河内長野駅ホーム「近鉄最後の字幕回転式発車標」を見に行く その5 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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みなさんこんにちは。前回からの続きです。

全国的に大変貴重な「字幕回転式行先標」が、1月30日に引退するという「近鉄電車 河内長野駅(大阪府河内長野市)」を訪問した際の様子をお送りしています。

 

 

その引退に先駆けて、駅ホームに掲出されていた「行先標」のあゆみを見ながら、あれこれと私見を述べております。

 

 

前回から繰り返しになりますが、今回引退するというこの「字幕回転式行先標」とは、現在では当たり前に駅で見かける、列車の発車案内の先駆けとして、昭和30年代半ばから取り付けられはじめた方式のものです。

 

都合、ホームなどにある「行先表示器」の歴史は、昭和40年代半ばにこの「字幕回転式行先表示標」からはじまり…

 

 

 

 

1970年代には、種別や行先を記した板がパタパタと回るこの「フラップ式」が主流になります。

この方式は、近年では数を減らしつつあるものの、現在でもまだあちこちで目にすることが出来ます。

 

「近鉄電車 河内山本駅(大阪府八尾市)」にて。

 

 

「南海電車 羽衣駅(同高石市)」にて。

 

 

そして、1980年代後半から1990年代に入り、数多く登場したのがこの「LED式」。「JR鴫野駅(しぎのえき、大阪市城東区)」にて。

 

 

近年、全国で急速に普及して来た最新型の「LCD式」

関西ではここ5年ほどの間に、JRや私鉄などで一気に広まった方式です。

 

この方式のものは汎用性が高く、通常の表示の他に、ダイヤ乱れや振り替え輸送などの案内を随時に流すことも出来るという万能なもので、先ほどの「字幕式」や「フラップ式」の表示器を一気に淘汰して行きました。

「近鉄電車 大阪阿部野橋駅(同阿倍野区)」にて。

 

 

 

ところで、そんな技術の進化の中で「最古参」の部類に当たるこの「字幕回転式」のものがこの駅で生き残った理由というのは、おそらくは、内蔵されている字幕数の少なさもあったのではないかと思われます。都合、6種類だったいうことですが…

 

 

さらに「これほどの長寿を保った理由」というのは、それ以外にもあるのではないか?と、この駅の時刻表をよくよく見ますと感じます。

 

こちらは平日の時刻表ですが、朝のラッシュ後から、22時台あたりにかけての列車がすべて「準急 大阪阿部野橋ゆき」であることがわかります。

すなわち「長時間帯にわたって、同じ種別・行先の列車ばかりが発車するので、字幕を回す必要がなかったから」ということでしょうか。

路線独特のダイヤ事情が、ここまで生き残った大きな理由になっていたようです。

 

 

そういったことで、さまざまな要因が重なり、この懐かしい表示標を令和の現在まで見ることが出来た、という次第のようです。

1月30日いっぱいを持って引退し、翌31日の始発からは、最新型の「LCD式」へと取り替えられました。

 

こちら大阪では、ニュースにもなっていました↓

さらば「字幕回転式」行き先表示器 くるくる回って40年余(2020年1月30日 産経新聞ニュース配信)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200130-00000521-san-soci

 

「“フィルム回転”発車標を撤去…関西の大手私鉄で最後の1台 液晶に置き換え」(2020年1月31日 MBSニュース配信)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200131-00031385-mbsnewsv-l27

 

 

ところで…感動したのが解説にあったこの一文。

 

そんなわたしの役割は「次の列車の種別・行先・停車駅を伝えること。」

ただそれだけです…

 

 

これには、なにかしらじーんと来ました。

 

そう言われると、確かにそうなのですが、個人的な所感ですが、わたしが小さい頃にはこの方式の表示器があちこちで残っていましたし、列車の発着ごとにこれがくるくると回る姿を見るに、どんな行先が入ってるんやろう?などと、わくわくしながら眺めていましたので、その幼少の頃のほのかな思い出があってでしょうか、なおのこと大変印象に残っているからかなと思えます。

 

世の中は便利な技術に取って替わられつつありますが、懐かしい光景がこのようにしてなくなって行くのかと、自分自身の思い出も重ねてしまい、少ししんみりとしてしまいます。

昭和という時代がまたひとつ遠いものになったように感じた、今回の「字幕回転式表示標」の引退劇でした。

 

40年あまりの長い間、本当にお疲れ様でした。

今日はこんなところです。