
この日は京阪電車唯一の常設展示施設、「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば)」(大阪府枚方市、京阪電車樟葉駅前「くずはモール」内)へとやって来ました。
この施設の目玉は、画像右側に見える「テレビカー」こと旧3000系車両の静態展示なのですが、それ以外では期間を限定しての京阪電車や京阪グループの各会社に関するさまざまな展示が行われています。

この日、訪問した際には「叡山ケーブル・ロープウェイ線 開業90周年」にまつわる展示が行われていました(展示はケーブルが主でした)。
今日からは、その展示の様子をシリーズで取り上げたいと思います。

京都・滋賀県境の広域地図です。
今回、取り上げる「叡山ケーブル」は黒い○付近、県境にそびえる比叡山の最も山深いところに敷かれています。
少し拡大したもの。いろいろと線を入れてみたのですが、これを左から見て行きますと…
紫色…叡山電車本線(出町柳~八瀬比叡山口)
赤色…叡山ケーブル(ケーブル八瀬~ケーブル比叡)
黄色…叡山ロープウェイ(ロープウェイ比叡~比叡山頂)
茶色…比叡山内シャトルバス(比叡山頂~東塔)
(徒歩)東塔~ケーブル延暦寺
青色…坂本ケーブル(ケーブル延暦寺~ケーブル坂本)
緑色…江若バス(こうじゃくバス、ケーブル坂本~京阪坂本~JR比叡山 坂本)
と連接しており、都合「京都市内(出町柳)~比叡山~びわ湖」という「比叡山横断ルート」を形成しています。そのルートの一端を担っているのがくだんの「叡山ケーブル」、という訳です。
「叡山電車 八瀬比叡山口駅」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
「京阪電車鴨東線 開業25周年記念乗車券」で行く「えいでんまつり」 その5
(2014年11月1日アップ)
「坂本ケーブル」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
「SANZEN-HIROBAを訪ねて その53」(2015年7月20日アップ)

「日本一の高低差561m」というくだりがありますが、比叡山のうち「大比叡」と呼ばれるこのケーブル・ロープウェイが運行されている付近の標高は「848m」だそうです。標高のかなりの部分を昇降する急こう配の路線ということが伺い知れます。

それでは、さっそく展示を拝見してみたいと思います。

まずは、こちらのパネル展示から。

大正期に描かれた鳥瞰図です。方角がなかなかつかみにくいのですが、正面中央から左手へ延びる山々は比叡山、手前下が比叡山の京都側入り口である「八瀬(やせ、京都市左京区)」です。
中央に流れている川は「高野川(たかのがわ)」。
その手前に終着駅として「八瀬駅(やせえき、現在の叡山電車八瀬比叡山口駅)」が
ありますが、そこから高野川を渡ったところに「西塔橋駅(さいとうばしえき、現在のケーブル八瀬駅)」が存在していることがわかります。
ちなみに、この高野川を京都市内方向(地図では右方向)へたどりますと、「出町柳(でまちやなぎ、京都市左京区)」付近で賀茂川と合流、「鴨川(かもがわ)」となります。

ところで、この「叡山ケーブル」が開業したのは大正14(1925)年でした。
山の下に位置するのが先ほど取り上げた「西塔橋駅」です。

そして、ケーブルカーが登って行った山の上にはこの「四明ヶ嶽駅(しめいがたけえき)」がありました。現在では「ケーブル比叡駅」と改称されていますが、この絵はがきを見るにつけ、その背景にすがすがしさ(駅舎の裏はすぐ急斜面!)を感じます。

こちらは初代車両。正面の5枚窓と、のっぺりした顔が特徴的ですね。
しかし、線路の勾配ぐあいがすごいです…

こちらは2代目車両だそうです。初代のそれと比べますとかなり近代的ですね。

よく見てみますと、車両中間部が開放構造になっています。夏は涼しいでしょうね
(逆に、冬季は降雪のため運休するとのこと)。

そして、こちらが現在の車両。ユーモラスな顔つきです。
しかし、車窓の紅葉がきれいです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。