【亡き妻と通った宿】12年の時を経て今も心に残る、熱い温泉と絶品ローストビーフの記憶
妻が生前、誰よりも愛してやまなかったあの温泉宿へ最後に足を運んでから、気づけば12年という月日が流れました。初めてその暖簾をくぐったのは、彼女が旅立つほんの一年前のことでした。それからというもの、居心地の良さに魅せられて、短期間の間に何度も夫婦で車を走らせたものです。◇小さな宿ならではの家族経営の温かい空気感に包まれながら、ゆっくりと過ごす時間は私たちにとってかけがえのない宝物でした。何より忘れられないのが、体の芯までじっくりと温めてくれる少し熱めのお湯です。最初は思わず足がすくむほどの湯加減でしたが、不思議と一度浸かってしまえばすっきりと爽快で、湯上りの火照った体にしみじみとした心地よさが残りました。◇そして、旅の最大の楽しみといえば、やっぱり食の贅沢にほかなりません。どの品も丁寧な仕事ぶりが伝わってくる味わいでしたが、中でも心を奪われたのが貴重な尾花沢牛の一品でした。特に、口の中でとろけるような絶品のローストビーフは、今思い出しても思わず笑顔がこぼれてしまうほどの美味しさです。◇今はもうしばらく遠ざかったままですが、あの時と変わらぬ湯煙と温もりが、今でも時折、優しく背中を押してくれるような気がしてなりません。またいつの日か、あの懐かしい空間に身を委ねる機会が訪れることを、ひそかに楽しみにしています。皆さんは、時が経ってもなお心から「また帰りたい」と願う、思い出深い場所はありますか?『【7年前の記憶】父と入った温泉と、背中を流した「最後の日」』あれから、もう7年の月日が流れてしまいました。両親を連れて出かけた、山梨・石和温泉の夜の記憶です。石和温泉を訪れるのは、ちょうど1年ぶりくらいだったでしょ…ameblo.jp旅籠いとうや楽天トラベル