京成電鉄で巡る 東京・下町散策 その8 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。
「葛飾柴又」にあります、「寅さん記念館」を訪問しているところです。

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記念館の中に精巧に再現された、寅さんの実家「くるまや」さん。
実際に撮影に使用されたセットを、松竹大船撮影所から移築したものだそうです。

では、お店から家の中に入ってみましょう。

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のれんをくぐりますと、毎度おなじみ、一家団欒が繰り広げられる「茶の間」があります(正面のスクリーンの奥は「仏間」です)。
左端に寅さんのカバン、帽子、腹巻が置いてあるので、旅先から帰って来ているのでしょうか。

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茶の間の奥、テレビの左側が寅さんの指定席です。

そこから時計まわりに
博(諏訪 博、さくらの夫。前田 吟)
さくら(諏訪 さくら、寅次郎の腹違いの妹。倍賞 千恵子)
おばちゃん(車 つね、竜造の妻。寅次郎とさくらのおば。三崎 千恵子)
おいちゃん(車 竜造、「くるまや」主人。寅次郎とさくらのおじ。下條 正巳)
満男(諏訪 満男、博とさくらの長男。吉岡 秀隆)
の順で、席が決まっているようです。

ちなみに、タコ社長(桂 梅太郎、隣の「朝日印刷所」社長)は、茶の間の縁に座っているシーンが多いです。

この「茶の間」は、「くるまや一家」の団欒の場所であるとともに、柴又へ帰って来た寅さんの「独壇場(妄想を披露する場?)」でもありまして、背景にある小物類(黒い○で図示した「地球儀」や「だるま」)も「重要な小物」として登場しています。

第41作「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」(1989年8月5日公開)では、「寅次郎が旅先で出会った、投身自殺を図ろうとした心身耗弱のサラリーマン・坂口 兵馬(柄本 明)を助けたことから、「兵馬の長年の夢だったウィーン旅行に寅さんが付き合わされようとする」というストーリーなのですが、柴又へ帰った寅さんが、この茶の間に集まった家族から、

「その恰好じゃ通用しないぞ外国じゃ」(おいちゃん)
「ハワイとかグアムと違って、日本語がまったく通じないのよ」(さくら)
「朝はパンとコーヒー」(満男)
「音楽の都ですよ、モーツァルトなんか興味ないでしょ」(博)

などと、言いたい放題に詰問されています。
挙句の果てには「いい年をして人のお金で海外行くなんて!」(おばちゃん)
と、とどめを刺され、結局、寅次郎は「ウィーン行き」を断ることにするのですが…

続きは、実際の作品をご覧になってお楽しみください。とてもおもしろい作品です。

さて、本題の「地球儀」ですが「ウィーンがどれほど遠いのか」ということを寅次郎に教えるために、満男がこれを使うのですが…

(満男)(寅次郎に地球儀を指さし)ここが日本だよ。
(寅次郎)日本?柴又どこだ?
(博)そんなことどうだって良いんです。ウィーンがどれほど遠いかということを…
(満男)(日本からウィーンまでを、国名を挙げながら辿って行く)
(寅次郎)案外近いじゃないか。
(満男)だって!これが地球だよ!
(寅次郎)地球?地球ってこんなに小さいのか?
(満男)だって…
(博)(満男に小声で)無理だ。
(寅次郎)(自分に関係ないような感じで周りに)無理だって。

という感じで、役にたっていないようです(>_<)

余談ですが「寅さんが旅先で兵馬からウィーン行きを打診されあっさり承諾した訳」というのも「実にトンチンカンな聞き間違え」が発端でした。詳しくはこちらもどうぞ。

当ブログ↓
「JR九州 全線完乗への道!その23」(2015年4月9日アップ)

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このような「笑いの場」が繰り広げられる「くるまやの茶の間」ですが、しっかりとその歴史(?)がボードになっていました。

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先ほど取り上げました「寅次郎 心の旅路」。「地球儀」もあります。

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炊事場の奥には、2階への階段があります。
覗いてみると結構な段差があるのですが、寅さんはひょうひょいと上ることが多いように思います。

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階段の横には、おいちゃん・おばちゃんやさくらさんが草だんごの仕込みをしたり、博さんが昼食を摂っているテーブルと、緑色の椅子。

映画ではこのアングルのものはあまり見かけないので移動しますと…

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そう、この角度です。このアングルでなら見慣れています。

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土間の隅には昔ながらの台所もあります。こちらの備品も実に細かいですね。
おばちゃんが得意の「がんもどき」を作ったりしていたのでしょう。

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別の場所には「くるまや」の模型がありました。位置関係がよくわかります。
作中にはあまり登場しない部屋(店舗左側の小上がり、茶の間左奥の仏間)の様子もよくわかります。

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2階です。こちらは、手前の部屋以外はあまり登場しません。
その手前の部屋は「寅さん用」になっているようで、本人が昼寝中ですね。

寅さんは年に数回しか柴又に帰らないので、この部屋を下宿として他の人に貸し出している作品がいくつかあります(→そんな時、折悪く、いつも寅さんが帰って来て問題になっています)。

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隣の「朝日印刷所」から「くるまや」を俯瞰したところですね。丸見えです(笑)

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と言いますか、その「朝日印刷所」のこの「工員住宅」から「くるまや」を覗いているのが他ならぬ、さくらの夫、博です。
そこから、「独身時代のさくらの部屋が丸見え」だったそうで、博がさくらに一目惚れしたのがきっかけで結婚したというのが「第一作目」のストーリーになっています。

次回に続きます。
今日はこんなところです。