みなさんこんにちは。今日の話題です。
前回の記事では、昨日(1月31日)に京阪電車でダイヤ改正が行われ、3000系新型車両に「プレミアムカー」の連結がはじまった…という話題をお送りしました。
その改正に合わせて、京阪を代表するこの車両に関しても、大きな動きがありました。

昨年でデビューから50周年を迎えた、日本初の5扉車「5000系」についてです。
今日からは、この「5000系」半世紀についての足跡をあれこれ掘り下げてみたいと思います。

毎日大阪夕刊 2020(令和2)年8月18日付け 1面より。大写しで取り上げられた話題でした。

国内唯一の「多扉車(たとびらしゃ)」。
側面に並んだ扉は実に5枚という、見た目にも特徴のある車両が、その「5000系」です。

大阪・京都・滋賀に路線網を有する京阪電車は明治の開業以来、時代時代の最先端の技術を積極的に採り入れて来たことから「技術の京阪」と呼ばれて現在に至ります。
そんな中、この「5000系」もその例のひとつでもあり、なおかつ「世界初」の技術さえも導入したものでした。
それらについては先日、アップしましたこちらの記事から拾ってみたいと思います。
…「5000系」の最大の特徴はと言いますと、車体側面にずらりと並んだ客用扉、それも5枚もあるというものです。
平日朝ラッシュ時にはそのすべてを使用することで、他の車両(2扉や3扉)に比べて、乗客の乗降に要する時間を大幅に短縮させるという大役を果たして来ました。萱島にて。
さらに、ラッシュ時以外では第2・4扉(ラッシュ用扉)を閉鎖して3扉車とし、その部分には天井に収納した座席を降下・設置させることで他の車両と遜色ない座席数も確保することが出来るという、日本にとどまらず世界を見渡しても他に例のない、大変特殊な装備を持つ車両として知られているものです。
「ラッシュ用ドア」の部分に座席が出来る。
この状態の時には、ドアスイッチの回路を切り替えて締切となり、3扉車として運用される。

平日朝ラッシュ時のみ使用される「ラッシュ用ドア」。扉の上半分は区別のために塗装されておらず、アルミ地肌が露出しているのが特徴。
朝日大阪朝刊 2021(令和3)年1月30日付け 32面(社会面)より。
ただし、一昨日の29日でこの「ラッシュ用ドア」は使用停止となり、さらに6月を目途に引退することも決まったので、なおのこと注目を集めているという次第です。中之島ほかにて。

「日本初の多扉車」として登場したこの5000系に続いて、平成に入ってからは首都圏でも通勤対策として「多扉車」が次々と登場しました。
ただし、編成すべての車両が多扉車であるという事例はこの形式が唯一の例で、日本の鉄道史において大きな足跡を残したと言えます。
次回に続きます。
今日はこんなところです。