みなさんこんにちは。
「碓氷峠鉄道文化むら」(群馬県安中市)の訪問記です。
歴史的に貴重な車両群を間近で観察することが出来、大変意義深い訪問でした。
名残惜しいのですが、そろそろ「横川駅」へと戻ろうとしたその道中…

こんな案内板がありました。「鉄道車両記号の付け方」なるものです。

「鉄道路線」で使用されている車両には必ず「車両番号」なるものが付けられており、その番号は重複することはなく、それぞれ独自のものを持っています。

凡例を見て行きますと、実にさまざまな「記号」がありますね。
しかし、実際にどのような「付番方法」がなされているのか、ということについて「電車」を例に挙げてみたいと思います。

「文化むら」内に展示されていた「特急用車両」の「189系」です。
この車両には「クハ189-506」という記号・番号が振られていますが、これをひもといてみますと・・・
(記号①)(記号②) (形式番号) (車両番号)
ク ハ 1 8 9 5 0 6
と分割出来ます。
(記号①)は「車種」を示します。
ク・・・制御車(運転台付きの車両。他の車両に「くっついて走る」ことから「ク」、または「制御=コントロール」が転訛した「クウォントロール」の「ク」から、など諸説あり)
モ・・・電動車(モーターが付いている車両。「モーター」の「モ」から)
サ・・・付随車(運転台も、モーターも付いていない車両。「ク」や「モ」の間に挟まれて連結されることから、「編成の中に挿し込む」の「サ」)。
(記号②)は「使用目的」を示します。
ハ・・・普通車両
ロ・・・グリーン車・A寝台車両
ネ・・・寝台車(「寝る」の「ネ」)
シ・・・食堂車(「しょくどう」の「シ」) など。
(形式番号)の一桁目は、
1~3・・・直流専用
4~6・・・交流・直流兼用
7~8・・・交流専用
9・・・試験車両
二桁目は、
0~3・・・一般型車両
4・・・事業用
5~8・・・特急・急行用車両
9・・・試作車
(車両番号)は、それぞれの形式における「分類のための管理番号」です。
ということなので、この方式に従って判読しますと、「クハ189-506」とは・・・
○運転台付き(ク)。
○普通車両(ハ)。
○直流専用車両(1)。
○特急・急行用車両(8)・・・
ということがわかります。

わたしが通勤で利用している路線で使用されている車両の番号を写して来ました。
「クハ206-1002」
ですので、「運転台が付いている普通車両」で「直流専用の一般型車両」です。

隣の車両は「モハ207-1004」でした。
「モーターが付いている普通車両」で「直流専用の一般型車両」です。

こちらは「クモハ」という記号が振られています。
「運転台・モーターの両方がついている普通車両」ということになります。

こちらの車両は「サハ」。「運転台、モーターともに付けられていない車両」です。
ところで「運転台が付いていないと運転が出来ない」のは当然なのですが、「モーターがないと電車は自走出来ない」ので、上の5つの中で「1両になっても自走出来る車両」は「クモハのみ」、ということになります。
また、「ク・モ・サ」の下に振られる記号で「ハ」というのは「普通車両」という意味なのですが、「普通車両」とは呼ぶものの「通勤用車両のみ」を表しているものではなく、「グリーン車・A寝台車」と「それ以外の車両(普通車指定席・自由席)」という分け方をしています(ちなみに、前者では「ロ」という記号が振られます。かつて「1・2・3等」と区分されていた時代の記号、「イ・ロ・ハ」に由来するもの)。
なかなかややこしいですね・・・
次回に続きます。
今日はこんなところです。