
少し前のことなのですが、京阪電車からこのプレスリリースがなされました。
京都とびわ湖とを結ぶ、大津線(おおつせん)の車両カラーデザインを変更するという内容でした。今日は、これについて取り上げてみたいと思います。

京阪電車の路線は、「京阪線」と「大津線」、そして「鋼索線」(男山ケーブル)という分類がなされています。
「京阪線」は、大阪・京都間を結ぶ「京阪本線」を軸に、「中之島線(なかのしません)・鴨東線(おうとうせん)・交野線(かたのせん)・宇治線(うじせん)」の5路線を、「大津線」は、京都市内と大津・びわ湖とを結ぶ、「京津線(けいしんせん)・石山坂本線(いしやまさかもとせん)」の2路線を総称したものですが、その「大津線」で用いられている車両、3形式のカラーデザインを変更することになるようです。
プレスリリースの内容から、カラーデザインが変更されるという、その大津線の3形式について見てみたいと思います。

まず、最も上のものは「800系」。
京津線で使用されている車両で、路線西端の「御陵駅(みささぎえき、京都市山科区)」からは京都市地下鉄東西線に乗り入れるものです。
そして、「600形」と「700形」は石山坂本線専用として用いられている形式です。

大津市内の併用軌道を走る800系。
京都市地下鉄東西線へ乗り入れ、太秦天神川駅(うずまさてんじんがわえき、京都市右京区)へと向かう。浜大津~上栄町間にて。
京阪電車というと、長年、通勤型車両は「緑の濃淡」の塗装で親しまれていたのですが、この形式ではそれとはまったく異なるものでした。びわ湖をイメージした水色をメインに、古くから近江地方に多く自生していたというススキの類、「刈安(かりやす)」の黄色を帯に入れたもので、明るく、目立つデザインでした。

こちらは、600形ともに、石山坂本線の主力として活躍している700形。浜大津にて。
先ほど述べましたが、長年、京阪電車で親しまれた「緑の濃淡」塗装はこれです。

ですが、京阪線系統では、中之島線開業(平成20年)や創業100周年(平成22年)を契機に、車両の新塗装化が進められました。
区間急行に充当され樟葉へ向かう、5000系の新塗装編成。滝井にて。
そういうことで、プレスリリースにもあるのですが、今回、変更されるカラーデザインというのは、現在、京阪線で走る通勤型車両を基調にしたものに揃えられることになるということです。

特急と接続のため上下急行が並ぶ。旧塗装の6000系。正月ダイヤの枚方市にて。
京阪線車両で、この旧塗装が消滅(→全車の新塗装化)したのは平成25(2013)年だったのですが、大津線では車両のカラーデザインの変更はなされませんでした。
そういうことで、かつての京阪電車のイメージを残していた大津線(殊に、石山坂本線)での姿を見られるのも、いましばらくということになりそうです。

その他にも、各路線でのマーク制定も行われるようです。
「800系(京津線)と600形、700形(石山坂本線)が同じ配色となるため…」というくだりがあります。確かに、これまでの塗装がまったく異なったものなので、「電車の色をぱっと見て行き先を認識する」という潜在的な心理?で誤乗が発生しないようにする、というのが目的でしょうか。なるほど…
イメージマークは「山とびわ湖」、大津線にぴったりのように思えます。
今年6月に新塗装最初の編成が登場、4年後の平成33(2021)年、全車両の塗装変更が完了する予定とのこと。

ところで先日、大津線に関して発表された、このプレスリリースについても取り上げたことがありました。「大津線4駅の駅名を変更」というものです。
こちらもどうぞ↓
当ブログ
「京阪電車大津線 4駅の駅名変更についてあれこれ語る 前編」
(2017年2月14日アップ)
「京阪電車大津線 4駅の駅名変更についてあれこれ語る 後編」
(2017年2月15日アップ)

車両のカラーデザインの変更、そして駅名の変更…と、京阪線に続き、大津線でも今後、その姿が大きく変化することになりそうです。
今日はこんなところです。