
元旦、初詣の帰りに「くずはモール」(大阪府枚方市)に寄った時のことです。
こちらには、鉄道模型専門店の「ポポンデッタ」という店舗が入っていまして、来た時にはあてもなくついふらふら?と立ち寄ってしまいます。
ただ、この店先のいちばんいい位置に掲げられている、Nゲージの新製品ちらし…

それがこちら。これは!
片町線ファンの皆さまとあるのですが、これ、まるでわたしが呼ばれているかのようです。といいますか、片町線はおらが街を走っている、地元路線のひとつです。

それ以上に、この写真を見るやいなや、思わず懐かしいなあ~という気持ちに浸ってしまいました。場所はおそらく、忍ケ丘~四条畷間(大阪府四條畷市)でしょうか。
「片町線(かたまちせん)」とは、大阪市東部の京橋駅(きょうばしえき、大阪市都島区)を起点に、大阪・奈良・京都の府県境、生駒山地のふもとを経由し、木津駅(きづえき、京都府木津川市)へと至る路線で、現在では沿線の関西学術文化研究都市にちなんで「学研都市線(がっけんとしせん)」という愛称で呼ばれており、線内からは大阪市内中心部を経由の上、神戸、宝塚方面への直通列車が終日にわたって運転されています。
JR東西線開業にともない、廃止を数日後に控えた片町駅。大阪ビジネスパークから、寝屋川をはさんだ閑静な場所にあった。平成9(1997)年3月撮影。

JR東西線開業にともない、廃止を数日後に控えた片町駅。大阪ビジネスパークから、寝屋川をはさんだ閑静な場所にあった。平成9(1997)年3月撮影。
線名の由来は、かつての大阪側の始発駅、片町駅(かたまちえき、大阪市都島区)から採られているのですが、肝心のこの駅は平成9(1997)年3月のJR東西線開業に伴い廃止されてしまいました。ただ、その後も現在に至るまで、正式な路線名は「片町線」のままです。

ところで現在、その学研都市線ではこちら、銀色の207系、他には321系という形式が活躍しています。ただ、これらの車両が登場する以前、昭和末期から平成の初め頃までは、オレンジ色の103系電車が片町線=学研都市線の主力でした。
(というか、わたしが中学生頃までは、走っている形式はその103系だけでした)

当時、スナップ感覚で撮影した片町線=学研都市線で走る、103系の写真を探してみました。鴻池新田(こうのいけしんでん、大阪府東大阪市)にて。
日付をみますと、平成3年でした。もう26年も前になることに驚きです(汗)
ただ、地元の路線でありながら、意外にも手元にあったのはこれくらいでした。
「いつでも撮れる」とか「撮るほど珍しいものでない」などと思っていたのでしょうか。それくらい、当時は普通に走っていたものです。

同じオレンジ色の103系が走る大阪環状線のものはいくつかありました。京橋にて。

こちらは、右下の日付が平成6(1994)年ということなので、関西空港が開港した年です。そういうことで、メインアクセスの関西空港線が開業した際の記念ヘッドマークが取り付けられています。同じく、京橋にて。

こちらの編成には、和歌山市で開催された「世界リゾート博」のヘッドマークが取り付けられています。いずれも時の流れを感じてしまいます。こちらも同じく京橋にて。

また、大阪近辺ではオレンジ色以外の103系車両を多数、それも日常的に見られました。こちらはカナリア色103系、JR宝塚線、道場にて。
わかりにくいのですが、その側面には平成2(1990)年に大阪・鶴見緑地で開催された「花の万博(国際花と緑の博覧会)」のステッカーが貼られています。

こちらは、ウグイス色の103系。奈良へ向かう大和路線の車両です。天王寺にて。
左側の行先表示にある「湊町(みなとまち)」は、関西空港の開業に合わせて、平成6(1994)年に「JR難波」という駅名に改称されています。

こちらもウグイス色ですが、片町線に新型車両が投入された関係で、玉突き式に大和路線に移籍し、所属と塗装を変更した編成。地上時代のJR難波にて。
そういうことで、かつては、東京・大阪・名古屋などで飽きるほど目にしたこの103系電車です。現在では、その多くが新型車両に置き換えられ、全国的に見ても関西近郊、一部ではJR九州(筑肥線)でわずかに残るのみとなってしまいました。

片町線=学研都市線のオレンジ103系を全て置き換えた翌年の207系。
平成9(1997)年2月。翌3月に開業する「JR東西線開業」のヘッドマークを掲出している。京橋にて。
ごく当たり前の存在に思っていたオレンジ103系が、地元から姿を消して早や20年。
わずかに残存している環状線でもいよいよその姿を消しつつあり、その命運が見えて来たいまになって、少ししんみりとさえしてしまう気分になったりします。
自分の生い立ちの中で(地元を走る電車ということもあってでしょうか)物心つかない頃から中高生の間まで、その経過の都度、「これに乗って高校に通学した」とか「親に連れられて外出する時にいつもこれに乗った」というような、自身の成長過程の中において、わたしの場合は、実に身近な存在としてさまざまに記憶に残っているというのがこの「オレンジ103系」であったりします。
そういったことを顧みるにつけ、単に鉄道趣味的なものという観点だけでなく、この車両群に対してそういった記憶を包含していることというのは、実は大切な意味を持つものなのかも知れないですね。おおげさですが…

そういうさまざまな思いがたくさん詰まった「オレンジ103系」ということで、さっそく予約することにしました。3月の到着が楽しみです。
今日はこんなところです。