大津市歴史博物館 ミニ企画展「江若鉄道-思い出の品々-」展を見に行く その7 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

先日まで「大津市歴史博物館(滋賀県大津市)」で開催されていた、「江若鉄道(こうじゃくてつどう)-思い出の品々-」展を拝見しに行った際の様子をお送りしています。

 

 

さて、さまざまな貴重な品々の展示を拝見して来ました。いずれも路線が廃止になった50年以上前のものばかりでしたが、令和というあたらしい時代になっても、語り継がれて行く大切な存在なのだろうなと感じた次第です。 

 

その展示室を出たところ、中央のホール付近にさらに気になる展示がありました。

 

 

「江若鉄道」の本社、車庫や工場のあった「三井寺下駅(みいでらしたえき、同)」の最盛期を再現した、力作のジオラマが展示されていました。

 

 

「三井寺下駅」は、同線の南の始発駅「浜大津駅(同)」の隣駅に当たります。

 

 

 

ホームは上下線が共用する一面のみですが、先ほども触れたように本社社屋や、車庫・工場が併設された、広い構内を持つ駅だったようで、名実ともに「江若鉄道の拠点駅」として、廃止まで機能していたとのこと。

(出典「江若鉄道の思い出 ありし日の沿線風景」 大津市歴史博物館編・サンライズ出版発行 2015年2月初版)

 

 

それでは、精密に再現されたジオラマをじっくりと拝見して行きたいと思います。 

始発の「浜大津駅」から大津市内の住宅密集地を単線で抜け、この緑色の鉄橋を渡りますと… 

 

 

左に緩くカーブを描きながら「三井寺下駅」に列車は到着します。 

 

 

 

多数の引き込み線が設けられていて、主力だったディーゼルカーや客車たちが留め置かれています。 

 

 

ターミナル駅だった「浜大津駅」のすぐ隣でしたから、シーズン時には需要に応じて、臨時列車もすぐに準備出来たのでしょうね。

 

 

ホーム・駅舎をはさんだ西側には「車両工場」がありました。 

 

 

 

いや~、実に細かく作り込まれているのに驚きます。

 

これは客車でしょうか、床下器具がすっぱり抜かれた廃車体まで再現されています。 

ローカルな雰囲気がたまりませんが、路線の廃止後は、ここに車両たちが集められ、解体されるに至った「最後の場所」だとも言います。

 

 

ところで、この「三井寺下駅」の間近には、別の複線を走る、一両編成の電車の姿も見られます。

「京阪電車 石山坂本線(いしやまさかもとせん)」です。 

 

 

ひとつ隣の「浜大津駅」で接続していた「石山坂本線」(画像オレンジの線)は、現在も大津市内を南北に走る「京阪電車」の一路線なのですが、一部区間ではこのように「江若鉄道」にほど近いところを並走していた「競合路線」でした。

 

当時の地図を見ますと「江若」の「三井寺下駅」の近くには「京阪」の「三井寺駅」や、この博物館の最寄り駅で、先ほど下車した「別所駅(現在の大津市役所前駅)」が設けられていることがわかります。

(出典 「京阪電気鉄道100周年記念誌 京阪百年のあゆみ」京阪電気鉄道株式会社 経営統括室経営政策担当編 京阪電気鉄道株式会社刊 2011年3月 P669)

 

 

先日の記事でも少し触れましたが、戦後になって「江若鉄道」は京阪電車の傘下企業になったので、この競合関係は少しく不思議な感じも受けます。

ただ、「細めに駅を設置していた京阪」に対し「湖西の各地域から比較的長距離の旅客輸送に徹して駅間も長く取られていた江若」という差異があったので、比較的旅客の棲み分けがなされていたようです。

こうした点も、趣味的には興味深いもののように感じます。

 

次回に続きます。

今日はこんなところです。