なにわ筋線 実現へ前進!変貌するJR難波駅周辺の鉄路を巡る その3 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

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大阪市内中心部を南北に貫き、南海・JRの関西空港へのアクセス列車「ラピート」や「はるか」が乗り入れる、という新路線「なにわ筋線」が、3月に入り、一気にその実現に向けて進みだしたという報道がなされたのですが、その新路線の拠点となる、「JR難波駅」(大阪市浪速区)周辺の鉄路を巡り、あれこれ語るということをしています。

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折りしも、昨日(平成29年5月20日)の読売大阪朝刊(一面)に「なにわ筋線」の具体的な事業案、殊に路線中間に設けられる新駅の概要などが掲載されていました。

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南(難波)側からは「JR難波駅」「南海新難波駅」(現在の南海難波駅は高架構造で、そのままでは地下へ直通出来ない構造のため、手前で分岐し地下新駅を設ける)がそれぞれの起点となり、「西本町駅」で合流、「中之島駅」を経て、「JR大阪駅」の北側に計画されている「北梅田駅」に至る(駅名称はいずれも仮称)というもので、北梅田~西本町間はJRと南海が共同で運営する形態で、2031年春に開業を目指すという記述も見られました。

都心部で需要がありそうなので、思いのほか駅数の少なさに驚きました。
関空との速達効果を狙ったものなのでしょうか。また、読売の同じ記事には…

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「…阪急電鉄も、将来的に十三―北梅田間に連絡線を敷き、(なにわ筋線へ)乗り入れる方向で4者(JR・南海・大阪府・大阪市)と協議を進める」ともあるではないですか。

阪急で以前から構想のある「十三ー新大阪連絡線」という計画なのですが、これについても、同日の朝日大阪朝刊に記事が掲載されていました。

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もともとは新幹線が乗り入れている、新大阪から阪急沿線との利便性向上を狙った計画だったとのことですが、その新大阪から十三までの区間をさらに南進させ、くだんの「なにわ筋線」と接続させようという考えのようです。

もしこれが実現すると「なにわ筋線」というのは「東京メトロ副都心線」や「都営浅草線」並みに、複数の事業者の列車が各方面へ乗り入れる路線になるのでしょうか。狭軌(JR・南海)と標準軌(阪急)といった軌道幅の違いなど、実現のためのハードルは高そうですが…夢のような話です('ω')ノ

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さて、本題に戻ります。「なにわ筋線」開通時には拠点駅のひとつになるであろう、その「JR難波駅」へとやって来ました。ご覧の通り、地下駅です。

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地図で位置関係を見ますと…このような感じです。

南海・近鉄・阪神や地下鉄の駅が集まる、難波の中心地からは少し西へ行ったところにある駅で、かつては「湊町駅(みなとまちえき)」と、名称も「難波」が入っていませんでした。

ただ、離れているとはいえ、これらの駅とは地下街では連絡していますし、同じ地下鉄でも「四つ橋線」への乗り換えでは、この駅の方が便利です。

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さて、この「JR難波駅」、ホームのいちばん後方へとやって来ました。

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ホームは2面、線路は4線、という構造なのですが、ホームの有効長が少し長く取られていて(プラス2両分くらいでしょうか)、中央の車止めのある線路の先には、どうも不自然なスペースが設けられています。

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これを違う角度から。明らかに、この先へも線路を延ばせる構造になっています。

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副本線(外側の2本の線路)を見ても、終着駅という感じがしません。

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実際のところ、その先には電車が留置されていました。
6両編成が収まるほどなので、結構な長さの線路が敷かれていることがわかります。そういうことで、JR難波駅の地下駅建設時から、この設備は「なにわ筋線」への接続を考慮していた、と言われているそうです。

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この「JR難波駅」、かつての「湊町駅」は、明治22(1889)年に大阪鉄道の駅として開業した、実に長い歴史のある駅です。

かつては、大阪の南の玄関口として、長距離を走る列車も発着していたのですが、現在では南大阪・奈良方面などへの地域輸送に徹している感があります。

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ちなみに、時系列で見ますと…
「JR難波駅」への改称 平成6(1994)年→地下化 平成8(1996)年
という、約2年のタイムラグがあります。
これについては、後日の記事で詳しく取り上げたいと思います。

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ところで、冒頭で「この駅がなにわ筋線の拠点駅となるのでは」と触れたのですが、南海からの連絡線(地図中、青線)がこの「JR難波駅」の先で合流しているからです。

逆に言うと、北側から来た列車の場合、「なにわ筋線」(地図中、赤線)から分岐する手前の駅、先ほどの報道では「西本町駅」がその乗換駅としての役割を果たすことになりそうです。

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現在では終日、近郊への快速・普通列車の発着がほとんどの駅です。

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ところで、駅構内を例によって、あちこち観察していますと…

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PC枕木の留め具に「174k928m」という記載を見つけました。
起点からの距離を記したものだと思われるのですが、ここを発着している「大和路線」の起点は「加茂駅(かもえき、京都府木津川市)なのですが、そこからでもこの距離はちょっと長いのでは…と思えます。

実は「大和路線」の正式名称は「関西本線」という名称で、さらに線路は先へと続いていており、起点は「名古屋駅」になっています。
ということで、この距離は「名古屋駅からのもの」でした。

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その「関西本線」は、現在のところ、

「大和路線」(JR難波~加茂間)
「関西本線(JR西日本)」(加茂~亀山間)
「関西本線(JR東海)」(亀山~名古屋間)

という3つの区間で分類されていて、それぞれ表情が大きく異なります。
同じ名称の路線ではあるものの、そういった点は興味深いものです。

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では、コンコース階に上がってみることにします。

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こちらがコンコース、地下1階に相当します。かなり広いつくりです。

この「JR難波駅」が地下に入っているビルは「O-CAT(大阪シティエアターミナル)」で、関西空港の開港時(平成6年)に合わせて開業したものです。この駅の地下化も、それに合わせた(実際には2年ほど遅れた平成8年の開業となった)ものでした。

では、先ほど少し触れた「2年のタイムラグ」、駅名称が「湊町」から「JR難波」へと改称されたのにも関わらず、地上駅のままだった頃の様子と、駅が地下に入居している「O-CAT」について、次回は取り上げたいと思います。

次回に続きます。
今日はこんなところです。