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藤子不二雄A「藤子不二雄Aのブラックユーモア」

 今年は、藤子不二雄先生の漫画家生活60周年なんですね~当然、A先生も(もしご健在であれば)F先生も。そして、”藤子不二雄A画業60周年記念”と銘打って、色々と出されるみたいですよ。この2冊の短編集は、そのうちのひとつ。
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 藤子不二雄A「藤子不二雄Aのブラックユーモア」

           (黒イせぇるすまん)(無邪気な賭博師)


 藤子不二雄A先生といえば、”忍者ハットリくん”や”怪物くん”、”プロゴルファー猿”等の少年漫画が代表作ですけど、別な代表的な作品として、ちょっとオトナな”ブラックユーモア”の作品群も有名ですね~

 藤子A先生の”ブラックユーモア”作品というのは、大ヒットしたアニメ”笑ウせぇるすまん”、大雑把に言うと、ああいう傾向の漫画。人間の心理の怪しいところや怖い部分をテーマにした、サイコ・ホラーと言えるのかも。

 この短編集には、1968年~70年にかけての短編作品を「黒イせぇるすまん」に、71年~73年の短編作品を「無邪気な賭博師」に、収められています。


 漫画の内容は、”笑ウせぇるすまん”みたいに、ユーモアが混ざったものもあれば、完全に突き抜けて、イタリア辺りでホラー映画になってそうなモノや、あと海外旅行でのトホホ話(笑)。A先生をモデルにしたと思われる人物が、当時(1960-70年頃)まだポピュラーではなかった海外へ一人旅して、散々なメに遭うという漫画(笑)。

 麻雀やカジノ等、ギャンブルが絡むものが多いです。A先生がお好きなんでしょうね~りんごやバナナをむしゃむしゃ食べながら麻雀されてた、というエッセイを読んだ記憶がありますね~

 後に、ブラックユーモアな傾向の少年漫画「魔太郎がくる」「ブラック商会変奇郎」等をお描きになりますが、その原型と言えるのかもしれませんね。


 代表作だけに、これらのブラックユーモア作品は、今までにも色々と短編集が編まれてますけど、この短編集では、今まで単行本未収録だった短編漫画が1冊に1つ収められています。「黒イせぇるすまん」には、”わが名はモグロ…喪黒福造”(2003年)、「無邪気な賭博師」には”田園交響楽”(1972年)。


 短編集の表題ともなってる短編漫画”黒イせぇるすまん”は、”笑ウせぇるすまん”の原型になった作品で、アニメで有名な”指を突きつけて「ドーン!!」”とは、やらないんですけど、喪黒福造が登場する作品です。そして、単行本未収録の”わが名はモグロ…喪黒福造”は、2003年に”黒イせえるすまん”(喪黒福造)の誕生秘話を描いた作品で、興味深いです。ある意味、「まんが道」番外編といった感じでもありますね(笑)。

 もしかすると、「愛…しりそめし頃に…」(現在連載中の”まんが道”)に、似たようなお話が載るかもしれないですね。「ビッグコミック」創刊をほのめかすようなお話が、先々月出た、最新刊の10巻に載ってましたから(笑)

吉田豪「男気万字固め」

 吉田豪さんは、書評家・プロのインタビュアーという方なんですけどね。この本は、吉田豪さんによるインタビュー集です。
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 吉田豪「男気万字固め」


 この文庫本の表紙は、リリーフランキーさんが描かれた吉田豪さんのイラストです。前述どおりインタビュー集 なんですけど、その方々がすごいんですよ。

 山城新伍、ガッツ石松、張本勲、小林亜星、さいとう・たかを、本宮ひろ志、乙武洋匡の7人なんですけど、名前を見ただけで、すでに面白そうですよね(笑)。そういう、タイトル通りの”男気”あふれる方々へのインタビュー集です(笑)


 吉田さんの趣味が、タレント本集めという事だそうなんですよね(笑)。そういうタレント本を熟読して、それに載ってる面白エピソードを中心にインタビューされているんですけど、危ない話(笑)から笑える話まで、やっぱり面白いですね~そういうエピソードをさらっと話すゲストの方々は、やっぱりすごいです。

 そう言えば、昔、日曜夜に放送してた「新伍・紳助の危ない話」というトーク番組がありましたね~(関係ないですけど 笑)


 この本は、2000年に連載されたもの(単行本は2001年刊行・文庫は2007年)で、山城新伍さんは2009年にお亡くなりになってるんですけどね。山城さんへのインタビューの中に友人の梅宮辰夫さんのことも出てくるんですね。いわゆる”梅宮伝説”(笑)

 それで、去年出た吉田豪さんのインタビューをまとめた「新人間コク宝」という本に、梅宮辰夫さんへのインタビューが載っているんです。そちらでは、梅宮さんが山城さんのことを話されているので、何か不思議な感覚ですね~両方読むと面白いです。

藤子・F・不二雄「オバケのQ太郎10」

 藤子・F・不二雄先生の漫画全集(藤子・F・不二雄大全集)の「オバケのQ太郎」10巻なんですけど、いつものオバQとはちょっと変わったお話が収録されています。
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 藤子・F・不二雄大全集「オバケのQ太郎10」(2011年)


 この全集の「オバケのQ太郎」は、1-5巻に週刊少年サンデー掲載分が、6-12巻に学年誌掲載分が、13巻以降には「新オバケのQ太郎」が収録してあります。

 学年誌だと、6巻は「小学一年生」掲載分が、7巻は「小学二年生」掲載分が、という風に学年別で1巻づつまとめてあります。そして、この10巻には「小学五年生」掲載分をまとめてあるんですね。そして、それ以外にも、「マドモアゼル」「明星」「ボーイズライフ」掲載のオバQも収録されているんですが、オバQの変わったお話というのは、この「マドモアゼル」に載ったオバQです。

 「マドモアゼル」という雑誌を私は知らないんですが、このF先生の全集によると、20歳前後の女の子を対象とした女性誌で、昭和41年1月号-11月号に載った11作が収録されています。


 どこがいつものオバQと変わっているのか?

 まず、通常のオバQとパラレルな世界観なんですね。Qちゃんがいる大原家の隣の、神成さん家にはアメリカオバケのドロンパが居候してますけど、この「マドモアゼル」編にはドロンパは登場しないんですよ。

 その神成家に青山ミドリさんという若い女性が下宿してきます。そしてQちゃんは、引越しの挨拶に来たミドリさんに一目ぼれ!…といっても、淡い片思いなんですけどね。

 二階の部屋から隣のミドリさんをニコニコ見ているQちゃんを、正ちゃんと伸ちゃんが「ミドリさんが好きなんだ」と、からかうと、Qちゃんは「ちがわい!ちがわい!」と否定して、ミドリさんにアカンベーをして、「どうだ分かったか!」とポロリ涙を流す…という、そういう風なQちゃんの初恋を描いてるんです。


 掲載雑誌の読者層もあるんでしょうけどね。Qちゃんが微笑ましいです。

 後に、「新オバケのQ太郎」で、オバケのU子さんを好きになるQちゃんですけど、あんなに激しくないですよ。淡い初恋という感じで。

coba「conscious posi」「conscious nega」

 何かね…最近コバさん(小林靖宏)さんのCDをよく聴いてました。
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 coba「conscious posi」(1998年)
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 coba「conscious nega(subconscious)」(1998年)


 この2枚の盤は、別々に発売されたものですけど、2枚で一組と言えますね。

 意識的なポジとネガ…英語は苦手なので直訳ですけど(笑)。ポジとネガ、表と裏という感じですかね~…でもデジカメが普及した今だと、”ポジ”とか”ネガ”とか言っても分からない子供とかいるんだろうな~(笑)

 ポジのほうは、コバさんの表の世界・アコーディオン奏者としてのコバさんのアルバム。ネガのほうは、コバさんの裏の世界、アコーディオンにこだわらないミュージシャンとしてのコバさんのアルバム。そういった関係だと思います。

 どちらのアルバムも8曲収めてあるんですが、そのうち6曲が同じ曲の別アレンジになってるのも、そういう関係なんでしょうね~


 基本的に打ち込みの音が主体なんですけど、ブルガリヤのオーケストラやコーラスグループと共演しているので、壮大な感じがするんですよね。面白いです!


 コバさんのアルバムですから、タイアップ曲もありますよ。日曜夜に放送していた古館さん司会の「おしゃれカンケイ」のテーマ曲とか、深夜番組「トゥナイト」のテーマ曲だった曲とか。

 色々なジャンルの曲が収めてありますが、前述通り、打ち込みの曲が多いんですけど、「おしゃれカンケイ」の主題歌だった”CREPUSCULE”は、フラメンコ調な曲ですし、オーケストラと競演した曲も、リズムは打ち込みですから、面白いです。

 「コンシャス・ネガ」のほうに収録されているトゥナイトの主題歌だった”バーコード・フィンガー・プリンター”という曲が妖しくて好きですね~
 そして、去年のバンクーバー冬季五輪のフィギアスケートで日本選手が金メダルを取りましたけど、その演技の曲で、コバさんのこのアルバム収録の”アイ”が使われていたんですよ。知らなかったのでテレビの前でビックリしました!


 もうひとつ言えば、この2枚のアルバムですが、同時期に出た、山岡広司さんとコバさんのユニットのコズミック・ジェネレーション「ペアレンタル・ガイダンス」(1997年)
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 jesper sibergさんとのユニットのシネマトグラフィカ「ネオナトー」(1997年)
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ともつながってる感じがします。この2枚とも打ち込みのアルバムなんですけどね~
 「ペアレンタル・ガイダンス」には、”バーコード・フィンガー・プリンター”のアコーディオン抜きのバージョンが収められています。


 去年のNHK-FMで放送された「今日は一日プログレ三昧」というリクエスト番組で、”(1970年代)当時、エマーソン・レイク&パーマーの「タルカス」をアコーディオンで弾く少年がいる、と話題になってたけど、実はその少年は、後のコバさんだった”と、山田五郎さんが仰ってました。

 この盤に収録されている曲ではないんですけど、こういう動画もあるので、タルカスもやってもらいたいな~と、つい思ってしまいます(笑)

 coba”伝説のチャンピオン”(ニコニコ動画)  

2011.4.8


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 いっぽんグモ!(笑)