みなさんこんにちは。
「江若鉄道(こうじゃくてつどう)の思い出」展を拝見しています。

精巧に再現された「ジオラマ」が大変印象的な展覧会でした。
はるばる「びわ湖」までやって来た甲斐がありました。
「さて、帰路にミュージアムショップへと立ち寄ってみようか知らん」と、階段を降りようとしたところ・・・

こちらにも「ジオラマ」があるではないですか!これはうれしい。

「湖が見える小さな駅」、といったところでしょうか。絵になりますね。
「白鬚駅(しらひげえき、現在の滋賀県高島市)」という駅です。

駅は「ホーム1面・線路2線」。列車の行き違いが出来る構造です。

「浜大津ゆき」の列車が停車しているのですが、なによりこの「線路のそばまで波打ち際が来ている」ということに驚きます。
「湖」なので激しい波などはないのでしょうが、荒天の際などには大丈夫だったのかなどと少し心配になります。



「江若鉄道」は、現在では「JR湖西線」がその役目を果たしており、かつての「江若駅」を代替する形で、比較的短い駅間距離で駅が設置されていることが特徴なのですが、この「白鬚駅」周辺には代替駅がありません。
「湖西線」はこの「湖畔に沿った区間」を経由せず、山側の「高島トンネル(全長1.498m)」を抜けて先へと向かっています。
ルートがトレースされていないのは、「白鬚~白鬚浜間」では「山と湖の狭隘なところを縫うように線路が敷かれていたため」、と地図から推測されます。

しかし、抜群の眺めですね。近くには「白鬚水泳場」があり、シーズンは大変な賑わいだったそうです。このような駅に、一度は降り立ってみたいものです。

「白鬚駅」を出ますと、湖畔のカーブ沿いを走るのですが、突如として湖面に「大鳥居」が現れます。これはびっくりです。

線路上からではこんな感じ。「大鳥居」に「松林」、そして「小船が浮かぶ湖畔」‥このような風光明媚な風景は、あまり見たことがありません。
近くの「白鬚神社」のものだそうです。

さて、「江若鉄道」はまだこの先へ進み、地図上では「びわ湖」を「3分の2」ほど北上した「近江今津駅(おうみいまづえき、滋賀県高島市)」が「終着駅」でした。


現在では「JR湖西線」がその代わりを果たしています。
ところで、この度取り上げている「江若鉄道」という社名の由来は、もともと「近江(滋賀)と若狭(福井県南部)」とを結ぶ計画があったためです(現在は「江若交通」と改称の上、路線バスの運営に当たっています)。
「鉄道線」はここ「近江今津駅」が終点になり、社名に込められた「江若連絡」を実現させることは出来なかったのですが、そもそもはここ「近江今津」から進路を西へ変え、「上中(かみなか、福井県三方上中郡若狭町)」までを結ぶ計画がありました。

広域地図で見てみますとこのような感じです。
「近江今津・上中間」は直線距離で20kmもありません。
「上中」の西には昨今、「北陸新幹線の延伸ルート計画」報道で一躍浮上した「小浜」(おばま、福井県小浜市)があり、ちょっと工夫すれば路線を延ばすことが出来るようにも思えます。
実際、この「若狭地域と湖西とを結ぶ新線構想」も存在しているようです。
現在、この区間には「JRバス」の「若江線(じゃくこうせん)」が運行されており、「鉄道」では実現しなかった「江若連絡」を担っています。
次回に続きます。
今日はこんなところです。