手元の人気鉄道模型「鉄道コレクション」を愛でながらあれこれ語るという記事を連日お送りしています。

今日、取り上げるのはこの「名古屋市交通局 300形2両セット」です。

昭和32(1957)年に日本で三番目の地下鉄として開業して以来、平成19(2007)年に50周年を迎えた際に発売された記念グッズのひとつでした。

今でこそシルバーの車体が主体の名古屋の地下鉄ですが、開業以来長い間、この黄色(ウインザーイエロー)の地下鉄は「黄電(きでん)」として親しまれて来ました。

では、この「300形」をあれこれ観察してみたいと思います。
まずは「301号車」。

2両セットのそれぞれが先頭車両でした。しかし「黄電」と呼ばれているのが実に頷けるほど、車体すべてが黄色塗装です。
屋根上まで一色で塗装されているのは珍しいものだと感じます。

これを正面から。繰り返しますが「単色一色」ということもあってでしょうか、丸みを帯びた、実にさっぱりとした印象のやさしい顔つきです。
行先表示器は設けられておらず、めくり式の行先板が使用されていました。

これを側面から。約15m級の車体で、三連のユニット窓も相まってこちらも機能的な感じを受けます。

わかりにくいのですが、屋根は通風器を備えた二重式になっています。
ということで、廃車まで非冷房車でした。

こちらは「302号車」。仕様はさきほどの「301号車」と同様です。

これらを並べたところ。しかし、正面も側面も実にさっぱりした印象です。

屋根上を眺めてもご覧の通り、余計なものがなにも見当たりません。
通風器を兼ねた二重屋根が、この角度からですとよくわかります。

最後に妻面側です。
貫通路は大型なのですが、車体が小型ゆえさらに大きく感じられます。

では、「300形」の実車については…
「カラーブックス日本の鉄道20 名古屋市営地下鉄」
(大須賀廣郷・田川輝紀・小川金治共著 保育社刊 昭和57年11月初版)
から拾ってみます。

巻末ページに「300形」を見つけました。
開業以来の歴史を誇る「黄電」の一族として、昭和42(1967)年から昭和50(1975)年にかけて製造されて1号線の東山線で使用されていました。
両開き扉を採用し、同線の近代化に大きく寄与した車両だとのこと。
モデルになっている「300形」は、その「黄電」の最後となった形式だそうです(平成12年4月に全車廃車、形式消滅)。

ところで、パッケージにはこの「黄電一族」の紹介がありました。

昭和32(1957)年の開業当初に登場したのがこの「100形」。当時は2両編成で運用されるほどの需要だったそうですが、現在では6両編成が頻繁に運転されるという、日本屈指のドル箱路線として知られる「東山線」です。

さらにパッケージの解説を見て行きますと、開業当時に登場したこの「100形」の廃車に伴い、余剰となった中間車両を先頭車両に改造した「250形」という形式も存在したそうです。
改造にあたり運転室のガラス窓を拡大し、さらに行先表示器も取り付けられるなど、近代化を図った車両だったそうですが…
次回に続きます。
今日はこんなところです。