駅に掲出されているあまたのポスターをテーマに、目に留まったものについて取り上げ、あれこれ勝手に語る(妄想する?)という、このシリーズを今日はお送りしたいと思います。

こちらは、先日に所用で下車した「近鉄河内永和駅」(大阪府東大阪市)。
奈良方面へ向かう、乗り入れ先の阪神車両が通過していくところでした。
最近はなんやかんやと所用で近鉄電車に乗ることが多いわたしなのですが…


さっそく、気になるものを見つけました。「近鉄特急」です。
左の「名古屋城の金鯱」も、名古屋のシンボルとして実に堂々とした印象を受けるのですが、いずれにも「近鉄特急 アーバンライナーnext」があしらわれています。

くだんのポスター、「近鉄特急 運転開始70周年」というものでした。
現在では民鉄最大の路線網を誇る「近鉄特急」が、昭和22(1947)年10月8日に運行を開始して以来、今年で70周年を迎えるのだとのこと。


このポスター、そういえば先ほどまで乗車して来た電車内でも目立っていました。記念の節目、近鉄電車の力の入りようを感じます。


過去もそうですが、現在でもさまざまな魅力的なラインナップの車種が活躍しているというイメージがあるのですが、その中でも「看板車両」と言いますと、やはりこの「アーバンライナーnext」でしょうか。
平成15(2003)3月のダイヤ改正から2編成が主に「名阪ノンストップ特急」へ導入されたとのことで、わたしも幾度か乗車したことがありますが、乗るたびにその豪華で、快適な内装や設備に感嘆させられます。

ところで、「70年前の近鉄特急」というのはどんなものだったのか?と気になったので、手元にあったこの書籍、「JTBキャンブックス 近鉄特急 上下巻」(田淵 仁著、JTB発行、平成15年発行)から拾ってみたいと思います。
先ほど、看板列車のひとつだということで「名阪特急」の名を挙げたのですが、もともとは戦前から、大阪・名古屋方面から伊勢への速達列車の運行は行われていたようなので、読んで行きますと、それが「近鉄特急の源流」だと考えられそうです。

初代の「近鉄特急」は、先述した、戦前に速達列車として使用されていて、かつ痛みの少ない車両(戦後直後だったので)を整備したものが主に使用されていたようです。

当時の広告もこちらの書籍には掲載されていました。
「昭和22年」というと、終戦から2年後ということですから、資材や車両も、また鉄道設備も混乱し、満足の行く整備が行き届かなかった時期であることが想像出来るのですが、そんな中で運行を開始したというのは大変なことだったのではないかと思えます。
「大阪―名古屋 ノンストップ四時間」とありますが、これはちょうど現在の所要時間の倍に当たります。この当時は、大阪線・名古屋線では線路幅などの規格統一がなされておらず、途中の「伊勢中川駅(三重県津市)」での乗り換えが必要だったそうですが、それでもこの「特急列車の運転開始」というのは、実に大きなインパクトだったに違いありません。


さて、それに関連して「記念イベントの実施」や「記念グッズ」の発売も実施されるとのこと。こちらには、鉄道関係のイベントではすっかりおなじみになった、いわゆる「鉄道BIG4」の方々も出演されるようです。

そういえば、この駅では他にもこんなポスターを見つけました。
10月14日の「鉄道の日」に合わせて、毎年のことではあるのですが全国的に鉄道イベントが目白押しなので、楽しみな時期が来るのだなあと感じます。
個人的には名古屋への往復の際にはすっかりお世話になっている「近鉄特急」ですが、その70年という長い歴史、ひもといてみますと、より親近感が湧いたような気がします。
それでは、もうすこしこの「河内永和駅」構内のポスター巡り?を続けてみたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。