速」、その歴史をひもといた、特別展が行われている「京都鉄道博物館(京都市下京区)」の展示を拝見しています。
博物館1階、南端にやって来ました。
訪問した際、はじめて「新快速専用車両」として1980(昭和55)年1月にデビューした「117系」が、期間限定で展示されています!
車内には入れないようですが、これなら身近で観察出来そうで、楽しみです。ところで…
正面ゲートを入って左側には、かつて運行されていた超豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」で使用されていた車両群が展示されているスペースがあります。
その奥に、本線からつながっている線路がありまして…
これが博物館の内部へと続いています。
この扉の向こうに、先ほどの「117系」が展示されているのですが、こちらの博物館の魅力のひとつというのが、営業線からここを介して直接、実際に営業されている車両を博物館内に入線させ、展示が出来るようにしているということでしょうか。
「鉄道博物館」というと、いわゆる「静態保存(動かない状態での車両展示保存)」が当たり前だったのですが、この取り組みというのは
いままでにない実に斬新なものだと感じます。
ということで、現在でも京都駅を発着する「湖西線」などで現役の、この車両を間近で見学することが出来る、という次第です。
ではここで少し、この「117系」についての、それにまつわる経過の振り返りを、実車展示を観察しながらいま一度してみたいと思います。
先ほども触れましたが「はじめての新快速専用車両」として登場、豪華な装備が人気を博したものですが、後年には塗装や内装も変更され、あちこちに転属していたようです。
1979(昭和54)年10月
第1編成が竣工
1980(昭和55)年1月
第1編成の営業運転開始
同年7月 予定数の6両×21編成(126両)が揃いすべての新快速が「117系」に統一される
1981(昭和56)年11月
増発のためさらに6両×3編成(18両)を増備
1987(昭和62)年4月
国鉄分割民営化。 JR西日本所属となる
(6両×24編成、144両)
1988(昭和63)年3月
新快速の発着東限が「彦根駅」から「米原駅」に変更となる
1989(平成元)年3月
後継の「221系」が登場。朝ラッシュ時に、6編成×2での12両編成運行を開始
1990(平成2)年3月
新快速の運行最高速度を115km/hに引き上げる
「福知山線」での運行を開始
1991(平成3)年3月
「米原〜長浜間」の直流電化で、同駅まで乗り入れを開始
日中新快速の運行最高速度120km/hに引き上げ(「117系」は未対応のため、朝夕のみ運行に限定)
後継の「221系」増備が進み、新快速の担当列車が大幅に削減される
大部分の新快速運用から外れることから、編成の組み換えが行われるとともに「奈良線」快速での運行を開始
1992(平成4)年3月
「山陽本線 岡山電車区・広島運転所」に短編成化された車両が転属。「快速サンライナー(岡山〜福山間)」への充当開始
1999(平成11)年5月
新快速の運転最高速度が130km/hとなることから、新快速運用から完全に引退
2000(平成12)年3月
一部が和歌山地区に転属
「和歌山線」での運行を開始
(以降「紀勢本線」でも範囲が拡大される)
2001(平成16)年3月
「奈良線」快速列車での運用終了
後継の「221系」を使用した「みやこ路快速」に置き換えられる
2005(平成17)年5月
「福知山線」の運用から撤退した編成が京都地区へ転属
随時、京都地区カラーに変更(緑単色)
2007(平成19)年11月
「山陽本線下関地区」での運用開始
2016(平成28)年1月
「山陽本線下関地区」での運用終了
2019(平成31)年3月
新型車両「227系」の導入により、和歌山地区から完全撤退。用途のなくなった12両が廃車
2020(令和2)年1月
京都地区所属の1編成6両が「WEST EXPRESS銀河」に改造される
2020(令和2)年現在 76両が現存
(主な出典 「Wikipedia#国鉄117系電車」)
このように時系列的に掘り下げてみますと、JR西日本の各地でその足跡を残して来たことがわかります。
車両性能もさることながら、居住性の良さも、多分に考慮されてのことのように感じます。
次回に続きます。
今日はこんなところです。