(2016年7月16日アップ分を再編・再掲)
みなさんこんにちは。前回からの続きです。
「新十津川駅(しんとつかわえき、空知管内新十津川町)」から「札沼線(さっしょうせん)」に乗車、「石狩当別駅(いしかりとうべつえき、石狩管内当別町)」へと向かっています。乗客は、わたしを含めて3名ほど。みなさん、乗り鉄同業者のようでした。
「新十津川駅」を出ますと、「石狩川」の向こうには5kmほど離れて「函館本線」が並行しており、ともに「札幌」へと向かっています。
目を凝らしてみるのですが、やはりこの列車からはその様子を伺うことは出来ません。
ところで、この「石狩川」の流域には不思議な形をした湖沼があちらこちらに見られます。
もともとこの川はかなり蛇行した形状だったそうで、これらはその名残だとのこと。
ちなみに「石狩」という名前はアイヌ語、「イ・シカラ・ペッ(それ・回流した・川)」から来ているものだそうです(諸説あり)。
地図を見ていますと、これは頷ける由来です。
「札沼線」の札幌寄りの区間は「学園都市線(がくえんとしせん)」という愛称で呼称されており、「札幌都心」に直結している発展著しい路線なのですが、始発の「新十津川駅」からしばらくはこのようなのどかな田園風景の中、「空知平野」を走ります。
車窓右側、方角で言いますと西方向には雄大な雪山が連なっています。
標高704メートルの「ピンネシリ(敏音知)」という山なのですが、先ほどの「新十津川」からほど近いとことに登山口があり、人気のある山々なのだそうです。この山の向こうは「日本海」です。
丁寧にひとつひとつ、1両編成のディーゼルカーは各駅に停車して行きます。
そして、車窓には延々と田園ののどかな風景が続いて行きます。
田んぼによって多少の差異があるのですが、だいたいは「田植え直後か」といった印象です。
ところで、この日は朝から大変な強風が吹き荒れていました。
「新十津川駅」に到着した時点では少しはおさまっていたのですが、車窓から見るに田んぼの水が波打っているほど、また風が強くなって来たことが伺えます。
かと思えば、雲が抜けて陽が射しこんで来る…という瞬間がやって来ます。
なかなか慌ただしいですが、車窓は緑いっぱいで心地よいものです。
列車は、空知平野の真っただ中から少し山側へ移動したようで、次第に緑が濃くなって行きました。豊ヶ丘(とよがおか)にて。
そんな中、「ピンネシリ」がちらと見える、実に味わいのある光景が展開されます。
このあたりでは、石狩川対岸を走る「函館本線」はいつの間にか遠くに離れているようです。
札沼線主要駅のひとつ、「石狩月形駅(いしかりつきがたえき、空知管内月形町)」に到着。
実は、「新十津川駅」からこの駅までは「列車の行き違いが出来る駅がない」ということで、「入った列車がそのまま終着駅で折り返して来る」といういわゆる「閉塞区間」になっています。ただ、その距離は30kmほど、列車も50分ほどを要するという長大さです。
徐々に乗客が増えて来まして、こちらも沿線主要駅のひとつである「北海道医療大学駅(石狩管内当別町)」に到着。
「空知管内」から、いよいよ道都・札幌が所在する「石狩管内」に入りました。
ところで、今回の旅でいいアクセントになっているのが、味わいのあるこの「JR北海道独特のホーロー製駅名標」です。
ここまでさまざまなところで見かけたのですが、この駅でもやはり設置されていました。ただ「ひらがな表記」ですので、駅名の長いこの駅のものではこのような感じ、「目いっぱい」という印象を受けます。
「札沼線」はこの駅から電化されていて、なおかつ「学園都市線」という愛称で呼ばれています。
つまり、札幌駅からの電車はこの駅で折り返しになるので、発車待ちの「札幌ゆき」がホームに停車している姿が見られました。
いよいよ、札幌が近くなったということを感じさせられます。
「北海道医療大学駅」を発車。
広大な田園の中ですが、次第に住宅が増えて来たことがはっきりとわかります。
ところで、現在乗車しているこの「キハ40形」というディーゼルカー、座席には「二人掛け」の他にはこの「1人掛け」というボックスシートがありました。
なかなかゆとりがあるように思えますが、ここ以外にはあまり目にしたことがない、特徴あるものです。
午前11時03分、「新十津川駅」から1時間20分ほど、「札沼線(学園都市線)最大の途中駅」という「石狩当別駅(いしかりとうべつえき、石狩管内当別町)」に到着しました。
美しい「ピンネシリ」と空知平野の田園地帯の中をじっくりと走るという、実にゆったりとした列車の旅でした。
しかし、強風はおさまるどころか、ますます強くなって来ました。列車の運行に支障がなければよいのですが…
ここで、またも次の列車まで待ち合わせがありますので、いったん改札を出てみたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。