みなさんこんにちは。前回からの続きです。
「くずはモール」内にある「SANZEN-HIROBA」で期間限定展示されていた、「歴代
ヘッドマーク」を拝見しています。

今日はこの3枚をご紹介したいと思います。

まずはこちら、「2枚でセット」となっているこのヘッドマークから。
平成14(2002)年秋に運転されていた、「交野線直通」の「きさいちハイキング号」の
ヘッドマークです。
「交野線」は、京阪本線の枚方市駅から分岐し、生駒山系のふもと、私市(きさいち)
までを結ぶ、6.9kmの路線です。
もとは「枚方~私市~生駒~王寺」を結ぶ計画を立てていた「信貴生駒電鉄」の「枚方線」として昭和4(1929)年7月に開業し、「交野電気鉄道」を経て、昭和20(1945)年
5月に「京阪神急行」(当時の国策で強制的に合併させられていた「京阪」と「阪急」)に合併されました。
ちなみに、「生駒~王寺」間は現在の「近鉄生駒線」となっていますが、この間、「私市~生駒」間の建設は、山岳・急勾配区間が予想されたため、現在に至るまでこの
区間は建設されずじまいとなっています。
昭和30年代までは全線単線で、1両編成の電車がとぼとぼと田畑のなかを走るローカル線でしたが、昭和40年代からの高度経済成長で沿線の開発が進み、現在では
全線複線化、10分おきの運転が行われています。
また、南に並行する「JR学研都市線」との競合も激しくなっており、近年では通勤輸送に力を入れているという現状です。
ちなみに、わたしが小学生の頃には、「交野線沿線」というと「いちご狩り」とか「いも掘り」を想起させられるもので、その度には幾度もこの「交野線」に乗車した記憶が
あります。
当時はまだ「単線区間」が残っていて、「なんともローカルやなあ」と思った記憶があります。

この「星のブランコ」とは、終点の私市駅からさらに南下したところにある「大阪府民の森 ほしだ園地」の名物である「吊り橋」のことで、紅葉の美しさでは、大阪府内でも著名なところです。
それ以外にも、気軽にハイキング・散策が楽しめるスポットでもあります。

この時期に運転されていた「きさいちハイキング号」は、この行楽客の輸送目的として設定された「臨時列車」で、「私市ゆき」の停車駅は「北浜・天満橋・京橋・枚方市・交野線各駅」と、「特急」並みの停車駅でした。
ところで、「ほしだ園地」など、さまざまな観光地が点在している「交野線沿線」ですが、大阪方面からの行楽期の「臨時列車」は1960年代にいくつか設定されており、昭和43(1968)年に運転された「きさいち号」を最後に設定されていませんでしたが、この「きさいちハイキング号」の設定はおよそ30数年ぶりの「直通列車」の設定とな
りました。

京阪電鉄開業50周年記念誌「鉄路五十年」(昭和35年発行)のカラーページです。
ここには、当時運転されていた列車に掲示されていた「ヘッドマーク類」のイラストが
掲載されています。

その中に、「いわふね 大阪 私市 直通」というヘッドマークのイラストがありました。
これが、先述の「1960年代に設定されていた直通列車」に使用されていたものと思われます。
「いわふね」とは、沿線の「磐船神社」に由来するものと思われます。
詳しくはこちら↓
Wikipedia 「磐船神社(交野市)」
この「きさいちハイキング号」の運転終了後の平成15(2003)年9月、「京阪本線」から「交野線」への定期直通列車、「K特急 おりひめ」(平日朝ラッシュ時の淀屋橋ゆき)と「準急 ひこぼし」(平日夕ラッシュ時~夜間の天満橋発私市ゆき)の運転が
開始されました。
これは、先述した「JR学研都市線」との競合を意識したものと思われますが、「交野
線各駅」のホーム長さが「最大5両」に制限されている影響で、本線でも「5両」で運転
せざるを得ず、輸送力に問題があったこと、また、「京阪本線」と「交野線」の分岐駅である「枚方市駅」では、大阪方面から「本線」を走行して来た上り(京都方面)列車が「交野線」の列車が主に発着する「5番線」に入線する際、下り(大阪方面)の線路を支障するため、ダイヤ組成上で制限が生じる、などの問題があり、平成25(2013)年3月のダイヤ変更に伴い、直通列車は全廃されてしまいました。
「おりひめ」「ひこぼし」号については、後日、項を改めて取り上げたいと思います。

続いてはこちら。「源氏物語ウォーク号」のヘッドマークです。
「□型」のヘッドマークは、京阪では珍しいものであると思います。
掲出期間は平成19(2007)年11月18日、「8000系特急車」に掲出されていたもの
とのこと。
確か、京阪の広報誌「くらしの中の京阪」で募集されていた「ハイキング行事」に
関連したものだったかと記憶しています。
最近は、このような「沿線イベント」にちなんだヘッドマークも増加していて、趣味
者の大きな撮影対象となっているようです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。