現代医学の世界では、患者さんの症状に合わせた投薬が行われますが、
中医学では同じ症状でも、患者さんの体質が違えば、処方される薬も変わります。
このことからも、現代医学を「木を見て森を見ず」という言葉で例えられます。
中医学では、「弁証論治」と言って、ただ単に鍼灸や漢方薬を処方するのではなく、「弁証」に基づいて治療の方向性である「治療原則」を確定し、これにしたがって具体的な治療法を決定していきます。
「弁証」とは、病気の要因を含めた病気全体の総合的な分析をすることで、
「弁証」に基づいて、具体的な治療法を決定していくことを「論治」と読んでいます。
現役医学では診察時間が短くなるのは仕方がないですが、診察時間が5
分、10分という短時間で、目の前の患者さんに起きているカラダの不調を全て解明するのは困難であり、やはり、対症療法にならざる得ないという現状があります。
では、中医学が西洋医学より優っているのか?
と言えば、
わたしは、そんなことはないと思います。
これは役割が違う、
西洋医学でできて、西洋医学ができないことがあるのなら、
中医学でできて、中医学でできないこともあるのだと思います。
まずは、カラダに不調が起きた時、
西洋医学で明確な診断がつく
採血やレントゲン、MRI、CT、内視鏡などの検査を、必要に応じて受けて、
どこも異常は見つからなかったとなったら、
中医学からのアプローチを考えてみるのも良いと思います。
もしかしたら、西洋医学でわからなかったカラダの不調が、
中医学で解決できるかもしれません。