
少し前のことになりますが、2月25日に京阪線(京阪本線、鴨東線、中之島線、交野線、宇治線)でダイヤ変更を実施すると、京阪電車から公式なプレスリリースがありました。

大きな変更点としては、
①快速特急洛楽(らくらく)号を平日にも設定
②特急の主力車両8000系がすべて7連化される
と言った点ですが、今年登場予定の座席指定車両「プレミアムカー」に大いに関連する動向として感じられます。今日からは、この京阪線2月25日ダイヤ改正について、実に勝手な視点から掘り下げてみたいと思います。

午前に運転される、京都方面への「快速特急 洛楽」。七条にて。
まずは①からです。
「快速特急洛楽」とは、終日にわたり、設定されている特急列車よりも上位の列車種別で、大阪(京橋駅、きょうばしえき。大阪市都島区)と京都(七条駅、しちじょうえき。京都市東山区)をノンストップで結ぶ、京阪の看板列車です(運転区間は淀屋橋~出町柳駅間)。

現在、休日ダイヤでは1日5往復の設定があるのですが、それ以外にも春・秋などの行楽シーズンや、正月三が日に至っては「初詣洛楽」として、今年は1日8往復が設定されました。いずれも、午前に大阪発・午後に京都発ということで、大阪から京都への観光輸送にある種、特化した列車なのですが、これが平日にも設定されることになります。

観光に特化した列車を平日にも設定するということで、かなり踏み込んだ施策ではないかと感じられます(ただし、平日は1日2往復の設定)。試験的な意味合いもあるのではないか…と思ったりするのですが、関西空港に到着する外国人観光客層への見込みもあったりするのでしょうか(余談ですが、関空へ向かう南海電車でも、早朝・深夜帯の空港急行を増発するというニュースを耳にしました)。早朝の時間帯でも、京阪の京都に向かう列車で、トランクを持った外国人旅行客をよく見かけたりするので、インバウンド需要というのは、いまだ旺盛のようです。

②については、従来使用されている8000系特急車両を、今年内に登場する座席指定車両「京阪特急プレミアムカー」の専用車両に改造するため、該当する車両を減車する措置です。
先ほどの①でも述べたのですが、「プレミアムカー」は京阪特急に、別料金で着席チャンスを設けるというもので、今年内に運用が開始される予定になっています。すでに半分に当たる5編成では「プレミアムカー」改造のために8→7連化が行われていて、2月25日のダイヤ変更以降、しばらくの間8000系はすべて7両編成になるというものです(プレミアムカーの設定開始まではそのままと思われる)。

中之島へと向かう3000系快速急行。平成20(2008)年10月の中之島線開業にともなうデビューから数年は、主に同線直通の快速急行に使用されていた。香里園にて。
そういうこともあってか、同じプレスリリースには、同日から運転される「洛楽」にはすべて3000系車両を充てる(6編成すべてが8連)ということも掲載されていました。減車による影響を少なくするための一時的な施策と思われますが、プレミアムカー導入時、つまり8000系の改造が終了するまで、これによって車両の運用(殊に特急列車)にも変化が生じそうです。繰り返しになるのですが、プレミアムカー導入を見据え、速達列車の設定+京阪間直通客のための着席保証という、さらなるサービス向上のためのダイヤ変更であるようにも個人的には感じます。

それに関連して、ノンストップ特急である「洛楽」が設定されるため、途中駅に停車する急行・快速急行がその運転時刻にあわせて運転されるとのこと。ノンストップであるがゆえに乗車チャンスが減少する、途中駅からの利用を補佐する目的だと思われますが、こちらにも沿線観光地へのアクセスについての文言が差し込まれています。
次回は、それ以外の変更点について取り上げたいと思います。
今日はこんなところです。