寝落ちにならない程度の庭仕事? | 無精庵徒然草

無精庵徒然草

無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

 ← トニ・モリスン作『タール・ベイビー』(藤本和子訳 ハヤカワepi文庫)「ノーベル賞作家が描く、(中略)白人の庇護のもと育った娘と、黒人に囲まれて育った青年。カリブ海の島で出会った黒人男女の激しい恋のゆくえ──」

 

 下記したように2日は例によって午後の四時半過ぎから庭仕事。今日のメインは裏の庭と車道沿いの生垣やドブ掃除。暗くなるまでじゃなく、七時過ぎで区切りのいいところで作業を終えた。だからか、極端な寝落ちにはならなかった。読書もセブ・フォーク 著『アストロラーベ 光り輝く中世科学の結実』(松浦 俊輔 訳 柏書房)も含め、少しははかどった。

 

 トニ・モリスン作の『タール・ベイビー』を2日(水)に読了。『青い眼がほしい』や『「他者」の起源 ノーベル賞作家のハーバード連続講演録』に続く三冊目。

青い眼がほしい』の感想では以下のように書いた:本当に人種差別自体の構造や問題点を摘出するためには、黒人も人間であり、ずるかったりワルだったり黒人同士での争いだったり、特に本書では女性、それも生理前後の少女の視点から黒人少女らの複雑な心理模様をつぶさに描かないといけない。となると、ありがちなプロテスト文学とは手法自体から構築しないといけない。著者は表現にかなり苦労したようだ。読む吾輩にしても、どこまで理解できたか覚束ない。が、インパクトは強烈である。

 本作『タール・ベイビー』は、我輩には一層、理解が難儀だった。「タール・ベイビー」は、白人社会で生きる黒人に伝わってきた口承の話なのだが、それもいつしか本来の筋が見えなくなっている。黒人が黒人である拠って立つ場が見えなくなっていることでもある。あるいはそれぞれがそれぞれにこだわりを持ち、己に誠実であろうとすれば相互に激しく齟齬対立してしまう。

 トニ・モリスンの表現世界は深甚で錯綜している。紋切り型の理解などあっさり跳ね返される。心して読むべし。

 

 ← PR誌『本郷』最新号(166号) 「新刊の著者や文化人による、書き下ろしエッセイを、多数掲載」

 

  PR誌『本郷』最新号(166号) を2日(水)夜半過ぎに通読終了。

 例によって書店で貰ってきたPR誌。勿体ないので読書メーターに登録して通読。出版案内も漏らさず。どの稿も面白い。日本の歴史研究がこのようにして地道に積み重ねられている。そのほんの一端でも触れられたらいいのだが、そうもいかないだろう。

 せめて以下、目次だけ示しておく:

最新号の目次

 ミュージアム・コレクション
徳川家康書状 どうする家康?秀吉との戦況を織田信雄に尋ねる
鈴木 将典(静岡市歴史博物館学芸員)

百話百言  オンラインで防災会議
北原 糸子(日本災害史)

代数問題にみる井伊家
野田 浩子(日本近世史)

「人からみる」大名家
根本 みなみ(日本近世史)

〈文化財〉取材日記 二条城との奇縁
日山 正紀(京都新聞社報道部編集委員)

藤原実資の配偶者と『小右記』の表記
倉本 一宏(日本古代史)

世界標準をめざした飛鳥時代
重見 泰(考古学)

平安京はブラックな職場か? ―貴族社会を支えた下級官人―
井上 幸治(平安時代史)

江戸東京今昔めぐり 第41回 古代東海道と立石③
モリナガ・ヨウ (イラストレーター)

歴史地震をまなぶ 第8回 正応六年関東地震の被害
片桐 昭彦(日本中世史)

歴史のヒーロー・ヒロイン ソフィスト 流動的状況における思考のモデル
安西 洋之(ビジネス+文化のデザイナー)

乱世の闇に忍びの行方を探る
岩田 明広(考古学)
 
日本の第一次世界大戦参戦と対独戦を考える
飯倉 章(国際関係史)

 

 今日も庭仕事。夕食……あとは読書……寝落ちかな。 (08/02 21:20) 

(頂いたコメントに)今晩は! タチアオイ、見付からないです。というか、花らしい花がありません。よく言えば緑一色の単調な庭です。画像に残したい花はなく、アゲハチョウの姿は幾度も。耳には蝉の鳴き声。 (08/02 23:02)

 

 真梨 幸子作の『孤虫症』 (講談社文庫)を読み出した。初めての作家。何だってこの小説に手を出した? 読メのお陰? 人気あるんだね。読み手の好奇心をうまく擽って頁を捲る手を焦らせる。上手い書き手。 (08/02 23:18)