みなさんこんにちは。今日の話題です。
わたしのブログタイトルや、その下の「一言メッセージ」は、わたしがはるか昔の高校生の頃から「精神的な支柱」として敬愛し、いつも心の支えにしている「シンガーソングライター・松阪晶子さん」の楽曲から拝借しています。

その、晶子さんの2nd.ALBUM「伝わりますか」がリリースされたのが、いまを去ること23年前の「平成7(1995)年4月8日」でした。

晶子さんは、活動休止に至る現在まで3枚のアルバムを上梓しているのですが、前年に6月にリリースされた1st.ALBUM「夢を眠らせない」は、そのタイトル通り「夢」をテーマにしたものでした。
このアルバム「夢を眠らせない」は、見方によれば、まるで「晶子さん自身のメジャーデビューまでの軌跡、つまり『シンガーソングライターになるという夢の過程そのもの』を具現化したもの」だとわたしは感じています。
それゆえ「自分自身が持っているすべての力を出し切った!」と思えるほどどの楽曲にも力がみなぎっていて、聴き終わった後には「達成感」のようなものを感じるという、力を与えられる、実にエネルギッシュな1枚です。
晶子さんの1stアルバム「夢を眠らせない」と、そのアルバムテーマ、大きな支柱とも言える存在となっている5thシングル「燃える瞳を持ち続けて」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
松阪晶子さんの神髄!5th.SINGLE「燃える瞳を持ち続けて」と1st.ALBUM「夢を眠らせない」の魅力について語る 後編(2017年10月6日アップ)
松阪晶子さんの神髄!1st.ALBUM「夢を眠らせない」の魅力について語る
補遺編(2017年10月8日アップ)

アルバム「伝わりますか」発売告知のポスター。
当時、よく通っていたレコード屋さんで頼んでゲットしました(^^)v
そして、満を持して翌春に発表されたのが、2nd.ALBUM「伝わりますか」でした。
先の「夢を眠らせない」とはまったく異なるスタンスで、個人的には先ほど述べたように、前作がいわば「エネルギーの塊」だったのに対し、こちらは「いい意味で」力が抜けたのか、前作で「持てる力、全力で一生懸命突っ走った」ことで、人生において何か「悟り」のようなものを得たことからなのか、それまでの晶子さんの楽曲とは大きく異なる姿、もっと言えば「素の自分の気持ちをさらけ出した」と思える「人間の本質を突いた、心の交わり」という観点からの「人とのやさしさ」が描かれているように思え、
「人を大切に労ることが出来る→人に恋する→そして愛する」という、「人間が経験する心の豊かさの大切さ」が軸になっているように感じます。
この2ndアルバムに収録されている、楽曲のタイトルを見るだけでも…
Track1「大丈夫二人なら」
Track2「君の夢を」
Track3「あなたが溢れてる」
Track4「壊れた時間」
Track5「伝わりますか」
Track6「嘘つき」
Track7「ある休日に…」
Track8「ボクサーになる彼女」
Track9「一粒のダイヤを探して」
Track10「そこにあなたがいるから」…
と、テーマになっている「愛の手前の恋模様」を想起させる楽曲が並んでいます。
この2ndアルバムに収録されている、楽曲のタイトルを見るだけでも…
Track1「大丈夫二人なら」
Track2「君の夢を」
Track3「あなたが溢れてる」
Track4「壊れた時間」
Track5「伝わりますか」
Track6「嘘つき」
Track7「ある休日に…」
Track8「ボクサーになる彼女」
Track9「一粒のダイヤを探して」
Track10「そこにあなたがいるから」…
と、テーマになっている「愛の手前の恋模様」を想起させる楽曲が並んでいます。

さて、その2nd.ALBUM「伝わりますか」リリースの2カ月ほど前、同年の2月22日には、新アルバムと同名のシングル「伝わりますか」がリリースされました(このシングルも、新アルバムに収録されています)。
「伝わりますか」は、3拍子の穏やかなメロディが、実に語り掛けるように続く、タイトルさながら語り掛けるような歌詞が印象的な楽曲なのですが、この年の春にリリースされたアルバム「伝わりますか」の楽曲の中でも、先ほど触れたような、そのアルバムテーマの「重要な要素の軸」となっているこのシングル「伝わりますか」についてのインタビュー記事を中心に、今日は個人的所見を大いに加味しながら記事をお送りしたいと思います。
参考:YouTube「伝わりますか」松阪晶子
YouTube「伝わりますか 松阪晶子ファーストライブ

SHOKO MATSUZAKA 松阪晶子 ”Can You Feel It?”
このシングルは内容的には恋のストーリーになってますけど、大きく捉えると皆さんに”伝わってますか”という確認をしたかったんです。
前回のシングル「一粒のダイヤを探して」で”元気ハツラツ少女”のイメージを全面に出した晶子ちゃんが、2月22日にリリースするニュー・シングル「伝わりますか」で、またまた大変身!「女は変わるのよ」という余裕の発言のウラにある、その変化のきっかけとなったものは何か?4月には待望のセカンド・アルバムを、そして同じく4月18日にはデビュー・ライヴをなんと渋谷公会堂で行ってしまうというノリにノッてる彼女にインタビュー!

松阪晶子のニューシングル「伝わりますか」(2月22日発売)が届いた。
昨年10月にリリースしたシングル「一粒のダイヤを探して」の時のインタビューで彼女に微妙な変化が訪れていることは報告したが、このシングルは凄い。何が凄いって、タイトルもそうだが彼女がここまで気持ちをあからさまにしたした曲は初めてである。しかも、「満月」のようなミディアム調ではなく真正面切っての「どバラード」だ。
現在、彼女はニューアルバムの制作にも突入しておりいわば、このシングルは新作の重要な手掛かりになることはまず、間違いないと思う。(中略)
―明けましておめでとうございます。
「あ、今年もどうぞよろしくお願いします(笑)」
―いや、親しき中にもちゃんとご挨拶。しかし、また、変わりましたね、このシングル。
「あはははは、また、変わりましたか。女は変わるんですよ(笑)」
―へえ~(笑)。何かあったの、また(笑)
「ん~、どうしたんでしょう。特に何もないはずでしょうけどねぇ」
―でも、この曲、タイトルからして生々しいですよ。
「生ウニって感じですか(笑)」
―それ、新年から、思いっきりハズしてません?
「あはははは、いや、曲調も初めての3拍子だし、タイトルからスコーンって来ましたから。あの、前もお話ししましたけど「一粒のダイヤを探して」が1stアルバムから、また一歩踏み出しました、みたいな感じだったんですね。
で、デビューして1年くらいの時、ラジオのレギュラーとかやったり、ファンレターとか読んで(こちらからメッセージを)投げかけてはいるんですが、あの、確かにリアクションもあるけど、どれくらい(ファンに)響いているのか凄く不安になった時期があるんです。
それは、ある程度自分のことを立ち止まって自分のことを見れる時期が来てたんでしょうね。その時に思ったのが、どれくらい皆に伝わっているんだろうなっていうのが素直な気持ちで。
まぁ、内容的には恋のスト―リーになっていますけど、大きく捉えると「皆さんに伝わってますか」という確認をしたかったんです。そういう不安感にかられる時ってどんなアーティストの人にもあると思うんですね。
どれだけ大きくなって行こうと段階を踏んでそのレベルで絶対あることだと思うし、それを初めて実感して曲がスコーンと出来たんです」
―なるほど。それは、当然だけど「伝わりますか」という言葉から感じるニュアンスよりどうしても自分の中で伝えたいという気持ちの方が凄く強い訳だ。
「うん。で、曲だけ聴いてね、何かあったの?とかスタッフの人も言うんですよ。ハラハラドキドキみたいな(笑)
でも、そういうんじゃなくて、確かに内容的にはそうだけど、もっと大きな意味で、自分自身が皆に伝わっているかどうかってことなのって話さないと分からないみたいで(笑)。そこでもう1回曲を聴いてくれて『あーなるほどね』って言ってくれるんですよ」

―というと、本当に素直な今の気持ちなんだ、この曲は。で、そうなると後の曲作りにも多大な影響を及ぼしているって感じですか?
「そうですね、今度アルバムでも『伝わりますか』(のタイトル)で出すんですね。今、制作中なんですけど、今回は、このシングルの方の『伝わりますか』もそうなんですが、恋をイメージして作っていこうということで選曲もそうなってるんです。『愛の手前の恋』っていう、いろんな恋愛のパターンを綴ったものを仕上げようというコンセプトで。
今までは『元気一杯』というイメージが強くて、もちろん元気なんですけど(笑)、ここでこのシングルをポンっと出して皆の動揺みたいなものも気になるんだけども。でも、皆人間が喜怒哀楽があるように私にもあって、今までは凄く楽しい部分を出したけれど、こういう哀愁?まではいかないけど思い込んでしまう自分もあるから。
それは全部少しずつ出していけばいいと思っているので、ずっと歌っていく上で、あえてここでこのシングルを出したかったんです」

アルバム「伝わりますか」リリースの10日後、平成7(1995)年4月18日にはファーストライブ「伝わりますか」を渋谷公会堂で挙行。その告知。
―うん、そういう意味では前のシングルがひとつのステップというか、ワンクッションになってる部分もあるよね。
「そうですね、それもありますね。一粒のダイヤを探して、私はシンガーソングライターがダイヤだけど、皆はどう思ってる?(注釈:前年10月にリリースされた6thシングル「一粒のダイヤを探して」の歌詞を指しての発言。これは次回に詳述します)みたいなね。そういう問いかけ方がリスナーに直接言えるような自分の置き場所ができて、今度は単刀直入に『伝わりますかあ~!』ですからね。
皆に頑張ってくださいとか言われてるけどそういうのがどれくらいの層があるのかなって、見えないですからね、やっぱり。
実際、まだ、ライヴもやってないですから。
あの、4月18日に渋谷公会堂のライヴが決定したんですけど、それをやってまたライヴを重ねていくと『あ、伝わったな』という実感に変わって、また曲も変わってくると思うんですけどね」
―じゃあ、やっぱりまた、そう言いつつも手探り状態のところもあると。
「うん、うん。そうです…ね。でも、それがそういう弱さも皆が見て、またどう思うのか知りたい気もするし。それも、松阪晶子なんだよっていう」
―うん。だから、ある意味では凄く楽しめる人っていうのはその対極にある悲しさの意味を知ってる人だよね。
「ああ、うん。そう、そう」
―それがないと、ヘタするとただの脳天気だしね。
「あははは、OK、オッケーみたいな(笑)」
(とすかさずポーズを取る、トホホッ)
―おーい(笑)。要するに弱い部分も素直に出せるようになってきたということだよね、これは。
「ええ、自分も少しは成長できたのかなって。昔はどこか強がる自分があったんですね、こう、絶対頑張ってやる―みたいな。デビュー前のアマチュア時の、絶対プロになってやるってハングリーな気持ちを出し続けていたいというのが1st(アルバム)で、その頃の気持ちの総集編みたいなもので。
でも、そうじゃないじゃない?もっと曝け出していいじゃない?って出せる自分が出て来て良かったと思うんですね、この曲で。それは、もう自分で(曲を)書いて実感した。書いてとりあえずスタッフに見せるのが恥ずかしい時もあるんですよ。でも、今回は素直に出せたし、スタッフの人にもちゃんと響いたので本当、良かった」
―で、さっき「3拍子」ということを言ってましたけど、バラードだから云々じゃなくてメロディとか、サウンドのアプローチの仕方も少し変わってきましたよね。
「3拍子の曲って、どんな感じの曲だろう?って凄く興味があったんですよ。それが始まりで、それ3拍子というとつい童謡チックになりがちかポップスに走っちゃうので。そうじゃなくて、本当に純和風で、京都で着物きてPV撮ったら最高よって感じのものが出来ないかなってメロディ的に思ってて。それで、キーボードとかギターを弾いたりして鼻歌を歌ったりしているうちにイメージが段々出来上がって『あ、伝わりますか』だ、って感じで一気に出来上がったんです」
―その純和風にしたいっていうのはどういう理由からきてる訳?
「いや、今までこう、ギターサウンドで来て、別にこの曲をシングルにしたいとか、アルバムに入れようとかは全然考えて作ってなくて。
で、作りながら、今の音楽業界はラップとか打ち込みものとか機械化したものが流行ってるんですけど、素直にメロディ1本で素で歌って感動できるものがあんまりないなと思ったんですね。そういう曲を作れる人がそんなにいないんじゃないかなとも思った時に、自分が作れるかなって問いかけてみたんですよ。そうしたら自然にこういうメロディが出てきたんです。
それで、アレンジャーの人とも凄くお話もして、これ、トラックダウンに12時間も掛けてるんですよ、ああでもない、こうでもないって。
それくらい入れ込んだというか。どうしてもこれは、メロディ的にも詞的にも伝えなくちゃいけないって思いがあったという感じですね。
だから、もう曲を聴いて下さいと言うしかないし。
ほら、どこかに自分で納得のいかない部分があるとどうしても言い訳してしまうじゃないですか。そういうのが一切ないから。
もう、本当、聴いて下さいとしか言い様がないんです(笑)」
(「News Maker 1995年3月号」P78 より インタビュー・文/磯崎 雅彦)

あらためてインタビュー記事を読んで感じるのは、前作のアルバム「夢を眠らせない」の太い柱になっている魂(冒頭にも触れましたが)というのは、このシングル「伝わりますか」や、アルバム「伝わりますか」のそれとはまったく異なる視点のものなのだということです。
ここで思い出したのは「あれ(アルバム『夢を眠らせない』の楽曲)はある種『とがった部分の松阪晶子(の表れ)』だった」という、過去のインタビュー記事でのひとことでした。
そこから、「愛の手前の恋」という、ある種「人をねぎらい相手を大切に思う」というテーマが柱になっている、今回取り上げている2nd.ALBUM「伝わりますか」の間において、晶子さんご本人の中で、なにか大きな気持ちの変化があったことが窺い知れます。

ここからは、思いっきりわたしの所見ですが…
そういった、晶子さんの「楽曲におけるテーマの変化の現われ」を感じさせられるのが、1st・2ndアルバムの間にリリースされたこの「一粒のダイヤを探して」(1994年10月26日リリース)ではないかと、わたしはそう考察しています(2nd.ALBUM「伝わりますか」にも収録されています)。
では、次回は晶子さんにとって重要な「ターニング・ポイント」となった、このシングル「一粒のダイヤを探して」について、わたしなりの考察をしてみたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。