きゃりーぱみゅぱみゅ様には「分らない」と言って欲しい。「パパが遺した物語」ネタバレなし、前半は。 | きゃりーぱみゅぱみゅ様がスキすぎてキレそう

きゃりーぱみゅぱみゅ様がスキすぎてキレそう

とにかくきゃりーぱみゅぱみゅ様が好きなのである。神が与えてくれた希望なのである。
チャーリー・パーカー様と共に、ワタクシの二大恩人なのである。

Netflixには、今評価システムがあって、いい、悪いを選択していくと、どうもNetflix側が自動的にお勧めするものを選んでくれる。

 

これはSpotifyにもあって、そこでMOROHAさんに巡り合ったりして、なかなか侮れない代物なのだ。

 

それでお勧めされたのが「パパが遺した物語」という映画。このベタなタイトル。タイトル見ただけで大筋が分かってしまう。

 

しかしまあ、そこは流石に現代の映画。時間をテレコにし、ながら見などは許さない(そんな映画の見方はないが(笑))、ちゃんと見ないと訳が分らない程度には集中させてくれる。

 

ただ二つの時間が平行になっているのではなくて、場面場面、つなぎ方も自分で解釈できるので、いくらでも自分で膨らませることもできる。

 

憧れの'父親と娘'の話。予告篇見るだけでももう大概分かっちゃうんだけどね。 だけど、全編見たあとでこの予告篇見ると、もうそれだけで涙ボロボロでちゃうよ。

 

それほどもうボロボロ泣いた。涙腺崩壊っていうけど、涙腺無くなった。いや、無くなったら涙でないのか。(笑)

お父さんと娘の一つ一つのやりとりに泣いて、盛り上がりで泣いて、ラストで泣いて。恥ずかしいから布団被って見てたよ。

 

ちょっと古い映画だし、情報弱者のワタクシが知らなかったのは無理もないが、きっとネットでは絶賛の嵐だろうと思って見てみたら、意外にも、全然そんなことなかった。

 

例えば、自分とはまるで意見が違うけど、それでもすごい真摯な感想が、

こちら⇒【映画】パパが遺した物語 ネタバレ 感想

ちなみに、親切に「ネタバレ」って書いてある通りに、完全にネタバレしてますので、ご注意を。

 

ほかもいくつか読んだけど、だいたいのところ、あまり良くなかったという感想は、この娘さんの行動が理解できない、という意見が多かったように思う。

 

ああ、やっぱり人間って、自分の体験してないこと、想像したくないことは分らないんなんだなあって思った。

 

自分は男だけれど、もしも女だったら、絶対にこの主人公の娘さんと似たような感じになってたと断言できる。

 

でも、これは、幼少時、父親や母親を実質失くしたクラスの体験がないと分らない喪失感かもしれない。それに恐怖。

 

自分の場合は、物心ついた時には既に片親だったので、正直なところ、子供時代は全く寂しいと思ったことは無かった。

むしろ、年を取るにつれて、父親との思い出がないことが強烈に襲ってきたりした。

 

よく、神様は、乗り越えられる試練しか与えないって云うけど、やっぱり試練に押しつぶされる人も居るし、ずっと必死でもがいている人も居る。そしてもちろん、見事に立ち直って前を向いて歩いて行ける人も。

 

本来は、他の人がどう思うのかはあんまり興味ないし、触れないでおくんだけど、この映画の娘さんの行動が理解できない、という人は、本当に幸せな人なんだな、と思う。

 

これは決して皮肉なんかではない。ほんとに。

 

自分の大切な人には、この娘さんの行動は、分らないって言ってほしい。

一人になることへの恐怖から、大事な人をも裏切ってしまう。そんな間抜けでバカで救いようのない心境、弱さ。絶対に理解しないで欲しい。理解できないって言って欲しい。

 

だから、きゃりーぱみゅぱみゅ様には、この映画を絶対に誉めないで頂きたいっっっ。「わかんな~~い」って言ってほしい。永遠に。

 

てなことで、すいません。最後に、ネタバレな感想書き残しておきます。未見の方は、ここまでで。

 

 

 

 

 

 

 

お父さんは、自分が長くないって分かっていたと思うんだけど、それでも、必死で娘を側におくために闘って(ある事情で親権を失いそうになる)、更に最後の作品を遺す。(お父さんは超有名作家)。

その作品が文学賞総なめだったとか超名作だったとか、映画らしい美談すぎてちょっとと思わないでも無かったし、正直、娘にさえ伝わればいいのに、とは思ったけど。

 

でも、そうすると、ラストのラスト、娘さんが救われるシーンに繋がらないんだった。

誰一人本気で愛せず、それはつまり、愛した人は必ず去っていくと思っているから、逆に、去って行ってもいい、刹那的な関係にだけ癒しを求める。

 

そこに、お父さんの作品を読んだ青年が現れて、彼女と付き合う。

それでも彼女は、愛してる彼を裏切ってしまうんだよね。

 

彼は、彼女を理解しようと努力していたけれども、過去は過去と割り切って彼女を愛してたけれども。

これだけでも実は既に相当な男前だ。どの程度の過去なら許せるか、という問題にもなるけど。

それでも、過去は過去だ。当たり前だけど、目の前の裏切りはどうしても許すことができなかった。

 

そりゃそうだ。

 

そして彼は彼女から去ってしまう。分かるけどおおお。そりゃ当たり前だよ。ちくしょ。

 

ワタクシ、ここ見てたとき、画面の彼女に、

 

追いかけろ、追いかけろ、許してもらえるまで絶対に諦めるな、追いかけろって、祈ってました。

 

平行するサブストーリーがあって。

心理学を学んでいる彼女、心を閉ざした少女のカウンセリングをするんですが、その少女に、どんな辛いことがあっても前を向いて進んでって言うの。

 

自分に対しても言ってるんだよね。

 

難しいとは分かっていても、本当はそれが絶対に必要なことが分かっているから。

 

彼女は勇気を振り絞って、もう一度彼のところに行って、正直に思ってることを打ち明けます。

 

(ブルース・スプリングスティーンのDownbound Trainそのものだったよ。)

 

でも、彼の部屋には新しい女の人が居てて・・・・。

 

このあまりにもありがちなパターン。いい加減にせえよ。

 

それでも、彼女、ここでお礼言うんだよね。ワタクシの涙腺完全崩壊。

 

頼むよ。

 

ここで終わらないで。

 

映画だというのにかみさまに祈るワタクシ。

 

最後、彼女を救ったのは、やっぱりお父さんだったんだって思う。

 

普通はきっと無理でしょう。真面目に真摯に対峙していればこそ、好きだからこそ、許せないことがある。

 

「パパが遺した物語」があったからこそ、そしてそれを彼が読んでいたからこそ、のラストシーンだった。

 

なんて美しいラストシーンでしょ。

 

途中、パパ死なないでと泣く娘さん見て泣き、パパは死なないと約束する姿見て泣き、パパが倒れては泣き、葬式で大泣きに泣いていたワタクシ、最後も懲りずに泣いてたけど、最後だけは祝福というか、安堵の涙やったよ。

 

本当に良かった。

 

「パパが遺した物語」

 

原題 Fathers and Daughters
製作年 2015年
製作国 アメリカ・イタリア合作
配給 ギャガ
上映時間 116分
 
 
   

☆☆☆☆☆

★★★★★

 

要するに、フルマーク、満点です、きゃりーぱみゅぱみゅ様。

繰り返しますけど、きゃりーぱみゅぱみゅ様は「わかんな~~い」って言って下さいよ、絶対。

 

 

 

 

 

☆マークは、楽しんだ度を5段階で。

★マークは、再び見たい度を5段階で表しております。

基準は以下。

☆ 映画が見られる平和な世の中なだけでとりあえずは幸せ
☆☆ 単なる動く絵を越えて迫ってくるものは確かにある
☆☆☆ お~、なかなかいいじゃん。
☆☆☆☆ 幸せな時間を過ごした。映画って素敵。
☆☆☆☆☆ めちゃめちゃいいじゃないの。きゃりーぱみゅぱみゅ様には及ばないけど。

★ 再び見るには、きゃりーぱみゅぱみゅ様の絶賛が必要。
★★ 再び見るには、きゃりーぱみゅぱみゅ様の支持が必要。
★★★ 再び見るには、きゃりーぱみゅぱみゅ様の興味が必要。
★★★★ おっ。興味あり。きっともう一度は見るであろう。
★★★★★ 残り少ない人生の貴重な、かつ新しい音を探求する時間を割いてでも見る価値あり。きゃりーぱみゅぱみゅ様には誰も叶いませんけど。