木立を渡る風にほんのりと冷たさが混じる頃、海の向こうの巨大なマーケットからも、今後の相場を大きく左右する冷ややかな数字が届きました。

 

 

10月2日に発表された米国の9月雇用統計は、市場の事前予想を大きく下回るネガティブサプライズとなりました。

 

景気のバロメーターとされる非農業部門の就業者数は大幅に伸び悩み、長らく市場を悩ませてきた米国の労働市場がいよいよ急減速の坂を転がり始めたことをありありと物語っています。

 

この冷え込みを敏感に察知した金融市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が次回会合で追加利上げを見送るとの観測が一気に強まりました。

 

それに呼応するように外国為替市場ではドル売りと円買いが進行し、一時は1ドル=156円台後半へと急激に円高が進行する場面も見られました。

 

これまで私たちの資産を翻弄し続けてきた過度な円安ドル高に、ようやく確かなブレーキがかかり始めたといえます。

一方、週明けの日本株式市場への影響はどうでしょうか。

 

一般的に米国の景気後退懸念は売り材料になり得ますが、今回は「利上げが一旦停止されるという安心感」が勝る形で、米国株が反発して終えた流れを引き継ぐことになりました。

 

日経平均の先物相場も一時7万円台を回復するなど底堅さを見せていますが、為替が円高方向に振れたことでトヨタ自動車などの輸出関連企業にとっては業績への下押し懸念が上値を抑える重荷となります。

 

その一方で、金利低下の恩恵を受けるグロース株や内需系の銘柄には物色の矛先が向くなど、日本市場の中でもセクターごとの明暗がくっきりと分かれる展開になりそうです。

 

さらに、米国の利上げが落ち着くことで、日本銀行が「円安防衛」のために急いで追加利上げを行わなければならないというプレッシャーも和らぎます。

 

日銀としても、今後の国内の物価や賃金の動向をより忍耐強く見極めるための時間的猶予が生まれたといえます。

 

世界の潮目が「インフレ退治の利上げ」から「景気への配慮」へと大きくシフトしていく中で、私たちが向き合うポートフォリオもまた、時代の波に合わせてしなやかに構えておく必要がありそうです。

 

慌てて売買を繰り返すのではなく、「景気が緩やかな減速局面に入ったのだ」という事実を受け止めつつ、落ち着いて相場を見つめるのがシニアの賢い処世術かもしれません。

 

刻一刻と表情を変える世界の経済ニュースを肴に、静かな朝の珈琲を味わうのも、退職したシニアならではの密かな贅沢です。

 

みなさんは今回の米国の雇用統計の結果を踏まえて、これからの日本株や為替の動きをどのように見つめていかれますか?

 

 

 

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